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新興国猛迫

昨日の日経紙には「新・新興国」であるラオスで、上場2銘柄の世界一小さな株式市場が発足した旨が載っていた。初の株式文化スタートということで初々しいが、同所はKRX(韓国取引所)が49%を出資して売買注文の付け合わせや清算・決済など主要システムを全て提供している韓流市場という。

ところで取引所といえば先にWFE(国際取引所連合)が発表した統計によると、2010年の株式売買代金ランキングはトップがニューヨーク証券取引所で2位が米ナスダックOMX、3位が上海証券取引所となっていた。

さて、東証はというと3位の上海に注いで4位、これで09年に続いてアジアでは2年連続で2位であった。その東証の次に位置しているのが新興市場として活況を呈している深セン証券取引所であるが、下半期ではこの深センにも東証は抜かれておりその猛迫ぶりは際立っている。

国際金融市場としての地盤沈下がこのところ燻ぶっている問題だが、近年はMBOの増加や親子上場も少しずつ解消してゆこうとする機運もあり、この辺は国の独自の事情という点もありそうだ。ただ一部特異なオペレーションによって本来の新陳代謝機能がそがれてしまって来た部分なども問題であり、この辺はやはり今後も課題となるだろう。


節約疲れ?

本日はいつもの通り道にある牛丼店の前を通った際にふと思い出したのだが、現在またもこの業界は値下げキャンペーンを展開中である。この値下げ競争に関しては昨年も何度か触れた事があるが、今年もまた同業他社に追随して各社が競走に走ったというのが経緯らしい。

ところで、先週の日経紙総合面には「消費薄明かり 収益も底入れ」として個人消費が少しずつ回復してきた旨が乗っていたが、確かにこの年末年始を通してはその商戦も一寸贅沢志向が一部戻ってきたような報道が目立っていた。

例えばクリスマスでは、帝国ホテルがイヴ、そして25日の両日が満室となったが、これは実に2005年以来5年ぶりの事。またリーガロイヤルホテルの40万円スイートルームプランもほぼ満杯となったり、ケーキは高額品から無くなり、ヘリによる夜間飛行サービスも完売状態。クリスマスが終れば年末年始のホテル滞在予約も順調に伸び、年が明ければ今度は三越の50万以上する御節に予約が入り、初売りでは1,850万の高額福袋に約400件の応募が集まったとか。

小売各社の収益底入れが鮮明になってきた中で、商品戦略を低価格路線から修正したローソンなどの企業の好調も目立つが、そんな現況を横目にこの業界は独自の消耗戦がまだ終焉を迎えない。昨年の春にも他のオプションがあったのではと消耗戦に疑問を呈したことがあったが、こうした混沌とした二極化は何やら違和感を覚える。


値上げマジック

さて今週は西のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」が2月から入場料を値上げすると発表している。サービスの維持、向上が理由というが、テーマパークといえば東のオリエンタルランドも先にTDL、TDS共に個人チケット料金を新年度入りから値上げすることを発表している。

テーマパークといえば、利用者を飽きさせない為の絶えず新しいアトラクションの追加など巨額の設備投資が不可欠でありデフレ云々に関係なく段階的な値上げも当然といえるが、オリエンタルランドの場合、バブル崩壊後から5回にわたる値上げでもその都度入場者数や利用金額の増加を達成するマジックを魅せつけているのは流石といえる。

TDLとTDSの一日一人当たりの利用金額は約1万円というが、先月の日経紙記事では平均滞在時間は8時間半前後でこれを1時間に換算すると730円、平均滞在時間が約5時間の八景島シーバラダイスはこれが同900円弱で値上げの余地があるという解説が出ていた。

こうした時間割りのデータはなかなか面白いものもあるが、同様に収益構造なんぞを見てみると1時間あたりで原価が50分20秒、販売管理等が2分51秒、会社への利益還元部分が6分49秒、これらから給与や役員報酬という部分では12分33秒という具合であるとか。余談ながら、2009年に上場廃止の選択でマザーズ市場からその姿を消した冒頭のUSJの役員報酬は2億円超で業界では断然トップとなっているが、さてこちらはオリエンタルランド同様のマジックを見せられるかどうか見物である。


100%超希薄化を買う?

