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一服の金あれこれ

昨日の日経紙夕刊・十字路には「金バブルの終えん」として先月急落した金相場のことが取り上げてあったが、金融市場や通貨への不安感後退、インフレ懸念の後退や資源投資ブームの退潮等によりETF主導で下落した経緯が記されてあった。

こうして金の値動きが荒くなったこともあって先月の国内の商品先物取引所の売買高は前月比45%増となり、この主力の金先物に至っては171万9,855枚と80%も増加することとなったが、先物に限らず上記のETFもまた然りで昨年から増加傾向にあった売買代金が先月は更に大幅増となった模様である。

こうしてゆくなかで果たしてホルダーの面子が変遷してゆくか否かも気になるところだが、金といえばまた別なニュースで金と銀を法定通貨とする法案が金下落でも衰えず、米国の6州の議会で審議されている旨をブルームバーグが報じておりこちらもまた別の意味で相場を読む上で興味深いものがある。


表と裏の障壁

昨日の日経紙「風速計」では「進まぬ統合は誰のせい?」として、JPX(日本取引所グループ)と東京商品取引所の統合問題が、総合取引所の検討から6年経過しているにもかかわらず遅々として進んでいない旨が書いてあった。

そんな統合の障壁となっているとされているものに、統合時における経産省天下りのポスト減問題という一文もあったが、それ以前の東穀取解散の際にも周知の通り農林族の天下りポストを巡る醜い抵抗劇が散々取り沙汰された経緯があり、主務省の天下り絡みの醜聞は環境変われど尽きることがないなとつくづく。

また事務的な部分においては顧客への勧誘に関わる規制が異なるとも書いてあったが、この手ではもう一つ統合し金融商品扱いになった場合のインサイダー取引規制という問題もある。主力の参加者には当然当業者も居るが、彼らの取引のヘッジか否かの部分の線引きをどうするかという問題等は極めて難しく、この辺の均衡点というか解釈の一致も求められ未だ未だ難問山積みといったとろか。


5/17-6/28で「商品先物リアルマネー選手権」開催

エース交易は、2013年5月17日から6月28日の期間で、エースCXオンラインに口座を持つユーザーが収益率を競う「商品先物リアルマネー選手権〜エースCX杯」を開催。全ユーザーの収益率を計算しランキング、最終上位者10名にギフト券をプレゼント。

▼商品先物リアルマネー選手権〜エースCX杯



【選手権概要】

開催期間:2013年5月17日(金)17:00〜6月28日(金)15:30
対象者 :エースCXオンラインに口座をお持ちのお客様全員
内 容 :開催期間中の収益率をお客様毎に計算し、ランキングを発表。
     上位1〜10位にランクインした方にはギフト券をプレゼント。
対象銘柄:全取扱銘柄  (ミニ取引も対象)
発 送 :2013年8月初旬予定

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やはりなという感じ

さて、徐々に真相が明らかになりザワザワとしてきているが、周知の通り先週あたりから診療報酬請求権を買い取って回収する事業で運用というフレ込みの米MRIインターナショナルなる金融業者が、日本の顧客から集めた資金のほとんどを消失させていた事が明らかにされている。

ほぼ1年前にはAIJ投資顧問が運用受託していた資金のほとんどを消失していたのが明らかになり問題化した経緯があったが、やはりというかまたかという感じである。まあ個人の食い付きという部分ではその前の安愚楽牧場の方がより近いかもしれないが、これまたこの安愚楽牧場同様に一頃は頻繁にネット上で広告を出していた経緯があった。

ここまで資金を捻出させるのに成功?したのはやはりその「怪しさを感じさせない或る程度の継続性」にあるだろうか。通常詐欺の類は闇風俗などと同様に短期でパッと稼いでバンザイしてしまうか名義替えして同様のことを繰り返すかが常套手段だが、さも正常に機能しているかの如くアンテナショップやツアー、そしてお約束の有名人広告等を絡めて数年に亘って手懐けているだけに、勘違いした口コミ等も加わり更に被害者を増殖させるに至っている。

まあ安愚楽はローカルとはいえ国内であったが、金融リテラシーの覚束無い向きはとりわけ外国モノなど緊急時に自分で最低限意思疎通が図れる語学力がある向き以外は甘い香り満載だろうが釣られないことである。そういえば余談だが、上記のAIJ投資顧問に運用を委託していた基金のうち「全国商品取引業厚生年金基金」が初の解散となった模様だが、こちらもなんともヤレヤレといったところである。


