53年の呼称に幕
コーヒーを飲んでいてふと思い出したのだが、今週初めの日経紙・経営の視点には「世界のネスレ なぜ強い」として手厚い福利厚生やその突出した営業利益率等が載っていた。それに倣うべく先に上場したサントリー食品インターナショナルもグローバル企業へ脱皮する為の指標としているのが同社であるという。
ネスレといえば先にネスカフェを刷新した際に半世紀使ってきたインスタントコーヒーの呼称をやめレギュラーソリュブルコーヒーとする旨を発表している。これに対してコーヒー業界からは消費者がレギュラーコーヒーと誤認する恐れがあると一部困惑の声も上がっている模様だが、製品開発も日進月歩で従来の呼称では定義できない商品が出来つつあるということだろうか。
とはいえ日本進出100年目の同社にはやはり先導力を感じざるを得ない。文中にも書いてあったがネスカフェは日本市場だけでも年間120億杯相当を販売、日本人が呑むコーヒーの四分の一を占めるという。イメージ先行でスタバあたりが連想されそうだが、アンバサダーなるユニークな制度も手掛けており包囲網は強固である。
他にもイオンがキットカットを模倣したPBを作った際にも「中身をPBと入れ替えたとしても必ず売れる」と言ったという同紙の以前の記事も記憶に残るが、この一件ではブランドの類似品だけでPBは成長しない事を確認した格好になった。最近ではこのPBもセブンゴールドの「金の食パン」が大ヒットし大手の追随を喚起する等なかなか面白い構図になってきているが、この辺とも併せブランド価値は何かというものをあれこれ考えさせられる。