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エアバッグパンク

さて、民事再生法を織り込み先週は連日のストップ安が続いていた途中で国内メーカー支援報道から週末にはまさかのストップ高と絶好の逃げ場を提供したタカタ株が、週明けの売買停止を経て本日は週末のストップ高水準からほぼ五分の一水準で寄り付き上場廃止までの鉄火場ゲームがスタートとなった。

上場企業のパンクは思い出すと一昨年の第一中央汽船以来だと思うが、今回の負債額は最終的に1兆円を超え製造業では戦後最大の規模となる模様だ。思えばリコール問題が出た当時はここまで時間をかけ全自動車メーカーが製品を採用する先駆的トップシェアの企業がパンクするとは思ってもみなかったが、近年はほんとうに何が起きるか解らない。

上記のように「まさか!」と思う向きが多いだけに暴落が始まった先週だけでもネット証券大手のNISA口座の出来高ランキングでは同社株がベスト3に入るなどしていたが、残念ながら紙屑になるだけでなくその損失も利益と損益通算が利かない泣きっ面にハチ。こんなところでNISAの理不尽さも垣間見るというものだが泥船に乗らぬよう気を付けたいもの。


魔の2回生

さて、学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡る安倍政権の対応に政府・与党内からも疑問や懸念等が出始めるなか、先週は自民党の豊田真由子衆院議員が秘書への暴行や暴言が週刊誌で報じられたことを受け党本部に離党届を出すに至り、それをまた麻生副総理の失言が性差別云々で物議を醸し出している。

当欄で自民議員の失言に最後に触れたのはちょうど一ヵ月前くらいの大西議員であったと思うが、一寸遡ってもそれまでに一昨年8月は武藤議員が未公開株を巡るトラブルで離党、そして昨年2月には宮崎議員がゲス不倫で辞職、その後の9月には務台議員が被災地のおんぶ視察で辞任、そして今年に入ってからは中川議員が重婚ウエディングで離党となんとも酷いありさまだ。

で、全国に恥ずかしい暴言が放映されてしまった今回の豊田議員だが、しかしさすがにこうも不祥事の見本市のように立て続けに問題が起きると2回生はハズレ年だなとつくづく。当の幹事長代行にまで2回生でそういうのが出ているのは本当に残念と言わしめているが、国政にも可也影響のある都議選も間近、一強安定政権の足元評価を一寸注目したい。


7/9付でクイック入金に新たに3行を追加

北辰物産は、2017年7月9日(日)よりクイック入金サービスの提携銀行に、これまでの6行(三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、住信SBIネット銀行、ジャパンネット銀行)に加え、業界初となる『ゆうちょ銀行』をはじめ、『三菱東京UFJ銀行』および『楽天銀行』の3行を追加。

▼クイック入金サービスの提携銀行の追加について


商品先物ネット取引徹底比較からランキングまで


大株主になった鯨

先週末の日経紙一面を飾っていたのは「日銀、株買い一辺倒」と題して、日銀が異次元緩和の一環でETF買い入れ金額を倍増させてから1年の間に保有残高が推定17兆円を突破、昨年の今頃にも言われていた事だが上場企業の実に4社に1社で日銀が安定大株主になった旨であった。

これまで日銀がETF買い入れで主力銘柄を吸い上げてきた旨は何度も当欄で取り上げており、その弊害としてこれら高寄与度銘柄の浮動玉浚いで板は薄くなり個別で相対的な高PER現象、そして日経平均にしても2,000〜3,000円程度嵩上げされているという試算がいわれている。

また大株主にまで至ったことでコーポレートガバナンスへの影響も無視できない問題になりつつあるが、斯様な歪みを意識してか昨年秋にはTOPIX型ETF買い入れ割合を7割増へとルール変更したものの6兆円に増額したここまでの過程の歪みを是正するまでには至っていない。

今月アタマには「どうなる出口」と題して末尾で米のようなイグジットに持ってゆけるかどうかまさに道中なだけに未知数と買いたが、限りのある流通株だけに何所までこの政策を続けられるのか目先ではまだ買い入れ政策の続行が可能なだけにこの辺に対する危機感もまだ道中である。


国策企業の裁き

さて東芝の命運を決めると言っても過言ではない半導体メモリー子会社の売却では日米韓連合が優先的に交渉する方向で検討に入ったが、来週に開催する定時株主総会で3月期末決算報告は見送り有報提出も法定期限である月末より先送りする事が報じられているが、東証は提出を待たずに市場を1部から2部に変更する可能性もあるという。

