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再上場行統合

本日の日経平均は反発となったものの、引き続き内外の重要日程控えで様子見気分が強い展開であった。そんな中で昨日の年初来高値更新から本日も続伸しているモノに足利HDがあったが、昨日は同行と常陽銀が2016年秋にも経営統合する方向で最終調整している事が明らかになり地銀再編機運が市場で再度盛り上がった。

ともあれこれで統合後の資産規模は約15兆円と、来年4月に設立する横浜銀行と東日本銀行が経営統合したコンコルディア・フィナンシャルグループ、九州を地盤とするふくおかファイナンシャルグループに続く全国3位の規模の地銀グループが誕生する事になる。

今からちょうど1年前には上記の横浜銀行と東日本銀行が同様な方法で経営統合する報道があり、当欄でも末尾で健全経営とされた両行の統合で攻めの時代に入った感もありと書いた事があったが地方創生はアベノミクスの重要テーマの一つ、同一県内での統合パターンを超え隣県含めたブロック内での再編も加速してきそうだ。


限日好調

昨日の日経平均は続伸し8月末以来の19,000円の大台を一時回復し約2ヶ月ぶりの高値をつけたが、2ヶ月ぶりの高値といえば金相場もまたこの日は東京商品取引所で2ヶ月ぶりの高値水準となっていた。ドル建て金がこのところ底堅い推移となっていたこともあるが、やはり円安効果が大きいか。

さて、金といえば5月に上場した金の限日取引「東京ゴールドスポット100」は、この日建玉が初めて7万枚を超え、プラチナを上回りオプションを除く上場17品目のなかで金に次ぐ規模になった模様だ。またこの「東京ゴールドスポット100」、先週22日には初めて50枚のEFP(先物と現物の交換)による取引も成立している。

斯様にこの東京ゴールドスポット100の好調に加えて今年は原油もETF絡みの賑わいも寄与し、東京商品取引所の4-9月期の連結最終損益は前年同期の2億7777万円の赤字から2000万円程度の黒字になった模様。緩やかに業績は改善傾向を見せつつあるが、このまま売買減少に歯止めがかかり固めに入るのかどうか引き続き注視しておきたい。


取引システム更改に伴う取引ルール変更について

東京商品取引所は、2016年9月にJPXの次期取引システムに移行する予定で、次期取引システムでは立会時間など取引ルールの一部を変更になります。

現時点におきまして変更が予定されている主なポイントは、別記の「制度変更のポイント」をご参照下さい。

▼取引システム更改に伴う取引ルール変更について


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ブランドコラボ

先週末の日経夕刊・オフナビでは「著名デザイナー×量販店」と題して、セブン&アイがジャンポール・ゴルチエ氏とコラボして販売に乗り出した旨が書いてあった。PB展開となり自身ブランドに比べて価格はどれも約十分の一程度で百貨店での発売後2週間の売れ行きは想定の3.6倍と好調という。

この手のネームバリューがあるデザイナーとのコラボといえば同紙にも書いてあった通りH&Mが先駆けか。初回のカール・ラガーフェルド氏の頃は日本未進出で覚えている向きは少ないと思うが、その後日本のDCブーム期に市場を席巻したコムデギャルソンの川久保玲氏が初の日本人起用となり、更にその後はジミー・チュウやあのヴェルサーチまで参加している。

本邦勢もそれを追いかけるようにユニクロがデザイナーとコラボを組み始め、やはり衝撃的だったのは当欄でも2009年に取り上げた事があったジル・サンダー氏とのコラボを実現した時だっただろうか?この「+J」は本当にデザインは言わずもがな仕立てと併せCPは抜群の品だったのを思い出す。

冒頭のセブン&アイがコラボしているジャンポール・ゴルチエ氏は「エルメス」のプレタポルテも手掛けているが、エルメスといえば今年のユニクロはエルメスの元デザイナーとのコラボを展開している。これらの背景にはアパレル不振下で両者利害が一致したという部分もあるが、相反する両者を融合させる時代背景の変遷も新たな商機を創造している。


フェラーリがIPO

さて、今週気になったイベントといえばやはり昨日にニューヨーク証券取引所にIPOしたイタリアのあのフェラーリだっただろうか。同社らしくNYCEの前にはフェラーリ車を並ばせる派手な演出で幕を開けたが、やはり抜群の知名度を誇るだけにその初値は公開価格52ドルを上回り、引け値は55ドルとなった。

この終値ベースの時価総額は約1兆2,500億円となり、国内の同業比較ではマツダやいすゞに並ぶ規模といったところか。ただ指標面で見ると例えばPERではマツダやいすゞの10倍前後に対して3倍強にもなる30倍強になる高水準となりこの辺が知名度のプレミアムなのだろうか?

