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運用改革

今週は週明けの日経紙一面に「中間配 5年ぶり最高」との見出しで、上場企業の中間配当額が5年ぶりに過去最高になる見通しとの記事が載っていた。株主配分に前向きな企業が増え、今後は企業が豊富な手元資金を成長投資などへ積極活用してゆくかが課題になるとも書いてあった。

5年ぶり最高ということだがその5年前の某日日経紙一面には、合計金額が前年比23%増加の13兆円と上場企業が株主への利益配分を強化している旨の記事が躍っていたのが思い出されるが、これに絡んではもう一つ週末の同紙記事にGPIF(年金積立管理運用独立行政法人)が2014年度にも上場企業の中から資本を有効に活用し収益力が高い企業を選ぶようにする旨も目に留まった。

この資本有効活用といえばROEだが、先に当欄ではJPXがTOPIXTP並ぶ株価指数にROEを目安に上位数百社を銘柄選択しその時価総額の増減幅を指数化という方針を取り上げたことがある。当然ながらGPIFはTOPIX基準からこの44年ぶりに創設する新指数等の銘柄選定で一部切り替えてゆくことになるが、こうした連携が上手い形でマッチングしてくれば市場環境もまた面白くなってくるだろうか。


スピードを感じる経営と株価

さて、このところ日経平均もなかなかモタついた毎日が続いていたが、本日は3日ぶりに14,000円大台回復となった。これまで指数への高寄与度銘柄がダレてこの辺も影響大であったが、そんな中でも唯一ソフトバンクが気を吐きなんとかこれらのマイナス相殺に一役買っていた格好。

本日はシティの格下げが響いて大幅続落したものの、このソフトバンクといえば直近では時価総額が一時9兆円の大台を超えてあの三菱UFJFGを抜いたのが話題になっていた。これまでほぼ定位置が決まっていた時価総額時上位の第2位にとうとう躍り出ることになりますますの影響力も感じるが、時価総額が9兆円を越えたのは13年ぶりのことでこの時はITバブルがはじける直前で改めて当時の勢力図等が思い出される。

ところで時価総額が名門企業を押えてその上に躍り出たとこれ以外に話題であったのは、5月のガンホー株か。同じエンターテーメント界の雄オリエンタルランドを抜き一時は任天堂さえも抜き去ったが、このガンホーもまたソフトバンク系である。

この離れ業をやってのけたのが連日のストップ高によるものであったが、今回のソフトバンクも約2ヶ月で時価総額を1兆円も増やしており、両者共経営のスピード感がそのまま時価総額増加にリンクしている恰好だ。


箪笥株の行方

さて、先週から幕張メッセでは国内最大の家電・ITの国際見本市「CEATEC JAPAN2013」が開催され、ライフイノベーション部門にはNTTもエントリーしていたが、このNTTといえば先に所在不明の株主47,000人分の株式45万株を来年にも処分すると発表している。 

これに続いて先月末にかけて報道があった企業には川崎汽船の2,550人分にあたる約46万株や、J・フロントリテイリングの株主1,700人分にあたる約29万株を処分という件もあった。更にNTT以前には丸紅や、先々月には京王電鉄が自社株として買い取りを執行している。

まるで換金しに来ない宝クジのような存在だが、たまに見かけるみずほの呼びかけ告知にこんな奇特な人も居るのかと首を傾げて見ていた私も、実際遥か昔に売却した株式が書き換えされないまま端株分の配当通知云々が長年届いていた時期があった。きっと所謂本当のタンス株がいまだに多く存在するということなのだろうが、債務消滅の時効というのもあるので執行後であってももう一度可能性のある向きは確認して損はないだろう。


日進月歩の技と趨勢

ベルギーのアントワープで開催されていた世界体操選手権において週末の種目別決勝では、白井選手が男子床で、亀山選手が男子あん馬で、そしてベテラン内村選手が平行棒でそれぞれ金メダルを獲得する快挙の報があった。

中でも今回は世界で彼しか成功例がなく、特に注目されていた白井選手の金を取った床運動は圧巻であった。金を取る決め手になった今回のF難度「後方伸身宙返り4回ひねり」は既にFIG(国際体操連盟)に新技申請しこれではれて「シライ」と命名されることになったが、あのミュンヘンオリンピックで生まれた「ツカハラ」から約40年、今では若干17歳の高校生が自身の技を国際的に刻む時代になったということか。