IPO熱再び

本日は日経平均こそ小幅続落であったが主力がけっこう崩れた分、体感としてはこの下げ幅以上のような感であった。とはいえ連休谷間ということで株式市場の方は軽めの新興市場が活況、先週末に公開価格の約4倍にもなる初値を付けたマザーズに新規上場のオークファンは本日もストップ高の離れ業をやってのけているが、この手では同じマザーズのメドレックスなども終日ストップ高買い気配で推移する有様であった。

斯様に昨今の相場環境の改善を背景に幅広い層の買い意欲が旺盛で、今年1発目のIPOとなった上記のメドレックスなど以前書いたあのJPモルガンアセットの「ザ・ジャパン」絡みでも名前が挙がる始末だが、こうしたオークファンやメドレックス等のIPO関係は昨年末以降では18社連続で初値が公開価格を上回っている。

こうしたことに加えて、一頃は品薄の公募がプラチナチケット扱いで初値がイグジットになりあとはあまり旨味が残っていないのが普通であったが、昨今はチケット入手出来なかった向きでも初値から楽しめる物も多くなり新たなファンを増やしている。

今年の2月に「今年は何社」としてIPOを取り上げたが、IPOインデックスの盛り上がりからスパイラル現象が更に加速する可能性もあり、このGW明けからのIPOも含めてどこまでこの流れが続くのか投資家動向と併せ注目したいところ。


JPXの44年ぶり新指数

さて、JPX(日本取引所グループ)は予てよりTOPIX(東証株価指数)と並ぶ株価指数を年内にも新設と先に報じていたが、本日この辺に関してROE、つまり自己資本利益率だが投下資本に対してどれだけの利益を生み出すかという効率化を目安に上位数百社の銘柄選択をし、その時価総額の増減幅を指数化する方針であることが明らかになっている。

いうまでもなくTOPIXといえばあらゆるもののベンチマーク的存在になっているが、成長企業の株価の動きはなかなかカバーし切れていなく、これらの時価総額変動を指数化するところでこの辺がカバー出来るといい、この手は世界の主要市場でも初めてらしい。

単に新指数登場というだけで片付ける向きもあろうが、今このROEに着目したのはけっこう意味があると思う。というのもこれまでだいだい海外企業のそれが20%前後であるのに対し、日本企業のそれは5%前後と突出している低さが長年に亘って言われてきた経緯があり、これが日本企業の文化とまで指摘する向きもあった。

ところが直近のゴールドマンサックスによる日経平均株価予測上方修正の理由の一つにはこのROE上昇が盛り込んであり、また今迄日銀のETFやらREITやらの直接介入を引き合いにこうした方面への目配り要請も出ていたものだが、先ずはその辺への布石なのかどうか当企業群の株価動向と併せ今後の展開に注目しておこう。


5/13付でリッチウェブ版システムをリリース

フジフューチャーズは、2013年5月13日(月)付でリッチウェブ版システムを提供開始。リッチウェブ版で追加される主な機能は1.気配値画面からの発注機能 2.マイページ機能 3.シミュレーション機能の強化。現行のトレードシステムについては、6月中を目途にリッチウェブ版に完全移行となる予定とのこと。

▼「Venus」リッチウェブ版に関するお知らせ(2013/05/13〜)


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子供に勝機

本日の日経紙マネー&インベストメントには「教育費贈与 信託の活用法」として孫の教育資金として、まとまったお金を非課税で一括贈与できる制度が今月から始まった旨が書いてあったが、株式市場でバイオ等と共にここ安定的に物色の柱になっているモノがまさにこんな「子供関連」である。

こんな教育資金をはや先取りして本日も幼児活動研究所などは年初来高値を更新、週明けから2日連続のストップ高のあと本日も続急騰であわやストップ高3連続かというところまであった。他にも日経まちかどにもあったように、サクセスHD等も1週間で6割の上昇と破竹の勢いである。

新興市場のモノほど面白いように値が飛ぶので1週間で倍化する銘柄などはザラであるが、アベノミクスの波に乗りヤリタイ放題である。株の方はそれとして、早速信託銀等はこれに即した商品開発に余念が無く、丁度大手によるISA制度向けの商品開発さながらの光景でもあるが、大手ほどの懐を持たないところはアイデア勝負となってきそうである。


