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デフレ下のインフレ資産人気

さて小麦急騰劇がまだ記憶に新しい中、本日の日経紙商品面ではトウモロコシの国際価格が6月末に比べ7割高と高騰している旨が載っていたが、コモディティー系の話題ではここ直近で綿花も140年の歴史で市場最高値を付けた旨もよく見かける。

また何十年ぶりという話題では通貨でも、15日のニューヨーク外国為替市場で豪ドルが物色され、同通貨が1983年12月に変動相場制に移行後では初めて、1豪ドル=1.0005米ドル前後と等価水準に達した。

斯様に国際商品、資源国通貨から新興国等の様々な投資対象が順次煽られているが、この辺は周知の通り何れも新興国からの旺盛な需要に加えて、FRBの金融緩和観測で余った流動性資金がコモディティー群に流れ込んでいるのが原因。

しかし上記の綿花の高騰では、ただでさえ需要が低迷しているアパレル業界などまた厄介な問題の出現だ。こんなデフレが進行する中を過剰流動性だけはインフレ資産の争奪戦となっているが、昨日は中国が2007年12月以来、2年10ヶ月ぶりに0.25%の利上げを発表している。これを受け既にNY金が2週間ぶりの安値に急落、NY原油も80ドル割れと4%以上急落しているが、一旦はリスクマネーの収縮から一服となるのかどうか各銘柄に注目である。


海外先物取引で「Micro Gold」の取扱開始

ドットコモディティは、同社の海外先物取引において、10月3日にCOMEX(コメックス)取引所に新規上場した「Micro Gold(マイクロ金)」の取扱いを開始。「Micro Gold」はレギュラーサイズのGOLDに比べ、10分の1サイズで取引可能。

▼「Micro Gold」銘柄追加のお知らせ=ドットコモディティ


銘柄1枚あたりの取引の量証拠金円換算(90円/ドル)手数料(1枚片道)手抜け幅
マイクロGold10トロイオンス(約0.31kg)574ドル51660円1.75ドル0.4ドル(4tick)
ミニ金50トロイオンス(約1.55kg)2869ドル258210円9.25ドル0.5ドル(2tick)
レギュラーGold100トロイオンス(約3.1kg)5739ドル516510円15.0ドル0.3ドル(3tick)

また、Micro Gold取扱い開始に伴い、海外先物取引口座開設時の当初預託金額制限(300万円)を撤廃へ。

▼当初預託金額制限(300万円)撤廃のお知らせ=ドットコモディティ


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変わらぬ影響力

さて昨日から本日にかけては資源大手の豪英BHPビリトンと、英豪リオ・ティントが鉄鉱石事業の統合計画を撤回した旨の報が各紙で伝えられた。

この両社、当欄では二年ほど前に触れた事があったが、当時はリオ・ティント側が最大手のBHPビリトンからの買収提案を拒否した経緯があったのが記憶に新しい。それでも翌年には厳しいファイナンス事情もあって鉄鉱石事業の統合で合弁事業を設立することで合意していたものの、結局今回の結論となった。

業界ではこの両社ほかブラジルの大手ヴァーレや他の新興勢では中国の宝鋼集団などもあるが、ほぼこれらで世界の鉄鉱石供給の7割以上を占める支配力を持っている。今回は当然ながら鉄鋼業界の猛反発もあって、各国・地域の競争当局から統合への承認が得られない見通しになったが安堵も束の間、このシェアでは価格への圧力など脅威は依然健在だろう。

業界によっては独禁法などただのお飾りになってしまっている部分も見え隠れするが、取引所創設など奏功するかこの辺は政治色も濃いのでなんとも言えないが、こうした寡占化というのも昨今の流れの特徴でもある。


消えゆくコード

昨日の日経紙一面には、上場企業の時価総額でみた世界の株式市場ランキングで、東京証券取引所が9月末に4位に後退、1998年から守ってきたベスト3の座を12年ぶりに明け渡した旨が載っていた。

ここ直近では欧米市場や新興国勢の増大とは逆に、日本の出遅れというか弱さだけが特に顕著になって来たようにも思うがこれらを反映している模様。もう一つはやはり単純に上場会社数そのものがここ近年減少の一途を辿っているという点か、ちなみに今年の9月末時点で国内の上場企業数は3,649社、これは04年3月末以来6年半ぶりの水準である。

私も時々何かの切っ掛けでそういえばあの企業どうしているのだろう?とキーを叩く(何故かコード番号だけは時を経ても指が覚えていてスラスラ打てる)と、久しく見ていない銘柄の中には表示されないものが多数。殆どが久しく関りが無く忘却していたものだが、MBOやらTOBから完全子会社化等々で市場から姿を消したものも多数。

