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助勢転じて阻碍か

先に発表となった2012年10-12月期GDPは前期比年率で0.4%減とマイナス幅が前期から大幅に縮小、円高是正や大型財政出動期待から政策主導で輸出や消費が待ち直しているというが、その円といえば週末のG20財務相・中央銀行総裁会議で日本が名指しされなかったという安心感から大幅円安となっている。そんなワケで果たしてというか週明けの日経平均も冴えない週末の相場から一転して234.04円高の急反発となった。

まさに政府の思惑通りに粛々とコトが運んでいる感じだが、そんな一助となればとの思いからなのか今回のアベノミクスでは政府・与党の要人がアナリストの如く相場の具体的水準に言及する報道がやたらと目に付く。この辺に関しては週末の日経紙社説でも政治家は相場から距離を置いてと書かれていたが、確かに特定の思惑を誘発するのは間違いないところか。

昔も自民系で相場に言及し物議を醸し出した向きは居たが、世論も上げ賛成のなか訝しがる向きも少ないのかもしれない。こんな時代には一方で相場格言の一つ「相場のことは相場に聞け」というのを持ち出してトボけた政府要人もまた混在したが、確かに今はVIが高水準なだけにその影響度から波乱要因となるのは明白だろうし、何とか乗り切ったG20後のいま海外勢と新たな軋轢を作らない為にも自重するに越した事はないだろうか。


【対談特集】MT5で先物・FXをワンプラットフォームに

日産センチュリー証券 二家英彰社長とフリーアナウンサー 大橋ひろこ 氏との対談『MT5で商品先物・株先物・FXをワンプラットフォームに〜日産センチュリー証券の新しい挑戦〜』を掲載しました。

▼【対談特集】日産センチュリー証券 二家英彰社長×大橋ひろこ氏



地域密着営業と最先端のネット取引に強みを持つ日産センチュリー証券は、2013年、FXに続き、MetaTrader5上で国内外の株価指数先物・商品先物もワンプラットフォームで取引可能にするサービスを開始予定。また業界初となるSPAN×50%の証拠金で取引できる「アクティブ口座」の提供を始めている。業界に一石を投じる日産センチュリー証券のサービス提供の狙いとは何か。フリーアナウンサーの大橋ひろこ氏が、同社の二家英彰社長に話を聞いた。

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バレンタインと祭典

さて今年も毎年恒例の「バレンタインデー」がやってきた。外国の知人からの女性が男性にチョコ類を贈るこの奇異な習慣についての質問も恒例になってきたが、主力の大手百貨店も先月の冬セールの次に来る大イベントだけに気合十分で、東京で開催されてきたフェスタが地方へも波及する等今年は広がりを見せている。

今年で確か11回目になる伊勢丹が他に先駆けて開催している「サロン・デュ・ショコラ」など代表例で、昨年のロンドンのココマヤ等に続いてフランス勢からセバスチャン・ゴダール、フレデリック・アヴェッカーといったブランドが初登場となった。後者のショコラティエが作成した会場のオブジェは見事な「盆栽」であったが、この辺を見るにやはり欧州の和ブームを感じざるを得ない。

しかしこのオブジェに限らず年々出展側も面白い物を打ち出してくる。今年は定番のブランド物以外でもコスメ類を模したものや、トリュフということで軍手にスコップの飾り付きと凝ったもの、仰々しい削り器がセットになっているもの、またコート・ダ・ジュールの高級ホテルからは薬のカプセル型の遊び心に富んだ新作を披露する等見ているだけで楽しくなる物が多い。

これら含めて人気の物はすかさずsoldoutの札が掛かるが、バレンタインまでの保存日数を考えるに自分用なのだろうか?余談だがそういえばこのところ強風の日が多い。例年バレンタインデー前後には春一番が吹く事が多いが、関東ではこれが観測されなかった昨年から今年は何時になるのだろうか?等々思いを巡らせながら今年のチョコでも味わうことにしよう。


未公開昔も今も

本日の日経平均は対ユーロでの円上昇を受け反落となったが、個別では決算が多少下馬評から外れた程度でもけっこうキツイ下げを見せているものが多く、金融緩和をテコに買われた不動産も決算を機に改めて水準訂正が急である。こんな中にはコスモスイニシアも顔を出すが、そういえば先週末には同社の元親会社リクルートHDの創業者が亡くなったと報じられている。

リクルートといえばやはり鮮明に思い出されるのは未公開株、現在でも同社のIPOをネタに怪しい業者が暗躍しているもようだが、その辺はともかくも現在ではMBOを経て上記のように名前も変わってしまったものの、当時の政府キーマンに前身であったリクルートコスモス未公開株がバラまかれ当時の竹下政権が崩壊した事件は一大スキャンダルであった。