4/22付でスマホ版アプリ「トレードワン スマート」提供開始

コムテックスは、2013年4月22日付でスマートフォン版取引アプリ「トレードワン スマート」提供開始(Android/iOS)。PC版同様に、逆指値注文・SCO注文・NSCO注文にも対応。

▼スマートフォン版取引アプリ「トレードワンスマート」



「トレードワン スマート」はコムテックスが提供する商品先物取引の専用売買ツールです。
リアルタイムで相場やチャートを見ることができます。

Android版はGoogle Playにて、iOS版はApp Storeにて、『コムテックス』又は『TradeOne Smart』と検索してください。
無料でダウンロードしてご利用いただけます。

※ご利用いただくには株式会社コムテックスのオンライン口座が必要です。

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円安で乗れず?

先週あたりから週明けには1ドル100円大台が見られるとの呼び声も高かったものの、果たしてここ数日はこの大台を前に足踏みと焦らせるような動きを見せている円相場だが、企業群でははやこの辺が好感されて為替感応度が高いものから循環物色され年初来高値をかわるがわる更新という流れになっている。

自動車なんぞはこの流れだが、こんな「陸」モノとは対で「空」の方はなかなか冴えない動きが続いている。双璧のJALやANAも配当目当てで賑わって以降は年初来高値更新がお預けになった格好になっているが、当然ながらこちらは逆に円安が懸念されるというパターンである。

JALの再生に関してANAとは確執が継続され未解決な部分も道半ばであるが、両者共にこんな為替だけでなく足元では鳥インフルなどそうそう無視出来ない問題も出てきており、何処でアベノミクスの恩恵にあずかることが出来るのか株主ならずとも気になるところではある。


取引参加者の意識改革

今週も週明けから日経平均は大幅続伸し年初来高値更新となっているが、先週末の日経紙にはこんなアベノミクス効果で2012年12月〜2013年1月の間で個人投資家の約8割が金融資産を増やしていたことが日経マネーの個人投資家1万人調査で分かった旨が載っていた。

こうした中には積極策を取らないまでも値洗い改善の効果組も応分に入っていようが、各種マネーコラムのタイトルには乗り遅れた向きも未だ間に合うとか、手っ取り早く値上がり益を狙う目的でレバレッジ型ETFの物色が盛んになっているような記事も出てくる等、新たに投資にチャレンジしようという向きも増殖しつつあるのを感じる。

一方で本日の日経紙サーベイでは、現預金以外の資産比率を現状維持にしたいという向きが54.9%となっている旨が載っており、では比率を上げるのにはどんな条件が揃えばよいかとの問いには、どんな条件でも上げないとの回答がトップになっていた。ところでその少し前の頁にも「株高でも焦る日証協」とのタイトルがあったが、会員への信頼感がネックになっているという部分は考えさせられる。

デフレ一色で市場が味方しなかった昨年迄と違い環境が整った今は啓蒙のチャンスなのはいうまでもなく、こうした機会を無駄にすることなく企業のIR同様に各所も啓蒙を再考すべきではないだろうか。


選択肢

さて昨日も触れた金だが先週記で「行列再び」として、GINZA TANAKAあたりでは金の売買を目的として再び行列が出来ている旨を書いたが、今週に入っても相変わらずの行列光景もその中身は先週の主に売却色から今週は一転購買色がぐんと濃くなっている旨の記事を見掛けた。

しかし今回のように一般的に尋常で無い相場の物は現れると彼方此方でその背景を謳う経済記事が溢れてくるが、今回もけっこう合点のいかないモノが多く金買いの対極でアベノミクスを酷評するものなど違和感を感じるし、また金製仏具が売れている件に関しても家宝としてとか果ては火事に遭っても価値を残す事が出来る云々の解説が為されていたモノもあったが、ぶっちゃけのところこの手は「節税対策」というのが本音だろう。

まあその辺はともかくも金の購買に3時間待ち云々との報道を目にするに付け、例えば先物の現引きやはたまた数あるETF等でも物を引けるモノもあるし、また小口でも同等のパフォーマンスとなるものも多数ある訳で、そういった選択肢等においてもますます啓蒙の必要性を感じざるを得ない。