また、新興市場ではほとんど錬金目的だけで上場した企業が用済みとなって不祥事発覚のニュースと共に順次消えてゆく姿も周知の通り。そんな事もあって東証は撤退組を補完するという意味合いもあってのTOKYO AIM市場開設など記憶に新しいが、ご存知こちらは依然として開店休場状態が続いている。

今迄個別の国内企業の時価総額、そして世界ベースでもこれら個別企業の時価総額など下克上の模様を何度か当欄でコメントしてきたが、何時の間にか主要市場ベースで見ても地盤沈下が進行しつつある深刻な状況となっている。


中京石油市場

昨日は連休明けから稼動した大証の「新ジャスダック市場」について触れたが、今週はTOCOMも同じ連休明けから中部大阪の石油市場を引き継ぐ格好で「中京石油市場」を稼動させている。デリバリー形態など従前市場を踏襲するものの、値付けは当然ザラバへと変更になる。

これで所謂ホールセールとリテール両方を補完ということになるが、先の夜間取引延長と併せ今後どれだけ低迷している売買高の底上げが叶うかである。ちなみに当初は従来の31社より増え39社でのスタート、気になる初日はガソリンが264枚、灯油が128枚にとどまり低調なスタートとなった。

ところで、昨日触れた「新ジャスダック市場」を擁する大阪証券取引所といえば、直近ではETFの普及をテコ入れする為に証券会社に奨励金を支給し、個人投資家から徴収する委託手数料の無料化を支援する制度を導入すると報じられている。はて、一方で商品取引所はどうだろう?

売買高低迷がいわれて久しい折に取引員各社は、それこそ証券各社とは逆に長年ほぼ横這いであった手数料の値上げ改定に動いたのは記憶に新しい。これの起因となっていた一部にはTOCOMの定率会費引き上げという問題があったが、定率会費値上げ分の吸収が企業努力で賄える環境には既に無く、その取引所新システム対応でも多額の資金を割かれている状況にあっては取引員側としても営利法人上選択の余地も無かったのだろう。

そんなワケで取引員も一概に責められないが、取引所の立場としては短期的な収益効果を求めて定率会費値上げを強行する愚行よりもっと先を見据え上記のような行動の一つも起こせないものであろうか? 株式上場を視野に入れた焦りもあるだろうが、今迄新規に打ち出してきた商品の低迷もこうした後押しで軌道に乗せる切っ掛けになった部分があったかもしれないとしばしば思う時がある。


新ジャスダック市場

さて昨日から大阪証券取引所のジャスダック市場とヘラクレス市場を統合した「新ジャスダック市場」が発足し、その取引がスタートしている。上場企業数は1,005社となり時価総額は9月末計算で8兆8,163億円とアジア最大級の新興市場となるが、これに伴ってマル信掛け目なども一部変更となるところあり。

初日の売買代金は約127億円と静かな滑り出しになったが、個別では初日に新高値となったものに貴金属回収のアサカ理研はじめとして9銘柄、一方で統合第一号の上場銘柄トランザクションは売り気配から公開価格を7.5%下回る初値を付けたあとも売り物止まらずズルズルと下落、これは今年度に入り二番目の低調な滑り出しとなった。

この新規上場モノもそうだが今年はIPO15銘柄のうち5銘柄が公開価格を下回っての初値形成となるなど人気薄、特に新興市場といえば近年の不法な上場やファイナンス錬金、またあのライブドア事件などでもケチが付いて信用が失墜、近年ではアジア新興市場といえばお隣のコスダックがあらゆる面で台頭するなどしていたが、果たして新市場はこの信頼回復が叶うかどうか。

また、かつて此処も「ナスダックジャパン」なる市場が開設されていた時があったが、ネームバリューはやはり大きかった。「ナスダック」のような一つの確立されたブランドに育て上げることが出来るかどうか、今後IRやスタープレイヤーの発掘が非常に重要になってくる。


禍根を残すファイナンス

さて、連休明けの日経平均は円高圧力に潰されて9,400円割れと一週間ぶりの安値で終った。この依然円高の中ではハイテク系との格差でNT倍率の変化にも注目だが、TOPIX系でも先週は金融庁がメガバンクに対して国際基準を上回る資本の積み増しを求める事を検討との報道から、先週は4日の「投資の日」から翌日にかけて主力の金融株群が揃って年初来安値更新となっていたのが印象的であった。

目先で見れば「投資の日」がまさにこれらの絶好の仕込み場となったワケだが当初でこそ権利付き取引最終日には中間配有無ではこう色が見られたのも束の間、今月に入ってからは一緒くたに叩かれていた。中でも低位のみずほFGなどは下げがキツイ、今でこそ若干戻りを入れているが先の新安値では110円ドタまで売られ先のファイナンスに応じた向き全体ではこの段階で総額1,000億円以上もの値洗い損を抱えたことになる。

