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くじらPKO

昨日の日経紙一面には「公的マネー、筆頭株主に」と題して、同紙の試算で公的年金を運用するGPIFと日銀を合せた公的マネーのパッシブ運用等で東証一部上場企業約1970社のうち4社に1社にあたる474社の実質的な筆頭株主となっている事が分かった旨が報じられていた。

所謂「くじら」のGPIFについてはこれまで何度となく当欄でも取り上げて来たが、日銀のETF買い入れも年間購入額を6兆円とほぼ倍増することを決めて以降、今やその経験則や買い入れペースを読みながらのトレードで市場は一喜一憂し一部限界論の台頭もあって戸惑いも否めなくなってきた。

かつてのPKO時代から時は過ぎ、当時は存在しなかったスチュワードシップコード等が導入された現代、形態を変えてのPKOとの比喩が喧しい。後半戦も米国の利上げを巡る思惑が燻るなかくじら勢はこれら踏まえて購入スケジュールをどう図ってゆくのかこの辺がまた注目される。


9/19付で取引ツール「マーケットスピードCX」リリース

楽天証券は、2016年9月19日(月)(取引開始は9月20日(火)より、東京商品取引所の国内商品先物取引専用の最新取引ツール「マーケットスピードCX」をリリース予定。

▼国内商品先物取引専用の最新取引ツール「マーケットスピードCX」リリースのお知らせ



マーケットスピードCXは、HTML5を採用することにより、ブラウザベースでありながら、インストール型のアプリケーションに匹敵する高速性とユーザビリティの高さを実現いたしました。

また、レイアウトを自由にカスタマイズして自身の最適な取引環境を実現できる、頻繁に取引したいアクティブトレーダーにお勧めの「こだわりモード」、および従来の取引ツール「Formula」 の画面機能を踏襲した初心者の方や従来の取引ツールに慣れているお客様にお勧めの「かんたんモード」より、お客様の取引スタイルに合ったモードをお選びいただくことができます。

その他にも、楽天証券のマーケットスピードらしさを踏襲し、プッシュ通知による約定通知や約40種類の最新のテクニカル分析指標を準備いたしました。さらに「こだわりモード」では画面の配置を自由に配置できるマイページ機能も搭載し、お客様それぞれに最適な取引環境を提供可能といたしました。

9月に予定されている東京商品取引所の制度変更対応に併せて、金限日(東京ゴールドスポット100)取引にも対応いたします。決済期限が無く、少額で、ほぼ24時間取引が可能な東京ゴールドスポット100を、業界最安値水準の手数料(56円(税込60円)/枚)にてサービス提供いたします。

楽天証券では、既に提供しているマーケットスピードの高度な技術力とノウハウを受け継ぎ、新たに誕生する「マーケットスピードCX」にて、今後もお客様に最高の取引環境を提供してまいります。

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自社株買いとROE

先週末の日経紙マーケット面には「自社株買いに選別の目」と題して、5兆円超と過去最高だった前期に続いて今期も同規模になる公算が大きくなる旨が載っていた。昨年のコーポレートガバナンスコードの適用でROEが意識され、自社株買いが急増とその動きがより活発になってきている。

さてこのROEが意識されてという部分であるが、これが重要視されるあまりこれを維持するが為に企業の利益が設備投資やら開発や研究に十分回らないままに自社株買いに振り向けられているケースも最近は多く目にするようになった。

末尾には自社株買いを成功させる要因は何かとし、自社株が大幅な含み益になっているところはROEが安定して2ケタ台の企業が多いとあったが、もともと低ROEのところや上記のケースで自社株買いに勤しむケースでは生産性が低下し低成長の原因になっているのは否めない。効果的な自社株買い機運から市場の篩も一段と選別色が出て来ようか。


渡りに船の転換

さて本日は所用で浅草方面に行ったのだが、この界隈を通り多くのバックパッカーらしき外国人観光客を見るに思い浮かぶのがこの近くにあるラブホテルを改装しゲストハウスにしたカオサン・ホテルの大ヒットだろうか。

この辺に絡んでは今週の朝日紙でも、ラブホテルを外国人観光客向けホテルにリニューアルする業態転換が増えつつある旨の記事も見掛けた。ここでは業態転換した埼玉のラブホテルを取り上げていたが、従前では所謂風俗案件への融資はまずハネられたものだが、同ホテルは1億以上の改装費を都内の信用組合から借りたという。

こんな手の平返しの対応変化は、やはり4月に政府が日本政策金融公庫に対しラブホテル改装費の積極融資を通達した事が可也大きいだろうか。現在ラブホの平均稼働率は平日で4割止まりと言われているが、こうした政府の腰上げが呼び水となり業態転換が進めば経営難とホテル不足解消の一助にもなるワケで、来る東京五輪を見据え政府アクションの試金石となろうか。


