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追随と価値

昨日の日経紙視点面では、「価格競争、衣料品で突出」として1,000円切るジーンズがなぜ登場したかなど載っていた。確かに一部ネット証券の手数料引き下げ競争ではないが、今年に入ってからユニクロがこの1,000円を切るジーンズを打ち出してから、イオン、ダイエーが800円台を打ち出し、次に西友がそれ以下を、そして直近ではドン・キホーテが600円台を売り出し完売状態だとか。

衣料品でも日常性の高いカジュアルものだから別段値段が安かろうが特に違和感があるというものではないが、一方では人気の高いDIESELなど10万円程度の品もあるし、ドルガバの派手にクラッシュ加工させ彼方此方リペアだらけのジーンズなんぞは一本20万円近くするから、それこそこんな着潰しの一本といっても様々である。

まあこの辺はこんな不景気でもフェラーリなど今だ受注を多く抱え、過去最高の販売台数なのと一緒で其れなりの顧客層を抱えているから他人事だろうが、キツイのは今迄の定番クラスか。産経紙で見かけたがリーバイ・ストラウス・ジャパンは大きく売り上げが落ち込み、ジーンズメイトも黒字から赤字に下方修正、ボブソンがブランドを企業再生会社に譲渡するとか。

今迄当欄では様々な値下げ競争のシーンに触れてきたが今回はジーンズ、しかし先鞭をつけたユニクロ柳井氏の「追随企業は自分の首を絞める事になるのではないか。みんなが低価格に集中すると価値はなくなり、価値がないものは売れなくなる」との一言が実に印象的である。


バブル創造過程の体質転換?

さて、今週一番気になったニュースといえばFUTURES PRESSでも既報の通り、東証とTOCOMが二酸化炭素の排出量取引市場の設立を目指し、来年春にも共同出資会社を設立する方針を固めたという件か。

民主党のマニフェストも追い風になってこの排出量取引でアジアにおける中心市場の地位を確立したいとの意図だが、当欄でも夏に投信を例に「環境バブル」としたようにこれが政策なら、一連の流れというか順序からはこれは間違いなく避けて通れない道か。

当然バブル醸造の過程として先ず市場創設だが、そこはデリバティブの存在が不可欠なのはいうまでもない。そうした意味合いにおいて一応のリスペクトなのか、TOCOMさんも共同出資でという格好になったのだろうがさて何処まで握れるのか。

しかしこの取引、EUが先行しているが実態の無いものに如何ほど透明度を持って来れるかだが、逆にそれが無いものほどバブルには好都合か。日本ではカーボンオフセットなどというのがようやく聞き慣れてきたものの、こうした点踏まえて内輪で盛り上がっているうちに外から包囲網がしっかり出来上がっていた等というのもあり得ない話ではない。

その辺はともかくTOCOMに話は戻るが、政策的なバブル創造ならたとえお零れでも可也おいしいビジネスになるのは想像に難くないが上手くそれに与れるのか、ひょっとしたら一般商品脱却を視野に入れたトンデモない体質転換を秘めているのかもしれないが現段階ではちょっと飛躍し過ぎな発想か。


小物から大物まで

昨日は元社員がインサイダー取引を行った事に対する措置でガブドットコム証券に対して日本証券業協会が過怠金2,000万円を課す処分を発表していたが、他にも直近では当時から確信犯と喧伝されていたオリエンタル白石に関しても、うっかりメールから社員連中がインサイダーやり放題であった件も判明するなど彼方此方でこの手が挙げられている。

このオリエンタル白石などどう見ても怪しかったので覚えているが、約定分布累計など見ていると寄付からイケイケで売りに行った向きと、慎重に裏?を取ってから売りに行った向き等分かれていて面白い商いであったが、自社がつぶれてしまうのを前にせめてこれを利用して退職金代わりに小銭を稼ごうとする光景は昔のヤオハンや山一證券破綻の時も当然あった。