ところでIPOといえば中国の景気減速の影響もあって今年の7〜9月期の資金調達額は4〜6月期比で約7割減少、合計で206億ドルにとどまり2012年1月〜3月期以来3年半ぶりの低水準になった旨も先の同紙で報じられていた。上場申請を取り下げた企業や延期した企業数は世界全体で60社を超え、IPOしても初値や終値が公開価格を下回る等変調をきたしていた折久し振りに沸いたこのIPOが起爆剤になるのかどうか今後が注目される。


市民権で急成長

本日の日経紙夕刊一面には「商戦広がる」と題して、もうすぐおとずれるハロウィーンが商業施設やお約束のディズニーリゾートやUSJなどテーマパークで集客を支える風物詩として定着するなど商戦の裾野が広がっている旨が載っていた。

なるほど近年はこの季節になると、街のレストランではハロウィーンラリーの準備態勢に入りフラワーショップではデコレーションケーキの如く綺麗に創られたカボチャものが棚を飾る機会がぐんと増えてきている。

その市場規模も昨年のハロウィーンに1,100億円規模になりそうだと当欄で書いた覚えがあるが、果たして昨年は1,220億円と日本記念日協会の推計が発表されている。同紙によれば2011年の市場規模は560億円だったというからその伸びは飛躍的、同時に新たな課題としてマナー絡めた混乱も浮上してはいるものの今年は当日が土曜日になるだけにはたして如何ほどの市場規模が弾き出されるのか興味深い。


販売量急増貴金属

本日の日経紙マーケット面には「プラチナ2ヵ月ぶり高値」と題し、ファンド筋のショートカバーから指標となるニューヨーク先物相場が昨日時間外取引で1,010ドル台の動きとなり、直近安値の10月初旬に比べて100ドル超高い水準まで戻りを入れている旨が載っていた。

ところでこのプラチナといえば先週末の同紙でも田中貴金属工業が今年の1月から9月のプラチナ販売量が前年同期比で3.6倍の9,891キログラムに達し、既に昨年の年間販売量の2倍以上になった旨があった。上記の通りの低迷で、取引価格が金を大きく下回り割安感が強まった事で販売が伸びた模様だ。

両者の逆鞘長期化はこれまで当欄で何度か触れているがこの辺はやはり需給が全てに優先、金の15分の1以下の生産量で希少性が光る時が再びおとずれるか否か。ちょうど来月7日にはゴールドフェスタ2015スピンオフで金・プラチナの魅力に迫る体感型イベントも開催するので興味のある向きは是非申し込まれたらいかがだろうか。


無感情が席巻

週明けの日経平均は中国経済への警戒感を受けて3日ぶりに反落となった。先週は日銀ラリー的な動きも未だ一部に残ったものの新しい成長戦略など政策の具体的な枠組みが今一つ不透明で、主力マネーの手控えから投資テーマが見えない中で大台を挟んだレンジが続く状況が継続される見方も多い。

斯様な状況で以前にもこんな相場展開がチャブつく動きの典型と書いた事があったが、先週金曜の日経紙マーケット面にはそんな中でプロを横目に淡々と押し目買い、利食い売りを続けるロボット運用投資の事が書かれている記事があった。

こんなレンジ相場下でTOPIXを上回る好成績組では、あらゆる状況下で収益を目指すロング・ショートファンドの存在があるが、ロボットはその上を行くという。先週は同じ日経の記事でコロケーションと呼ばれるサービスを経由した高速売買の比率が東証で初めて全体の約5割まで上昇した旨も載っていたが、ロボットの自動売買が市場を侵食し始めた様は未知な不気味感が漂う。


活況の裏で

本日の日経紙マーケット面には「ETF3本 新規設定停止」と題して、野村アセットマネジメントが日経レバ型と日経インバース型、そして日経ダブル型の日経平均株価の数倍の値動きを目指すタイプを含むETF(上場投資信託)3本の新規設定を16日から一時停止する発表した旨が書いてあった。

この野村アセットに関しては9月のあたまにも2万円大台を割ったあたりからの純資産急増が影響しETF新規設定一時停止の措置を取ったばかりであったが、この時もそうであったように特にこの中では日経レバレッジ型の存在感が大きく純資産急増時には先物市場に与える影響が大きい事で相場の振れ易さ等が目立っていたという。