一方でリクルートといえば今でも巨大企業グループだが、そのユニークな人材輩出は男女ともに有名でスポットを浴びる著名人にはIBM等と共に同社の卒業生は確かに多い。バブル期を挟み斯様にビジネスモデルを創り伝承、晩年は文化活動に精力的であったというがこんな波乱のバブル期を知る生き字引をまた一人失った。


東京商品取引所発足

周知の通り先週末で東京穀物商品取引所は全ての上場商品の取引を終えその約60年の幕を下ろした。この東穀の4商品を引き継いで誕生する格好から本日付けで「東京商品取引所」が発足の運びとなった。外のプレートもきれいに差し替えられメタル等の主力商品と共に穀物等が相場表に並んでいる姿は感慨深い思いもあるが、これで国内商品では99%を占める取引所となる。

縦割り行政が一歩改善されたとする向きもあるが、鳴り物入りで登場したコメ先物に関してはこれまた名称が変わった「大阪堂島商品取引所」へネジ込む等の抵抗を最後まで見せ、総合取引所構想への下地作りとしては未だ道半ばでお世辞にも足場が固まったとは言えない状況か。

ところで国内99%のシェアといえども現況で世界の主要商品取引所ランキングで同所は12位という状況、アジアでは大連商品取引所が2位に躍進し、上海先物取引所が4位につけているが、東穀商品を移管しても売買高はこの4位の上海先物取引所の10分の1以下というのが現状。

そんな訳で実需家を誘致し世界規模への取引所という悲願は関係者のみならず誰しも抱いている事だが、やはり政府の牽引も要になってこようか。既に政府はLNG先物創設案を出しているが、今回のアベノミクスであらゆる時価総額があれよあれよという間に急増している様を見るにつけ今後の引き出しに一縷の望みも感じてしまう。


披露パーティー〜商品先物取引新時代に向けて〜

東京穀物商品取引所の農産物4商品を受け入れ2013年2月12日(火)付で名称変更した株式会社東京商品取引所(東京都中央区、代表 江崎格)は、同日「東京商品取引所 披露パーティー」を東京・中央区 ロイヤルパークホテルにて開催。会場には業界関係者など約400名が参加しました。

▼【写真ニュース】東京商品取引所 披露パーティー@ロイヤルパークホテル
▼[東京商品取引所] 披露パーティー フォトギャラリー



delemma

本日の日経平均は円安一服と加えて昨日の急騰の反動もあって反落。しかしその中身は依然としてメガバンクや自動車等の主力が堅調で、日経平均の106円安というよりは逆に106円高といった体感温度というところではないか?

今まで書いてきたように地合や規制緩和も奏功して個人投資家の株式売買が活況を呈しており、昨日の日経紙ではネット証券大手の7社には個人マネーの流入が続き1月の株売買代金合計は計19兆4,740億円と昨年12月に比べ86%増えた旨が出ていたが、一方で週明けの同紙には大手証券会社ではこんな株高の高揚が乏しい旨が一面に載っていた。

個人の大半は上記のようなネット系に流れ、あまり利益にならない日本株営業には力を入れていないところに起因するという。そんなワケで副題にもあるように主力銘柄のコードさえ知らない営業マンが居るというが、今はネット系でもコールセンター等01コードでさえ知らない向きが居るのに私も出くわした事がある。

ここ最近の大商いは昔だったら笛吹きも多発しただろうが、こんな死語も更に彼らには化石だろうか。まあその辺はともかくもこのような大手は手数料率が高いことから投資信託に力を入れてきたというが、これまた営業姿勢の問題から運用側と販売側とのジレンマの戦いとなっている模様。プライマリー営業の影では未だこうした構図が浮かび上がるが、そろそろこちらも転換の時を考えるに好機ではないか。


入試問題考

時期柄か本日の日経紙「春秋」には大学入試センター試験絡みの事が書かれていた。国語の問題において難物とされる文芸批評家が今年初めて出題されたという旨であったが、もともとその文章は飛躍が多く語の指し示す概念は曖昧で意表を突く言い回しが多いとの指摘があり試験問題には不向きとされていたものだが、なるほど中間集計ではこの国語の平均点が大きく下がる事態となっている。

ところで国語試験といえばもう一つ、先週末に実施した立命館大入試においては国語の書き取り試験で受験票に同じ言い回しで類推出来る正解の漢字が記載されていた事も発覚し問題になっている。しかし、こういった公の物ではないが昔は学校で実施する期末等では正解を繋げると実在教師のフルネームになる物等もあったことがあり今思えば想像できない程牧歌的?だったなと。

話は逸れたが、基礎学習の達成度を判定するという試験に上記のような難物はたして向いているのか否かというところになってくるが、センター側も過去の被り云々や公平性という観点から敢えてこうした禁断?モノへ踏み出したのかもしれない。現代では出す方も受ける子も双方なんとも苦労が窺える。