実際上記の世界を驚かせたツカハラこと「ムーンサルト」も今では高校レベルでは普通に大会練習等で彼方此方でお目にかかれるし、先のロンドンオリンピックでのオランダのゾンダーランド選手のD難度以上3種の連続技を見るに末恐ろしい感さえ覚えるが、個人的には停留することの無い流れに美しさを見出していたあん馬の近年の倒立系や、ロンダードから入る跳馬等にはやや違和感を覚えるところ。

斯様に体操界も本当に日進月歩を感じざるを得ない。一昔前の体操といえばやはり美しさが要であったが、今や前人未到の大技を繰り出してDスコアを吊り上げてメダルを狙うのが趨勢になってきている感じがする。


53年の呼称に幕

コーヒーを飲んでいてふと思い出したのだが、今週初めの日経紙・経営の視点には「世界のネスレ なぜ強い」として手厚い福利厚生やその突出した営業利益率等が載っていた。それに倣うべく先に上場したサントリー食品インターナショナルもグローバル企業へ脱皮する為の指標としているのが同社であるという。

ネスレといえば先にネスカフェを刷新した際に半世紀使ってきたインスタントコーヒーの呼称をやめレギュラーソリュブルコーヒーとする旨を発表している。これに対してコーヒー業界からは消費者がレギュラーコーヒーと誤認する恐れがあると一部困惑の声も上がっている模様だが、製品開発も日進月歩で従来の呼称では定義できない商品が出来つつあるということだろうか。

とはいえ日本進出100年目の同社にはやはり先導力を感じざるを得ない。文中にも書いてあったがネスカフェは日本市場だけでも年間120億杯相当を販売、日本人が呑むコーヒーの四分の一を占めるという。イメージ先行でスタバあたりが連想されそうだが、アンバサダーなるユニークな制度も手掛けており包囲網は強固である。

他にもイオンがキットカットを模倣したPBを作った際にも「中身をPBと入れ替えたとしても必ず売れる」と言ったという同紙の以前の記事も記憶に残るが、この一件ではブランドの類似品だけでPBは成長しない事を確認した格好になった。最近ではこのPBもセブンゴールドの「金の食パン」が大ヒットし大手の追随を喚起する等なかなか面白い構図になってきているが、この辺とも併せブランド価値は何かというものをあれこれ考えさせられる。


何れの矢となるか

さて本日のTOCOMでは金の急落が目立っていたが、欧米株式相場の戻りでリスクオフ姿勢の和らぎから時間外での大幅安を映した格好になった。ところでこの金といえばちょうど一昨日の日経CNBCで「ジム・ロジャーズが語る世界経済と金2013」と題しての放映があった。

前半には金市場コンサルタントアナリストのジョージ・ミリング・スタンリー氏が、金市場における政府や中央銀行の存在が需給面でこれまでとは違った変化が生じている旨の話等があり、その次はジム・ロジャーズ氏の対談であったがアンチアベノミクス派だけに、10年20年後振り返った時これは日本を崩壊させる最後の矢だったと評価されると厳しい意見も。

経済再生の鍵となる基本方針の三本若しくは四本の矢も彼から見れば崩壊のトリガーとなるようだが、主要国銀行が巨額の紙幣を刷り続ける様を、「人工的に作り出された流動性の海は枯渇しそして苦しみがやってくる」と例えたくだりもまた非常に印象的であった。


こちらはNG?

本日の株式市場は3営業日ぶりに小反発、先駆した五輪関連は調整が続いているものが多いが値上がりランキングに入ってきている物には二番手三番手の五輪モノでいくつか突飛高しているものも見受けられる。

斯様に株の方は大いにこれらをネタとしての物色は自由自在だが、それはそれとして昨日の日経紙には「五輪商戦 商標に注意」として東京五輪を想起させるような企画商戦等はNGとの記事が載っていた。決定を当て込んでイベントを企画していたところは数多くあるが、実際に殆どこれでボツになった模様と聞く。

この辺は商標の壁が立ちはだかり不正防止法等も絡むので当然といえば当然ではあるが、オリンピックの運営がイメージ的には公共財ともいえるものを知的財産としてエントリーしていることで回っている事情に由るもの。

ただ折角の世界的行事で折りしも景気が漸く貧血から抜け出そうとしている昨今だけに、この辺はある程度の裁量で企業にも開放することで更なるカンフル剤的効果は絶大だと思うが、もう少し寛容に上手い采配が出来ないものだろうか。