売り専第2弾

夏枯れ相場で一進一退の日経平均だが、個別ではなかなか戻りの鈍いモノも散見される。サイバーダインなどもその一つに挙げられるが、先週末の日経紙投資情報面にも取り上げられていた通り、空売り専門の米調査会社シトロン・リサーチが同社株価を割高としたリポートを巡って同社側が分析が非常に浅く、事実誤認を含むとの見解で知的財産の所有状況など疑義について反論している。

この手の件といえば当欄では、グラウカス・リサーチG第一弾と題して今月の4日にそのターゲットとなった伊藤忠商事を取り上げているが、時価総額の大きな東証一部株と違ってこちらは新興のマザーズで時価総額も約九分の一ほどなだけにホルダーも穏やかではないだろうか。

しかしその目標価格も事実上の売り推奨時から85%安であるからなかなかインパクトのある値というか内容である。グラウカス・リサーチのこれ迄の実績も言わずもがなだが、この手の売り専が7月、8月と立て続けに出てきた事で今後も突如としてターゲットにされる企業とその攻防が注目される。


都市鉱山メダル

昨日に続いてメダル関連だが、昨日の日経紙一面・春秋には次の東京オリンピックメダルの材料である金や銀を都市鉱山に求める構想が動き出した旨が載っていた。この辺に関してはWBSでも「東京五輪成功へ、日本の技術活用始まる」と題し、茨城の物質・材料研究機構や北九州市の(株)アステック入江がリサイクル原料で作った試作品の五輪金メダルが放映されていた。

リオ五輪のメダルも30%ほどがリサイクルで作られていたというが、東京ではこれを金・銀・銅共に100%リサイクルにしたいという。前回のロンドン大会のメダルで使われた金は計9.6キロで、他に銀が1,210キロ、銅が700キロというが、1年間に日本で廃家電から集まる金だけでも143キロあるという。

これだけでも五輪金メダル使用量の10倍以上取れている事で理論上は可能というが、これまで完全なリサイクルメダルは他国が挑戦しても出来なかった経緯があり、東京五輪のテーマは「環境」に重きを置いているだけに最先端技術を駆使し日本が成功させる事に意義があるか。


メダルと株価(伯剌西爾編)

数々の感動を生んだリオデジャネイロ五輪も日本選手団が獲得したメダル数が41個と、前回2012年ロンドン五輪を上回り史上最多となって2020年東京大会へ弾みをつけた格好になった。そんな五輪の閉会式会場に登場したのはスーパーマリオに扮した首相の「安倍マリオ」、任天堂の株価はこれを受け一時3%近くの上昇を見せたとの一部報道もあった。

さてこんなオリンピックと株価に絡んでは先週末の日経紙に「五輪相場、一足先に閉幕」と題して、日本人選手の期待への高さから五輪開幕に先駆けて高値を付けていたメダル獲得選手が所属する企業やスポーツ用品・ウエア大手が材料出尽くし感もあって勢いを失って来た旨も出ていた。

株価を絡め云々というのは五輪シーズンにはお決まりの光景ともいえるが、行動ファイナンス理論でも東証再開以来の計測でメダル獲得数増に即して日経平均の上昇率が高まるものの一定数以上ではマイナスに転じるというモノもある。サンプルの取り方如何もあろうが、さて今回はどういった結果になるのかまた一つデータが蓄積されるか。


それぞれの想い

さてメダルを獲得した選手の帰国も始まったが、個人的に明け暮れた時期もあったという事でオリンピックは毎回特に体操が気になってしまう。今週は種目別決勝の跳馬で白井選手が伸身ユルチェンコ3回半ひねりという新技を初披露し銅メダルを獲得、初の五輪をいい形で締め括った。

この跳馬ではルーマニアのドラグレスク選手が本家本元の技を披露し白井選手と同点を獲得したが、ルーマニアといえばもう一つ、女子は団体出場を逃すなどコマネチ時代からは想像も出来ないような事態となっている中で、一度は引退し云われ無き誹謗中傷の波に晒されつつも国を背負って独り個人で出場したポヌル選手の精神をやはり称えたい。

また、今年も種目別では白井選手のみならず各選手共に果敢に新技を出してきたのが印象的であった。跳馬では白井選手を上回るDスコア7.00の表示が点ったウクライナのラジビロフ選手は前方3回宙返りに挑戦、鉄棒では離れ業で神の領域のゾンダーランド選手は今年は今一つであったが、代わりにブレットシュナイダー選手がH難度のコバチ2回ひねりを出してきた。

しかし冒頭の跳馬で金メダルを取ったのは世界選手権2連覇中の北朝鮮のリ・セグァン選手だったが、表彰式で国旗に敬礼し国家を謳うその姿が非常に印象的であった。また個人総合で内村選手と互角の闘志で演じたウクライナのベルニャエフ選手も劣悪な環境下においても祖国を捨てず国を背負って平行棒の金メダルを獲得。神業の裏に各々の深い想いを垣間見た今回のオリンピックであった。