商品業界なんぞも破綻や行政処分ありでそういったネタにも事欠かないが、やはり絶対はないといわれる相場の世界で破綻モノは株価下落というのは概ね絶対なだけに逆日歩を除けばそのリスクのなさから誘惑に乗る向きは多いが、総じてメジャーな物ほどいまだ表面化しないなど意図的なものを感じるケースが多い。

ところでインサイダーといえば社員の小遣い稼ぎではなく、もっと規模の大きいものでは先週末に米ヘッジファンド大手のガリオン・グループ創設者他数名が米司法当局にインサイダー容疑で起訴されている。その不正利益とされるのも16兆円以上とサプライズな数字だが、スケールが大きいだけにその成り行きが注目される。


ダブルスタンダード

CFD規制と共に週末に彼方此方で報道されていたのが、証券取引等監視委員会が仏系のBNPパリバ証券を行政処分するように金融庁に勧告したという件。同証券、ご存知破綻したあのアーバンコーポ株において確信犯的なディスクロで多くの投資家をトリックにかけたのは記憶に新しいところだが、同じ頃怪しい動きをしていたソフトバンクのインチキにも関与していたというのが明るみになってしまった。

同株に関してはオプション絡みなのか値が付いたら都合が悪いという事で、引け際に1,000万株以上の煽りを入れて比例配分不可の気配値終了操作をした模様。しかしこんな操作、ついこの間東京地検特捜部に逮捕された早大マネーゲーム愛好会の連中と同じではないかとも思ったが、それもそのはず当の彼らもそういえば「〜やってはいけない事だが、証券会社の人間とかいろんな人がやっている〜」と語っている。まあ、よく視ている点は感心すべきか。

ところで日経社説にも外資系も法令順守の徹底をとあったが、思うに利害関係があるにしても本当にこうした向きに対する態度の甘さこそ問題視すべきであろう。アーバンのディスクロでは投資家を欺いて何億円も吸い取ったわりに金融庁が納付命令課した課徴金なんぞは、それこそ個人がポケットマネーでポンと払える程度の金額であるからナメられるのも無理はない。

こうした外資の一部もリーマンよろしくこんな危ない橋を渡らざるを得ない背景には焦りその他いろいろ思いつく点あるが、上記勘案するに見せしめ的な利益の何倍もの罰金や無期業務停止などもにおわせて然るべきか。何かこう相手によってその対応が異なるアンフェアな部分が目に余るし、これではまだまだ国際標準に追いつくには時間がかかるというものだ。


形式と実質

CFDNOW!FOREX PRESSのピックアップでも既報の通り、先週末には金融庁がCFD取引について概ね一年を目処に証拠金規制を導入意向と発表している。

金融商品取引所法の改正を受け、政令・内閣府令案公表。11/16まで意見を募集としているが、前述したように倍率規制案はFX等と並行して行われていたというコンセンサスもあり、他のデリバティブも同様に順次という感じだろうか。

さて高リスク取引と見られている取引を巡っては、過度に高い倍率で預け入れた証拠金以上の損失を被るケースの未然防止が論拠であるが、構造上そのボラティリティー如何では役所が想定している範疇においても実質レバレッジにおいての抵触というケースも出て来るわけでこの辺がなんともまだ双方において再考の余地在りとも感じられる部分である。まあ、いろいろ突詰めれば倍率規制が投資家保護になるかといえばそう単純ではないだろう。

FX等も含めて段階的に絞めてきた規制によって先ずは一時的かどうかマーケットも縮小するのは想像に難くないが、その度に業者側も篩いの洗礼は避けられないのは明白。本来は業界の内から自主的な自浄気運というパターンが理想的なものの、当初から否応無しに型に嵌められてしまうのもこうした毛色の業界が作ってきた軌跡と思うと機会提供の意味合い等考えるに複雑な想いも出てくるのは否めない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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