昨日は新型の増資手法規制を大幅緩和との報に触れたが、この増資といえばお決まりのファイナンス発表で株価急落という構図から、まだ事例が少ないとはいえ今年は年明けからファイナンス物の銘柄の動きが変わってきている。

直近でやはり目立ったのはJVC・ケンウッド・ホールディングスだろうか。ファイナンス観測が出て直後の寄付きでこそ軟調を強いられたものの、あと急速に切り返し翌日からは二日間連続のストップ高という離れ業をやってのけた。勿論、売り規制やJPモルガンのニュートラルからオーバーウエート評価で目標株価の引き上げ等の追い風もあったと思うが、それにしても破竹の勢いだった。

このケンウッド効果もあってか、前代未聞の現在の発行済み株式を上回るという100%超の希薄化増資を敢行するりそなHDまでが先週末にかけて急騰したのにはさすがに驚いたが、週明けはやはり裁定された。先導したケンウッドも所謂踏み一巡で結局本日はストップ安まで叩かれているが、先に上げが来たあたりに地合の変化も感じられる。

個別では動きが止まれば話題にも上らなくなるだろうが、執拗なメガバンク群の堅調相場も単なる大手証券が設定する投信の思惑だけではなさそうである。斯様に昨年のファイナンス組でも再騰の芽が出てきているモノありで、規制具合にも因るが腕に覚えのある個人には買いでも売りでもまた張り甲斐のある相場になってくるか。


rightsissue 創成期

さて、昨日の日経紙一面トップには金融庁が企業が既存の株主に新株を購入する権利を渡す新型の増資手法の規制を大幅に緩和する方針と出ていた。この件の対象になるのは「ライツ・イシュー」、既存の株主に新株予約権を無償で付与、増資に応じる向きは権利行使し現金を会社側に払い込み新株を得る。反対に応じたくない向きは予約権を売却し現金を得て権利落ちのカバーが出来るという構図。

このライツ・イシュー、かつてはみずほFGなどでこれに絡んだ思惑が出て昨年の5月にはこの辺に一度触れた事があったが、実際の実施例としてはちょうどこれを取り上げた時期のタカラレーベンの一件。この実施に関してはオーナーやその関連などの安定株主が約半数な為ある程度纏まった権利行使が予想されていたものの、蓋を開けてみたら約95%と予想以上?の転換比率となったのが一寸した話題になった経緯がある。

さて今回の緩和策ではディスクロルールをネットでも可能にしたり、新株予約権の証券会社による買い取り規制の緩和などを盛り込んでいるが、この証券会社に関してタカラレーベンの場合は所謂ノンコミットメント型であった。このタイプは今後どの程度の割合になるか判らないが、相対で増資決定可能というのも問題がないわけではない。

斯様にまだまだリクイディティーが限定的という問題や、引き受け等の課題もあるが、これらがどんどん台頭し、先の公募増資前のカラ売り規制など整備されればいよいよかつて横行した「公募増資利用型手法」などというお手軽裁定も自ずと今後は消えるのだろうなとふと思う。


変わらぬその体質

さて、毎年1/3日付けの日経紙には「経営者40人に聞く」として株式や為替の見通しを聞いた特集が組まれている。大体において相場に縁のない経営者が大半な上に相場の年間予想を立てること自体が愚行だが、大発会前の暇潰しがてら面白いので馬鹿馬鹿しいと思いつつも検証してしまう。

というワケで昨年の各予想の結果はどうだっただろう? 先ず円相場は年平均で87.75円に上昇、1973年の変動相場制移行後で初めて80円台となった訳だが、6月末と12月末の相場という質問に対して20人が回答、うち2名の予想が当りであったが1名は幅を持たせているので微妙。もう一人の某メガバンクの社長は6月末、12月末共に数十銭の誤差でほぼピタリとこれはお見事。流石本業と思ったが、他のメガバンク社長は大台自体が相違しておりこれは外れ、某信託の社長なんぞは6月末、12月末共に100円台の予想とそのハズシ具合が一際目立つ。他の18人は年末の方が円安予想としており殆どがこれではずれた。

株価の方は、20人のうち年間の高値安値をほぼ当てたのが某総合電機大手の社長1名。但し値段はほぼ当てたものの、その時期予想は年間高値を取った4月を安値予想とするなどこれは大はずれ、ただこの高値安値時期を当てた者は皆無。有望銘柄ランキングなんぞはそこそこ利食えたのは10銘柄挙げてうち1銘柄程度だろうか。こちらは為替の銀行よろしく大手証券社長の挙げるものは他より辛めにチェックしたくなるが、やはり5銘柄挙げさせて年後半に来てようやく薄利が乗ったのがわずか1銘柄とお粗末。他はカラ売りの方が大正解であった。

