臨増
先にあの銀先物急落のトリガーとなったのは証拠金引き上げであったが、次にCMEは10日の取引終了後からWTI原油先物の取引証拠金を25%引き上げると発表している。併せて北海ブレントやガソリン、灯油など他のオイル系の証拠金も引き上げる模様だ。
昨日は為替デリバティブの損失について触れたが、上記の通り頻繁な所謂臨増し証拠金が必要になるくらいコモディティーも荒れてくるとヤラレたファンドなどメジャー系が浮上してくる。早速というか直近では世界最大のコモディティーファンドともいわれる「クライブ・キャピタル」が、先の原油急落で4億ドルヤラレたという報をFT紙は伝えている。
この「クライブ・キャピタル」といえば年間の平均リターンが27%といわれ、推定50億ドルの顧客資産運用額を擁しているというファンド。今年は直近の4月まで上記の通り好調なパフォーマンスを示していた模様だが、この原油でその週のパフォーマンスが8.9%悪化したという。
他にもココの半分程度の規模のエネルギー系ヘッジファンド、アステンベック・キャピタル・マネジメント擁する主力ファンドも運用資産が12%減少したと伝えられているが、近年はLTCMのような超レバ系はめっきりその姿を消し一発パンク型もなくなってきたなと。商品もジュリアン率いるタイガー等が破竹の勢いだった頃がなんとも懐かしい。