黎明期市場

昨日の日経紙マーケット面には「仮想通貨活況FXから流入」と題して、ビットコインの国内取引高が2016年1〜6月期に4,300億円、7月は単月で2,000億円を突破し、それぞれ前年同期比で約50倍に増えるなど活況を呈している旨が載っていた。

周知の通り5月には仮想通貨取引所を登録制とする改正資金決済法が成立したという事もあって、個人のみならず法人までその範囲を広げてビジネスとしての伸びしろも先月の当欄では取り上げたが、三菱東京UFJが米コインベースとの提携を発表するなど一部メガバンクも低金利環境下ならではの活路を見出し始めている。

彼らがブロックチェーンへと枝葉も視野に入れるなか川下でも個人のトレードを取り巻く環境もまた乱立状態を呈しているが、過去の軌跡を見ても軌道に乗るか否かは信用の裏付けとリクイディティが要、黎明期をどう育てるかが今後の成功の是非にもかかわってこようか。


ガバナンスコード

昨日記の通り夏枯れ相場で今週は軟調な日経平均だが、そんな中においても連結業績見通し上方修正やらJPモルガンの目標株価引き上げやらで東芝が逆行高している。この東芝といえば株価はさておき、本日の日経紙「真相深層」では同社を巡る会計不祥事での検察と監視委員会の不協和音が取り上げられていた。

東芝や三菱自等の東証一部の名門ではなるほどそれに絡む各所も政治的背景が色濃くなってくるものだが、新興企業も常に何かしら紙面を飾っており今月は1日に株の損失回避目的で業績予想公表前に情報を親族らに伝えたとして、証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反で東証マザーズ上場「ALBERT」の前会長を東京地検に刑事告発している。

また4日には、ジャスダック上場で宅配サイト「出前館」を運営する「夢の街創造委員会」の株価を不正に吊り上げたとして金融商品取引法違反の罪に問われた同社創業者の初公判も東京地裁で行われていた。コーポレートガバナンスの重要性が云われてなお不祥事の芽が摘めぬ事例が多いが、コード云々以前にもっと本質的な部分の問題を見逃しているような気がしないでもない。


NTトレード

本日の日経平均は夏季休暇入りで市場参加者が少ないなか円高が進んだ事で小反落となったが、ザラバではプラス圏に浮上する場面もあった。この辺はやはり日銀によるETF買い入れ期待が背景となっているワケだが、この件に関して先週末の日経紙には「日銀の買い副作用」と題して株価の歪みにも言及していた。

今月に入ってからはNT倍率の拡大が取り沙汰されるようになっていたものだが、先週末の段階で12.78倍と1999年3月以来の高さとITバブル期以来の高水準にまでなっている。こうした変化に目敏いのは短期筋で、ETF買い入れ倍増決定をテコに日銀トレードともいわれる裁定取引が横行しこれらが更に拡大を助長させているスパイラルに陥っている部分もある。

NT倍率云々より予てより言われてきたものに個々の浮動株に対する日銀の保有比率があるが、大株主にまで発展すればなにより企業統治への影響も無視出来ない。また機械的吸い上げで市場では板が薄くなり当然高寄与度銘柄の一角など高PER現象を創り出す構図となっているが、デフレ脱却の大義名分で何所まで副作用に目を瞑るのか今後もオペが注視されるところ。


体操NIPPON

本日も朝から体操男子が12年ぶりに団体で金メダル獲得の嬉しいニュースが舞い込むなど、リオデジャネイロオリンピックが熱い展開となっている。予選で4位と苦しいスタートとなったものの、これだけ加藤選手を除いた他選手のミスが目立ってなおトップとのギャップはそう無かったところに妙な安心感が残っていたものだが、果たしての3大会ぶり団体での金である。

しかし体操技術も日進月歩で予選では鉄棒の屈伸コバチで内村選手が落下したが、決勝ではキッチリ決めてきた。こんな一面を取ってもつくづくオランダのゾンダーランド選手がロンドンで見せたカッシーナ・コバチ・コールマン(と記憶しているが・・)の連続離れ業は当に神業の領域と改めて思ったが、ホップターンのバリエーション含め年々進化が著しい。

しかし改めて思い返すに採点も10点満点など今となっては懐かしい。技術の急速な進歩と使用器具の変化もあって加点限度を撤廃せざるを得なくなってはや10年、限られた中で如何に高難度を詰められるかを競う機械的一面が多くなり本来の魅せる演技からの距離間も感じられる近年であったが、今回の日本勢は原点の「美しい体操」を世界に再認識させたのは間違いのないところだろう。