確かに直近までレバ型の売買代金は主力のトヨタ自動車を抜き、かれこれ営業日で1ヵ月以上も首位の座を譲っていない。現物の売買が細るなか短期偏重が台頭する構図は以前にも書いたがもともと中長期投資家が用いるETF本来の姿とは特異な存在となり、今のレバ系の活況は海外での日本株ETFからの資金流出傾向と併せ裏では先行き一段の警戒感を台頭させる格好となっている。


実用品との境界線

さて、本日は某サイトでファニチャーの案内を見かけたが、その中にはノルウェーのストッケ社が販売しているトリップトラップそっくりな椅子があったのが目に付いた。ちょうどこれに関しては先週の日経紙で「椅子デザインにも著作権」と題して椅子デザインに著作権を求めた知的財産高裁判決について書かれていた。

渦中の実用椅子がまさにこのトリップトラップだったのだが、日本に輸出販売しているストッケ社といえばこの椅子より大人目線の両面式のストローラーが有名だろうか。出始めの頃はその斬新なデザインから街中でもこれを押しているママなどけっこう注目されたものだが、今でこそ世界中のメーカーがこの高い目線のデザインを採用している。

しかし、この手のジェネリック品は同社に限らず例えば有名なヨーゼフ・ホフマンのソファーなどは今や多くのメーカーが「風」なデザインを無数に製作しネット上でも彼方此方で販売されている。裁判を巡ってはオリジナル側と所謂ジェネリック側で反応が対照的になったが実用品の区分をどう持ってくるのか、この辺は国でも解釈のカラーがあり一筋縄ではいかぬようだ。


休火山?

さて、先週末の日経紙マーケット面には「ひとまず去った嵐」と題して、週末のVI(変動制指数)が25.6となり8月21日以来の低水準に、また米国株のVIも節目の20を割るなど8月からの相場急変の嵐が一先ず去った旨が載っていた。

しかし当欄では先月に「変動率に商機」と題しリーマン・ショック以来の高水準を記録しているVIXを鑑み大手金融機関も変動率に注目した商品上場を検討する動きも出ている旨を書いたが、この手の話が盛り上がったところで一旦沈静化は定石通りか。そんな背景には米では年内の利上げ懸念が和らいだ上に、国内では先の緩和見送りで時価の月末会合では政策変更に動くともみられている事などがある。

全般に緩和トレードもいわれるなか個別も判で押したように緩和に敏感なポストが急速に息を吹き返し、またETF系でも8月中旬から9月にかけての近年稀に見るダイナミックな動きから、9月末から今月は急速に値を消し沈静化を辿っている。結局材料への感応度が都度の地合いでどの程度変わってくるかだが、今週も米中の重要経済指標発表や7-9月期決算が本格化する事もあり中央銀行政策期待と絡めその耐性が試されようか。


高島屋ウォッチメゾン

さて、8月末に当欄で「特定層への戦略」と題して高島屋が国内最多規模となる80強の国内外の時計ブランドを集めた時計専門店を日本橋地区で開設する旨を書いたが、はれて昨日に同店がオープンした。此処はたしか三井住友信託銀行があった場所だったと思うが建物の優美で重厚感のある外見はそのまま温存された格好になっている。

店内はさながら三越ワールドウォッチフェアが常設展?となったような感じにも見えるが、展開する全83ブランドのうちスナイパーはじめ3ブランドが日本初進出という。二階は所謂ハイブランドが揃い、フランクミューラーのコーナーには三越のワールドウォッチフェアでも見た事が無かった3億6千万円を超える値札が付くエテルニタスメガ4が鎮座するケースも聳えるが、その隣にはこれと裏腹に親近感?のわくリペアコーナーがある。

こうした部分から顧客のターゲットとして国内層を見据えての意図も感じられなくもないが、実際に高島屋は直近の6〜8月に前年比48%増にまで伸びた時計売上げのうち貢献したのが殆ど日本人で意外にもインバウンドは2%程度という。

確かに浮沈の激しい新興国勢の購買力も水モノともいえ本邦勢の安定感こそ重要なポイントとなろうが、それでも国慶節で再度爆買いが報じられているようなインバウンドの追い風があるうちに国内需要をどう取り込んでゆくのか、そういった次の展開を見据えた同社戦略の行方を注視している向きも多いだろうか。