生き残る選択肢

先週末に入ってきた報に東レが炭素繊維で世界第3位の米ゾルディックを買収とのニュースがあった。これによって東レの世界シェアは現在の2割から3割に上昇、成長市場で圧倒的な競争力を確保することになるが、圧倒的な世界シェアといえば同じく先週に米アプライドとの経営統合を発表した東京エレクトロンもこれで半導体製造装置では圧倒的首位に立つことになる。

何れも国籍の異なる企業の結婚?ということになるが、こうした国際結婚も後者のように規模が上回るものの持ち株会社にぶら下がる形で対等関係を強調する例が目新しいところか。業種はこれら以外でも工作機械大手の森精機と独ギルデなど他にも及び、もともと高い競争力を誇っていたものでも国境を越えた再編が粛々と進行している背景にはグローバル競争のなかで生き残る選択肢としての一つというのが見え隠れする。

上記のように東京エレクトロンなど2007年に解禁となった三角合併という手法を取ったが、この辺は日本の会社法の都合によるところが大きく国際間ではこの辺が未だ課題となろうが、何れにしてもグローバル化を進める企業群に取ってこれらの行方も試金石になるだけに今後これらが注目されるところ。


BUY MY ABENOMICS!

さて、今週は日経紙クローズアップに「日本株投信アベノミクスで好調」として、昨年11月に始まったアベノミクス相場で最も運用成績を伸ばした日本株投信はどれかということで今月中旬までの基準価格上昇率ランキングが載っていた。

これらを見てみると今年の4月にも当欄で取り上げたモルガンの「ザ・ジャパン」やそれら関連ファンドがやはり顔を出している。前述したが種玉の吸い上げが完了した仕手系に分類されそうな異色?の銘柄群を組み入れるユニークさ有り、長期投資を嘲笑うかのような機動的売買に特化したもの有りとやはり個性派が揃った格好だ。

加えてIPOモノの錚々の組み入れなど従来はあまり見られなかった物も出てきたのが印象的であったがやはり地合いこそ最大の貢献者、アベノミクス相場無くしてこれらのパフォーマンスが実現出来なかったのは想像に難くないが後半は第二幕があるや否やその辺もまた注目されるところ。

アベノミクスといえば昨日はNY証取で安倍首相の講演があったが、世界経済回復のためには三語で十分と言って会場を沸かせていた。しかし、巷で頻繁に使われてはいたものの首相自身がこの言葉を使ったのは初めて見た。それは兎も角も日本がもう一度もうかる国になる「JAPAN IS BACK」 とし、投資するなら今だとしていたのも印象的であったが、さすがにその辺のセールスマンより遥かに弁が立つのはいうまでもない。


ミリ秒の疑惑

本日の日経紙マーケット面には「金、上昇阻む2つの壁」として、米量的金融緩和策の出口に対する不透明感と、新興国需要の陰りという2つの壁によって金相場の上値が押えられている旨が載っていた。

FOMCで緩和縮小見送りを決めた翌日には急伸したものの、すぐさま来月の開始観測が台頭しあと往って来いの急落という動きをしたが、この辺はDOWもまた先行して同様の動きとなっていた。そういえばこの初動においてミリ秒単位の情報漏洩疑惑が一部で出ていたが、まあこの辺はそうした事実があっても不思議ではないだろう。

斯様に近年の金融マーケットはHFTの台頭からこの手の経済指標と絡めた売買も一頃とはまったく違う構図になってしまったが、何れにせよ来月はそういったことで量的金融緩和縮小問題や、また中旬には米連邦債務上限引き上げ問題の期限が迫るなど思惑に事欠かないワケでこの辺は暫く目が離せそうに無い。


REITへの波及

さて、2020年の東京五輪開催決定で株式市場ではその関連銘柄が乱舞し漸く一寸一服という具合になったが、REIT市場もその関連地域のオフィスビルに特化している物や稼働率改善期待からホテル系にも波及し、加えて直近ではFOMCで量的緩和政策縮小が見送られたことによる長期金利低下も寄与しこちらも先週は4ヶ月ぶりの高値水準まで回復してきている。

市況の上向き期待も勿論ながら、確かに三菱が仕切る大手町など大規模ビルの建て替え計画が粛々と進行し、直近でREITを上場させた星野リゾート等の異色?の存在も進出予定となっているなど国際都市として新たな変貌を遂げようとしているところがポイントになっている。

とはいえ個別モノはPERベースでみればカラを誘い易い水準まで既に来ておりその辺の需給を上手くテコに出来るかどうかというところが今後はポイントになってこようが、REITの場合分配金利回りが下に控えている分支えになりこの辺がまたはこう色になってくる構図になるか。