MBO最多更新か?
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週明け本日の日経平均も高値警戒感から値嵩株の売り物が目立ち大幅続落となったが、そんな中で個別では東証プライム市場の太平洋工業が全般の地合いに逆行高となり年初来高値を更新していた。同社は周知の通り先週に創業家が出資する特別目的会社がTOBを実施、MBOで株式を非公開化すると発表しておりそのTOB価格にサヤ寄せする動きから先週末に続いての続急騰となっている。
その買い付け価格は1株2050円と発表されてはいるが、現在同社のBPSは約2900円となっているだけに本日はTOB価格を超えての大引となった。同社はタイヤバルブ関係首位だが、今後のハイブリッドやEVなど電動化の進展でこうした車部品業界は従前とは異なる製品開発の必要に迫られる。株式の非公開化で大胆かつ長期的な投資に取り組める体制が求められていたわけだ。
ところでMBOといえば本日はもう一つ、東証プライム市場の調剤大手の日本調剤も投資ファンドのアドバンテッジパートナーズがTOBなどを通じて買収し非公開化する方向の旨が報じられている。この業界でもまた再編の動きが広がっているが、ともあれ今年の株式非上場化の件数としては折り返しの6月上旬時点で27件となっており今回の件含め同じペースでいくとするなら過去最多の一昨年を更新してくる勢いだ。
こうした動きを鑑み先にみずほフィナンシャルグループも100億円規模のMBOファンドを立ち上げているが、東証の再編の動きや今後の東証改革も控えて上場コストがそのメリットと比較し高いと意識されるような企業勢としてはこれからMBOというものが一つのソリューションとして台頭してくる流れになるか。