バイプロも品薄

本日の日経紙科学技術面にはヘリウムの供給不足を受けて、東大発ベンチャーが極低温の実験装置向けに液体ヘリウムを循環して再利用する装置を開発し近く販売する旨が載っていた。これは昨年あたりからいわれ出したヘリウム不足から、国内の研究機関等が対応を急いだものの一つである。

この辺の詳細は興味が無くとも、TDL等ディズニーリゾートの施設でエントランス入ってすぐの光景で定番になっていた無数のバルーンが気が付けば消えていた光景を目にした向きは多いのではないか?可燃性など安全面から安易に水素など代替出来ないところからとばっちりを受けた格好になった訳だが、医療用途などプライオリティーを考えるにレジャー分野の一時中断もやむなしといったところか。

ちょうど時期的にクリスマスやら年末年始イベントやら、通常であれば出番の多い時期にこうした問題の表面化が直撃したタイミングの悪さだが、レアメタルよろしく一極集中という調達先の分散が課題で、上場企業のなかには権益取得等に奔走している向きもあるが上記のようなベンチャーと併せこの手の日本経済の弱点を見直す機会にあるのかもしれない。


円安様様

週明けの本日も円安地合いが好感されて日経平均は堅調、これで5日続伸となった。先週で実に54年ぶりの12週連続高を達成しているが売買高もまた様変わりで、東証一部のそれは前週末から約2割も増加し44億株以上の商いをこなしこれは水準的には約2年ぶりの高水準となった。

さて、円安で活況なのは何も株式に限った事だけでなくコモディティーもまた然り。株式が12週連続高なら日経商品指数17種も週末値としてこれまた12週連続で上昇、日経・東工取商品指数は本日あたり最低であった昨年6月の頃から4割近く上昇し約4年半ぶりの高水準となっている。

斯様に東証が上記の通りの大商いなら、東工取も1月の売買高は1年4ヶ月ぶりの高水準。本日は主力の金が上場来初めて5,000円の大台乗せを達成し更なる流動性の喚起に期待がかかるというところだが、少し離れて物をドル建て上昇率等で見てみるとまた違った解釈もでき、この辺をどう捉えるかでイグジットも各々変わってくるのではないか。


鑑賞初め

さて一昨日の日経「旬の人時の人」では同紙連載小説「等伯」で直木賞を受賞した作家が載っていたが、この安土桃山時代から江戸初期にかけて活躍し数々の傑作を残した長谷川等伯と双璧と称される巨匠に円山応挙が居るが、同氏の屏風が見られるのもあとわずかということで過日は三井記念美術館の「ゆくとしくるとし」を観に行ってきた。

応挙といえば「孔雀図」などどことなく伊藤若冲のタッチに似ており以前より興味があったのだが、やはり国宝にもなっている「雪松図屏風」の実物は圧巻、展示替えで昨年までの「雲龍図」は見ることができなかったものの、これをも凌ぐその荘厳さはやはり実際に観てみないとわかるものではない。

もともとパトロンが三井家だったということもあり同館で展示されるのは自然であったが、今回は併せて茶道具の展示が有り、昨年の「正午の茶事」に続き今回は冬季ということで長い夜を楽しむ「夜咄しの茶事」をテーマにしていただけあって趣のある行燈など初めて見る物が多数有り、昨年観た重要文化財である俊寛の「黒楽茶碗」もまた観ることができ毎度ながら構成の素晴らしさを堪能した次第であった。


奇策あれこれ

昨日の日経紙には金や原油等TOCOM上場商品の値動きを示す日経・東工取商品指数が一段と上昇紙週明けの清算値は351.05と前週末比で1.63上がり4年4ヶ月ぶりに350台を回復した旨が出ていたが、やはり世界景気の底入れ観測で昨年末から16%上昇している白金などの影響も大きい模様だ。

ところでこの白金といえば今月上旬には米連邦政府が政府債務上限引き上げを巡って与野党協議が難航するなか、米財務省が額面1兆ドルのプラチナ記念硬貨を発行し、FRBに預託する代わりに得た1兆ドルを政府歳出に充てるという予算水増しの奇策が浮上した一幕があった。

紙幣発行はFRBだが、記念硬貨発行等は財務省が有しており例外に当たるプラチナに着目しただけの単なる抜け穴なのだが、この手の発行モノといえば本邦でも巷の一部には、現在アベノミクス酣で大幅な金融緩和を進めるなか消費マインドを刺激するための秘策として高額紙幣の発行説が流れている。こちらは紙幣発行権限が財務省に有りというところで、これまた奇策の範疇に入るのかどうか色々出て来るこの手は奇異荒唐でもあるがその背景を鑑みるに冗談ともいえない部分もある。