シャープ等はこのパターンであったが、ちなみにこちらは鴻海による復活劇で今月末か来月にも2部市場から第1部への変更を申請する予定。それは兎も角、2部移行云々以前に有報を受け上場を維持出来るかどうかが焦点で、この辺は東証の匙加減という事になるがこと上場廃止基準の曖昧さは一般には到底解り得ない。

それでも投資ファンド大量保有の経緯やら直近まで株主が5回も入れ替わるが如く売買回転率が5割に迫り株価の方は2月安値からはほぼ倍化、社債は大きくは動いておらず鉄火場にして不気味な冷静さも保つ妙な構図になっている。とはいえ審査長期化ともなればやはり国策企業への忖度かと云ううがった見方も台頭してくるのは想像に難くなく東証もこの辺をどう裁くか思案のしどころではあるか。


HYIPの罠

さて、昨晩たまたま見たWBSでは「超高配当うたう投資商品 トラブル続出その実態は?」と題し、オンラインサイト等で1日2%、年率730%といった超高配当を謳うHYIP(高配当投資プログラム)詐欺が横行しておりその実態を調査した旨がニュースになっていた。

番組の中で投資トラブルに詳しい弁護士が、1日2%の超高配当というこれまでの詐欺商法に比較して率が上がっているぶん破綻までの期間が短期化してきている事が特徴と述べていたが、確かに過去世間を騒がせた安愚楽牧場やMRIなどは、いかにもマトモな物で上手く行けばありそうな配当推移で比較的長期間をやりくりしてきたモノであった。

この手のHYIPの多くが今が旬のビットコインに投資や決済と若年層が入り易い素地があり10代20代の一部学生でもHYIPが何たるかを解っていた模様だが、他人の勧誘でボーナスポイント付与を謳うなど二次的な損害賠償の芽もあるだけに幅広い層がリテラシーを身につける事が望まれるか。


関連株も大化け

本日の日経平均は再度年初来高値を更新し大幅高に終ったが、こうした東証一部市場への資金流出からマザーズ市場などは逆に6日ぶりに反落となっていた。同ポストの中でもつい昨日に続急伸から年初来高値を更新していたリミックスポイントも本日は一服となっていたが、この株も5月から実に9倍以上になっているから恐るべしな大化けである。

当然乍ら旬な材料の背景なしにこの大化けも有り得ないというものだが、周知の通り同社は子会社がビットコインの取引所を運営する仮想通貨関連銘柄。今月初旬には17年3月末時点で同社株を保有する株主に、1単元あたり10円相当のビットコインを配布するというユニークな株主優待も発表している。

ビットコインの恩恵でココまで暴騰劇を演じてきたが、同社は子会社のビットポイントがちょうど一週間前の当欄でも取り上げていた2015年にリリースされた時価総額2位の仮想通貨イーサリアムも8月から取り扱い開始の予定と報じている。同通貨は一部で取引完了までの時間がビットコインより短く利便性が高いとも言われており今後これらを何所まで織り込んでくるか注目される。


漢方上場来高値

さて、先週末の日経紙マーケット面の銘柄診断では連日の上場来高値を更新という事で医療用漢方大手のツムラが取り上げられていた。モルスタが出したリポートが好感されているのが背景にあるようだが、週明けの本日も前場には急反発し再度上場来高値を更新と今週も順調にこれを塗り替えてきている。

漢方といえばついこの間だが知人の医師と時間があったので一寸話し込んだのだが、幾つかの生薬の価格高騰が著しくまたモノによっては原料調達が困難になった事による販売中止の影響もあって彼女がこれまで処方していたブレンドが出来なくなってしまったモノもあるというのを聞いた。

斯様な事情でツムラは、先月だったか東北で国産化を拡大するなど生産地を分散して天候や価格変動のリスクに備え安定供給を目指す旨の報道が見られたが、その後にも養命酒製造が主力商品の原料となる生薬の国内生産を増やし、早ければ3年以内に輸入品の一部を国産に切替えるという同様の報がなされていた。

以前に取り上げたコメの生産減から新たな収益源として生薬の栽培に関心を示す農家もありこの辺のマッチングもありそうだが、漢方薬市場はここ10年間で4割増えたとの日経紙報道も見たが、上記の需要超過で原料調達が困難になるなどはこれの一部表れでこれを見るに消費者の自然志向も加速度的に高まってきているといってもいいだろうか。