直近では同庁が上記の件を否定した事でショートカバー等からこれらの戻りがここ目立つ動きあり、金融政策決定会合での日銀のゼロ金利政策復活の報ありで、銀行は収益増加期待も加わり株価にとってはいいトリガーになった筈だが、ここからが正念場。現在の好環境が消化し尽くされてしまうとまた上げ拗れを先導する事になりかねないが、その辺は公募価格奪回から更に上に持っていけるか否かに掛かっているだろうか。

しかし、それにしても今年7月に取り上げた国際石油開発帝石のファイナンスに続き、直近では東京電力のファイナンス実施の報があった。今月6日付け日経紙財務面では「問われる資金の活用」とのタイトルがあったが、ここに出ていたように納税資金などという用途に充てた企業あり、また同紙には書かれていなかったが使用目的も無いのに1,000億円以上も調達した企業もあった。

今後これらの批判もクローズアップされてこようが、東電などが今日もまた年初来安値更新しているように株価への批判も益々顕著になってくるのは想像に難くないか。


大阪初上陸

さて今の時期、夜になるとリビングからは毎年恒例になったピンクリボン活動の啓蒙でホテルの外観をピンク色にライトアップした「ザ・ペニンシュラ東京」の妖艶な佇まいが見られるが、此処が出来てからはやもう三年が経つ。

丁度ここは「マンダリン・オリエンタル東京」が開業した後にオープンし当時は外資系ホテル戦争ともいわれたものであったが、東京が昨年の「シャングリ・ラ東京」のオープンで一服している時に先週末に大阪では米スターウッドグループの最高級ブランドである「セントレジス」が開業している。

位置付けでいうとヒルトングループにおける「コンラッド」のような立場だろうが、今まで大阪で外資系のアッパークラスというと「リッツカールトン」くらいしか頭に浮かばなかった。そんなことから十分な市場機会があると此処の地を選んだのだろうが、室料は7万円くらいからと国内では最高レベルに設定と強気の構えである。

長引く不況でホテル業界の経営環境が厳しい上に、折しも円高で海外観光客への期待も一気にトーンダウンと逆風下でのデビューとなるが、上位ブランドといえばもう一つ13年には英国系「インターコンチネンタル」も開業に向けて三菱地所等と交渉している模様。室料もオープン当初は優待やら記念料金の名目でお試し価格は定番なものの、稼働率を追う為にその価格帯が恒常化してしまうのが昨今の現象でもある。そんなジンクスを破る事が出来るのか否か大阪ホテル戦争の今後も興味深い。


形振り構わぬ競争

市場関係者には注目されていた週明けからの金融政策決定会合であったが、周知の通り日銀はゼロ金利を継続させ、国債や社債など5兆円規模の資産の買い取りも決定した。

日経平均もこれを好感して本日も大幅続伸となったが、分配金利回りなどみてもともと割安感もあったREIT指数も急反発、REIT指数が急反発となれば個別でも不動産ポスト始めとしてオリックスなどやはり反応が早い。またこのその他金融業ポストではそのメリットが意識されてADRではアイフルが上昇率トップとなっていた。

さて、そんな一方でコモディティーの方では一昨日取り上げた金が昨日も史上最高値を更新、量的緩和競争に入ってきた今の情勢を如実に反映しているが、ここ直近の上げ方を見ているとこれら金融上の政策が相当量のプレミアムを乗せてこの相場へと織り込まれている感もある。

兎も角これで「通貨安戦争」参加に続いて「量的緩和競争」にも着手したワケだが、当の円相場は政府・日銀が単独で円売り・ドル買いを実施した15日以来約3週間ぶりに82円台へと上昇、介入以降は円高是正局面があっても尽く一日天下に終っているが量的緩和といってももともとの絶対水準が低く、投資家のリスク選好度が高まればドル売りの構図がやはり思い浮かぶのは自然なところ。そんなワケでこの競争、はたして奏功するかどうか今後を見守りたい。


夜間取引の寄与度

さて、TOCOMが連休明け9/21から夜間の取引時間を午前4時まで延長する深夜取引を始めてからちょうど二週間が経過した。

この延長でこれまでより5時間長い午前4時まで取引出来るようになったワケだが、一週間経過後の日経紙にはその売買高が延長時間帯に1日あたり3,000〜8,000枚増えた模様。ちなみに初日では午後11時以降の延長時間帯出来高が夜間全体の22%を占めたというが、狙いである海外投資家やFX投資家層など今後如何ほど誘致出来るだろうか。

