資源ショック

さて昨日の日経紙マーケット面には「資源国通貨が下落」と題し、今週に入ってブラジルレアルやマレーシアリンギが対ドルで揃って今年の安値をつけた旨が書いてあったが、他にもロシアルーブルも主要25通貨のうち先週は最も下落して約5ヶ月ぶりの安値に沈み、南アランドも景気減速と物価高が同時進行し約13年ぶり安値に沈んでいる。

この背景にはなんといっても国際商品相場の下落があるが、商品市場の動きを表す代表的な指数であるロイター・コアコモディティCRB指数は今週初めに最近高値だった昨年6月から36%低下、あのリーマン・ショック後に付けた09年3月の最安値をも下回り12年ぶりの低水準になったという。

先週も当欄で銅が最大消費国である中国の景気減速懸念で数年ぶりの安値に沈んでいる旨を書いたが、冒頭の南アランド安で世界生産7割を占めるプラチナもこうしたランド安を背景にした供給増の一方、需要は中国の景気減速等で減退している事で6年7ヶ月ぶり安値水準と一段安、またレアル安で粗糖先物も同じく6年7ヶ月ぶり、コーヒー豆も1年6ヵ月ぶりの安値水準に沈むなど負のスパイラルが広がっている。

負のスパイラルといえば米では最近の相場低迷で運用利回りが急激に悪化、運用資産の縮小と相俟って、商品相場に投資するヘッジファンドの清算・運用停止も相次いでいる模様。また昨日の株式市場でも場中の決算発表がネガティブサプライズとなった資源モノの三菱商事が一気に急落の憂き目に遭うなど斯様にコモディティ価格の下落が世界景気減速懸念イメージを増幅させている。


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