毎年注目してもらいたいのだが、国内証券会社は年中強気のシナリオでモノを売る体質なので、こうした年間高安予想を聞いても判で押したように、年初安に年末高を言ってくる。売買してくれればよしでそこに相場観など存在しないのである。昨年も20人中でここ数年見た事もないような年末に14,000円などという最高値を予想していたのは某国内大手証券の社長だった。例えば今年はカラ売り有利などと本音を記す輩が現れる時が体質変化の時と見ているが、今年も国内大手証券会社はこのパターン。

まあ、多分来年もまた国内大手証券会社の社長連中は、必ず年初安に年末高の予想を挙げてくるはずなのでもしそうだったら笑って欲しい。



東穀ザラバ化等に伴いポイントテーブルを改定

2011年1月からの東穀取・ザラバ化などに伴い「評価ポイントテーブル・項目」を修正・改定しました。トータル182ポイント(これまでは190ポイント)。

今回の項目・ポイント改定では

1.東穀ザラバ化に伴う関連項目、ポイントの修正
2.中部大阪取引所関連項目の修正・削除

となります。詳細につきましてはいか項目・ポイントテーブルにてご確認下さい(変更箇所は青文字で表示)。

▼商品先物ネット取引/一目瞭然:評価ポイントテーブル(1/4改定)

こちらの改定に伴い、各社のサービス内容、ポイント配分も修正を行っております。その他変更点の確認としまして1/5付でサービス内容アンケートファイルを各社宛にお送りしますので、修正箇所などあれば当該箇所を赤文字で修正・記入の上、ご返信をお願いいたします。

どうぞよろしくお願いいたします。


卯、跳ねる

皆様、新年明けましておめでとうございます。

本日の株式大発会は昨年の「寅、千里を走る」からバトンタッチして「卯、跳ねる」の格言の如く反発からスタートした。大納会は冴えずに年足で陰線云々とか関係者間では話題だったが、その占有率からして既にドル建て評価の世界か。そんな年足を気にするより危惧すべきは売買代金が320兆円台と6年ぶりの低水準まで落ち込んだ点、プライマリーにありつけない中小以下の苦境は未だ底を打った感には遠くこの辺の去就は果たしてどうなるか。

さて一方でやはり苦境の商品業界はどうだろうか? 昨年は年明けと共に東証の新システム「アローヘッド」が稼動したが、今年は年明けと共に東穀取が取引システムをTOCOMに統合した。また、元旦付けの日経紙にある「年間予定2011年」の1月欄一番初めに出ているのが、1日の「商品先物取引法施行、取引を望まない人への商品先物の営業が禁止に」ということであったが、さて今年は総合的な政策絡めてどういった展開になるのかこちらも目が離せない。

何れにせよ、双方共に今年もまたM&AやMBO等で商機ありという流れが個別で続くか。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。


SPAN証拠金制度への対応・告知状況まとめ(12/30現在)

2011年1月4日より、国内の商品取引所でも、世界の主要取引所が採用するSPAN証拠金制度(Standard Portfolio Analysis Of Risk)が導入されます。それに伴うネット取引業者の対応・告知状況をこちらではまとめておきます。

▼日本商品清算機構(JCCH)のSPAN関連のパンプレット


取引会社名掲載日内容
日本商品清算機構-SPAN(The Standard Portfolio Analysis of Risk)の採用
北辰物産11/17SPAN証拠金について
ドットコモディティ11/25スパンをベースとした新証拠金制度の導入と当社対応/シミュレーション画面
ドットコモディティ12/10スパンをベースとした新証拠金制度における当社ルールについて
北辰物産12/14スパンを基本とした弊社の委託者証拠金制度について
フジトミ12/20当社における証拠金の定義と証拠金制度
岡地12/21新証拠金制度に伴うオアシスの主な変更点について
ひまわり証券12/22スパンをベースとした新証拠金制度における弊社ルールについて
エース交易12/24証拠金制度説明書〜新証拠金制度について〜(PDF)
振興協会・JCCH12/27特設サイト:SPAN証拠金とは&スマートCXとは
日本ユニコム12/28平成23年1月4日以降の証拠金制度の変更について
フジF12/30証拠金制度改正について/SPAN採用せず