三度目の正直

さて、今週は週明けから上野動物園のパンダ出産というめでたいニュースが飛び込んできた。リーリーとシンシンとの間には12年にオスを授かったものの残念な結果となり、翌年13年にも妊娠の期待がかかるも結局は偽妊娠に終わったという過去があっただけに関係者の喜びも一入だろうか。

パンダ懐妊報道の度に一喜一憂していたのは関係者だけにとどまらず関連株もまた然りであったが、さすがに本当に生まれとなると値上がりランキングには上野銘柄双璧の東天紅と精養軒が仲良く並び、報道直後の後場には中華の東天紅がストップ高まで買われ2007年7月以来約10年ぶりの高値圏に躍り出る急騰を演じた。

上記の精養軒や東天紅は早速パンダプレートやパンダグッズを販売するなどの対応を見せたが、他にもアメ横各店では報道とほぼ同時にセールに踏み切るところが多数あった。関西大の試算によればその経済効果は実に約267億円と弾き出しているが、今後は成長と共に相乗効果でその辺も確固たるものになってくる事から大いに期待したいところである。


マック復活?

さて、本日からマクドナルドは東海地方限定でメニューに100円追加すると肉などの主な具材が倍になる「夜マック」を売り出す。この地域は夕食にボリュームの多いハンバーガーを利用する顧客が多く、地域限定で新サービスを導入する運びといった感じだが全国展開は未定という。

ところでこの株価の方といえば2017年12月期の業績見通しを大幅上方修正した事で、先月末から今月にかけて9営業日続伸し先週には年初来高値を更新となっていたが、マクドナルド総選挙などのイベント企画等も奏功して業績は新たな成長局面に入ったとの一部指摘もある。

斯様な株価の順調な上昇で上場直後の高値圏に躍り出て、新興市場でよく比較されるマザーズ上場のミクシィを約2か月半ぶりに逆転し株式時価総額で首位になった旨が昨日の日経紙に出ていたが、米社の売却凍結表明と併せ株価の下方硬直性も優待を背景にしたものから解放され内需セクターの新たな牽引役となってゆくかどうか注目される。


鉄火場通貨

本日の日経紙金融経済面には「ビットコイン3000ドル突破」と題して、短期間に大台を次々と塗り替えはや3000ドルを超えて来たビットコインなど仮想通貨に投資する米ブライアン・ケリー・キャピタル・マネジメント創業者と、英グローバル・アドバイザーズ最高投資責任者の二氏のインタビューが載っていた。

直近の当欄で仮想通貨を取り上げたのが先月末であったが、ビットコインなど取り上げる度にその大台が変わっているからまさに投機熱も破竹の勢いで、ブライアン・ケリー氏は文中で金を買っている5%の資金が流れ込むと24,000ドルまで上昇すると大胆な予測を述べている。

ちなみに他の通貨も先月末の当欄では時価総額2位のイーサリアムの急騰も取り上げたが、時価総額3位のリップルも3月には1円もしなかったものが、約2か月後には約45円まで急騰と実に50倍近くにも大化けしているのを見るに大胆予測も大胆には感じなくなってくるある一種の麻痺感のようなものがある。

他の金融商品等と違って投資尺度も無いだけに上記のような予測もどう捉えてよいのかわからないが、高的中率をマークしている感情値から将来の出来事を予測するプログラム「ウェブボット」の最新リポートでも来年2月には13,800ドルという予測を出している。果たして来年のその時期に何ドルになっているだろうか。


株先30周年

先週末の日経紙マーケット面には、日本で株先物市場が創設されてから9日でちょうど30周年を迎えた旨が載っていた。大阪取引所の前身である大阪証券取引所が1987年6月に日経平均株価と連動し易い「株先50」を導入、翌年9月に登場した日経平均先物がその後の牽引役となりはや30年である。

昨年の日経平均先物の売買高は2076万枚で創設当時の88年から14倍の規模に膨らんだというから飛躍的な伸びだが、思えば実施当初の口座開設制限等の壁は高く当時は街金の取次紛いが一寸した流行りの時期もあったものの、ネット証券の台頭等からこれが各段に低くなったのもこうした伸びに一役買ってきたのは想像に難くない。

斯様にラージと共にミニも相場急変時などヘッジニーズの高さから個人投資家の取り込み等で大きく伸びたとはいえ、デリバティブ全体としては当欄で4月に「デリバティブ市場混戦模様」と題し書いたように売買高ランキングは17位にとどまっている。引き続き世界標準を見据えて監督官庁の壁を見直し、悲願の総合取引所実現が焦眉の急だろうか。