当の海外勢の取次ぎで貢献してきた商社系取引員などは順次撤退し、折しもちょうど主力の撤退決定後のタイミングでの船出となったが、取って代わるトップセールスでは何処が手を上げるであろうか。個々ではイベント等形式的には開催したのだろうが、前回もそうであったように今回にしても今ひとつ投資家への啓蒙が周知徹底されていないようにも思える。

一方で証券業界ではPTSが数年前からネット勢の参入が相次ぎ、今年は野村傘下がアローヘッドをも凌ぐスピードを備える最新鋭を稼動させている。こちらの方は従来の補完イメージが強かったものの欧州では大口資金のシフトから日中取引の影も薄くなる規模にまで育ちつつあるが、はてコモディティーの方を考えるにやはり要は主力層の資金、構図の相違はこの辺に起因している。


金との境界線

さて、騰勢が止まらない金は史上初の1,300ドル越え達成など順調に値を飛ばし、週末には史上最高値をまたも更新している。

既に「無国籍通貨」や「代替通貨」などという形容は五年前からこの金に触れる折にタイトル等で使ってきたものだが、近年はより一層それらが切実なものへと変化し、また構造上もETFの普及によって従来のある意味で限定されていた取引がより一層金投資へのアクセスを拡大させたというのも大きな一因だろうか。

このETFも当初こそ日本ではそう商いも集めないだろうと思われていたが、近年では主力のSPDRゴールド・シェアなど始めとして売買代金もなかなか見栄えのするものに育っているのを実感する。

ところでこの金と並行して最近俄かに注目を集めているのが、30年ぶりの高値圏に躍り出ている銀か。この銀も同様に「代替通貨」としてドルやユーロの不安を背景に買われている旨が大手紙でも報じられていたが、米国のマクロ経済指標でも幾つかは改善傾向が見られた事からPGM系含めた景気敏感メタルにも物色の手が広がったという部分もあるだろう。

上記のETFの中でも直近上場の三菱UFJ信託モノなど商いが飛躍的に伸びてきているし、此処へ来てまたぞろ金銀比価論や史上最高値までの伸びしろ云々も出てきてヒートアップする一方であるが、外貨準備として買われるのが金。この辺は冷えた時により実感として解るものである。


海外先物取引、4つのプラットフォーム提供へ

ドットコモディティは、8月に取扱を開始した海外先物ネット取引において、「CQG Trader」に加え、新たに以下3つのトレーディングツールに提供開始。

[1]Strategy Runner(ストラテジーランナー) 
[2]X_Trader(通称:「TT(ティー・ティー)」  
[3]CQG Integrated Client(通称:「(シー・キュー・ジー)アイ・シー」)

▼海外先物取引 トレーディングプラットフォーム拡充のお知らせ


■Strategy Runner(ストラテジーランナー)    
Strategy Runnerは、ISV(Independent Software Vendor)が開発しているリテールトレーダー向けのトレードプラットフォームの中では、世界で初めて定義済みの戦略をサーバー内で自動執行を実現したトレードプラットフォームです。サーバーで戦略注文を管理するため、戦略を発注後、ユーザーがパソコンを停止したり、突発的な故障においても、注文とポジションは自動運用されます。
・Strategy Runnerは世界中のFCM(Futures Commission Merchant:先物ブローカー)に提供され、多くのユーザーに利用されています。
日本の事業者がStrategy Runnerを提供することは今回が初めてになります。

■X_Trader(通称:「TT(ティー・ティー)」)      
X_Traderは世界の4大先物取引所において、電子取引注文の50%以上のシェアを誇るトレーディングプラットフォームです。
世界のプロのトレーダーに磨かれたツールで、日本のディーラーの間で最も有名なツールの一つです。
・開発会社が「Trading Technology社」であることから、プロディーラーの間では「X_Trader(エックス・トレーダー)」とは言わず、「Trading Technology」を縮めた「TT(ティー・ティー)」と呼ばれております。
ドットコモディティでは東京工業品取引所(TOCOM)への接続を提供しておりましたが、このたび海外取引所への接続の提供も新たに開始いたします。

■CQG Integrated Client(通称:「(シー・キュー・ジー)アイ・シー」) 
CQG社は45社以上のFCMにシステムの提供を行い、世界の35以上の市場にダイレクト・マーケット・アクセスを提供している企業です。
ドットコモディティが海外先物取引サービス開始後、提供している「CQG Trader」の上位版にあたる「CQG Trader IC」の提供を開始いたします。
・「CQG Trader IC」は「CQG Trader」の簡便な発注機能に加え、様々なチャート分析機能が追加されました。

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