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新時代なるか

さて、例年行われている日本漢字能力検定協会が全国から公募した「今年の漢字」であるが、昨年の「新」から本年2010年を表す漢字は「暑」と発表されている。

この「暑」に因って今年は彼方此方でこれによる弊害が出ていたが、今月上旬など日経紙一面には、「物価の優等生」なる鶏卵の店頭価格が2年ぶりの高水準で、卸売り価格は5年7ヶ月ぶりの高値になるなど価格が高騰している旨も載った。物価の優等生でもやはり今年は猛暑による影響が甚大で供給が減った模様。

そんなワケでこの時期、御節料理の需要を控え更なる上昇を懸念する声が聞こえるというが、日常モノといえば野菜もまた然り、これまたこの猛暑の影響で緑黄色野菜中心に軒並み5割前後の上昇となったがこれだけ騒がれても、国内ではやはりというかこうした現象に絡んで身近なヘッジに関しての話題は全く見当たらない。

逆にヘッジといえばこの野菜もかつて世界初を謳い鳴り物入りで先物が登場したものの、参加者不在で東穀取が数年前に上場廃止にしている。上記の鶏卵にしてもかつて中部大阪商品取引所がこの先物を上場していたものだが、生産や流通関係者の参入不振の末にこれもまた今年の3月には立会い休止となっている。笛吹けど原資産にリンクしてこないのは、マーケティングに起因しているのかはたまたデリバティブが風土に根付かないのか?

何れにしてもこの鶏卵先物を上場していた中部大阪商品取引所も来月には解散という道を辿り、野菜先物を上場していた東京穀物商品取引所もまた実質的に解体への足音がヒタヒタと迫っている。こうした取引所淘汰の一方で「総合取引所」構想も重い腰を上げつつあるように見えるものの、監督機関についての調整は年内つかず両論併記となった。さて来年はこの辺がどう決着するのか思いを巡らせつつ今年はこれで失礼したい。

皆様、一年間のご愛読まことにありがとうございました。
どなた様も良いお年をお迎えください。


有楽町の顔

先週末はクリスマスであったが、そういえば昨年のクリスマスには業界からタイコム証券が消えたのが思い出されるが、今年のクリスマスに26年の歴史に幕を下ろし消えることになったのが「有楽町マリオン」の顔であった、ご存知セブン&アイ・ホールディングス傘下の「西武有楽町店」である。

最終日の開店前にはすぐ裏の宝くじ売り場よろしく1,000人近くもの行列が出来、この人手は前年同期比の3倍、その売り上げは同5倍にもなった模様。同百貨店は逸早く尖ったイタリアンブランドなどを導入しバブル期のOLなど中心に人気があったものだが、長引く不況の影響から個人消費の低迷には抗せず今回の措置となったワケだが、また一つこの界隈の顔が消えるのは本当に残念。

さて、これだけの一等地にこの西武無き後に誰が入るのかということだが、秋口に発表された通りルミネが決まっている。近年銀座界隈には続々と低価格路線のファストファッションブランドが伸して来ているが、またも脱高額消費の流れでこれが近隣の有楽町にまで及んで来たことになる。

残った百貨店系でも「フォーエバー21」、そして「うふふガールズ」、はては「ラオックス」まで導入するなどルビコン川を渡ってしまった松坂屋のようなケースあり、先に書いた三越のように統合の真価を賭けて同社のエッセンスをふんだんに盛り込んで増床したケースありで、今後新興勢力と老舗勢との戦いがどうなってゆくのか来年もますます目が離せなくなってきた。


東穀取・ザラバ化への変更に伴う各社告知状況まとめ

2011年1月4日より、東京穀物商品取引所の取引ルールが現行の板寄せ方式からザラバ方式へと変更となります。それに伴うネット取引業者の告知状況をこちらでは纏めておきます。

▼東京穀物商品取引所:2011年1月4日、ザラバ取引へ


取引会社名掲載日内容
北辰物産11/29東穀取:ザラバ取引への変更に伴う、取引ルール変更のお知らせ
岡地12/06東京穀物商品取引所ザラバ移行のお知らせ
エース交易12/06【東京穀物商品取引所】板寄せ取引からザラバ取引へ変わります
エイチ・エス・F12/10東京穀物商品取引所 取引システム変更のお知らせ
ドットコモディティ12/14東京穀物商品取引所(TGE)の売買仕法と立会時間の変更について
日本ユニコム12/27東京穀物商品取引所銘柄のザラバ取引への移行について

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