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商取コミットメントライン?

先にJCCHから発表になった先月度の商品先物出来高は【FUTURES PRESS】でも既報の通り前月比12.2%減となったが、取引所別で前年同月比等で見てみると特に東穀取あたりの落込みが激しい。この東穀取といえば2/20付け日経紙にはビルや株を担保にした融資依頼の記事が載っていたが、その数日後には中部大阪商取が保有するJCCH株式の売却要請の旨が記事になっていた。

斯様に先月末に掛けては、相次ぐ投資家保護基金への支援要請が記事にされることが多くなり、この辺の事情から日経紙商品面やら社説やらで日本の商品取引所を危惧する旨の記事を見掛ける機会も多くなった。

貸し出し資金である代位弁済積立金は本来、会員の商取会社が破綻した際の投機家の担保を保証する資金だが、こうした事例が出て来るのも取引員の破綻やこうした商品取引所が資金調達難に陥っている現況ならではの光景といえよう。

そういえば資金繰りがどうにもならなくなり責準までツマんで日商協から過怠金制裁処分を受けたところもあったが、責準でなくともこんなところにこんな貸し出し枠があったのか!とあらためて知るケースも昨今多い。しかし、基金団体の貸し出し枠設定も「取引所が運営できなくなるのも先物市場の損失」との名目としているが、再編に向けたプロセスがあるのなら、こうした個別での動きなどワンクッション噛ませているところにまだまだ違和感を覚える部分も多い。


酷似する構造・2

昨日の大手各紙では「さくらや」全店が閉鎖し64年の歴史に幕を下ろした旨の記事を見掛けたが、同じ約60年の歴史に幕といえば吉本興業も先に長きに亘る株式公開に終止符を打っている。斯様に先月は個人に馴染みのある企業が幾つかその長い歴史に終止符という事例があったが、話題性ではやはりその株式公開48年の歴史に幕を下ろした日本航空だろうか。

この日本航空、直近で09年04〜12月期連結決算を発表しているが、10年3月期通期営業赤字を2,500億円以上見込んでいたところ先の営業赤字が1,208億円で収まったので残りの期間を考慮しても意外?に赤字幅が最小限に収まっているとの解説もあった。まあ、それでも純損失は467億円と過去最悪、12年3月期に241億円の営業黒字の確保という再建計画の数字を前にそのハードルが高く聳え立つ。

この再建に投じられる公的資金は総額で一兆円近く、慢性的赤字が続き国債乱発の借金に依存しなければ立ちゆかない日本の財政と同じである。年金にしても最後まで渋るOB組を見るにつけ、今後の日本の社会保障構造と重なる部分など他に幾つも見受けられる。

昨日は「酷似する構造」として社会保障絡めてギリシャと日本の財政構造を書いたが、破綻した一企業ベースの比較で見ても一部紙の指摘にもあったように、斯様に同社と日本の財政事情がここでも重なってしまう部分があり、構造問題解決が焦眉の急を告げるなか、日本航空は稲盛会長、かたや日本は鳩山首相とそれぞれ今後の手腕が注目されている。


5/20をもって商品先物取引受託業務を廃止へ

オムニコは、会社経営に見合う営業収益が確保出きない状態が続いていた事から事業の継続を断念し、商品先物取引受託業務の廃止を決定。建玉移管先はエース交易(4/16の立会終了後)。

▼オムニコ:商品取引受託業務廃止のお知らせ(PDF)
▼エース交易:顧客移管(トランスファー)の受入に関して(PDF)


酷似する構造

本日の日経紙経済面では「マネー再びリスク回避」としてユーロ・新興国通貨から円・ドルへとの記事が出ていた。この辺はドイツのメルケル首相もユーロが導入以来の厳しい状況に直面していると直近のインタビューで語っている通りだが、このリスク回避に根ざした円高基調がこのまま続くかには不透明な面も残るとしている。

この辺を同紙では衆院選で民主党が大勝した昨年8月末時点と比較して、先週も当欄で取り上げたCDSプレミアム(5年物)が2倍に拡大している旨が書いてあった。政党といえばこのマネーのリスク回避のトリガーになったギリシャも昨年社会主義運動が勝利し社会保障の充実等を謳っていたものの、いざ政権をとるとその劣悪な財政事情に直面しこれらマニフェストが全く守れない状況になっているのが現状。

さて我が国の民主党、この経済面の隣の政治面の頁にはタイミングよくというか財源不足が指摘されるマニフェストを巡り、見直しが必要と思われる政策の調査結果が載っていたが、政党といい構造といいこれまたなんとも酷似しているではないか?

同紙に市場では「ギリシャの次は日本」との声もあるとしているが、斯様に考えてみるとこうしたギリシャの債務問題も対岸の火事的には片付けられまい。こうした声があながち単なる煽りに聞こえない恐さがこの一文には潜んでいる気もする。


破壊と創造-フランス大使館

さてもう月末だが、今月は某大使館に所用があってちょっと麻布界隈に出掛けた際、帰り掛けにフランス大使館(旧)にて開催されていた「NO MAN’S LAND」が延長開催されている事を思い出し、ちょうど近所ということもあって様子を見に行ってみた。

この「NO MAN’S LAND」、一部にご存知の向きも居ると思うが、昨年にフランス大使館が新庁舎へ移転した後の旧大使館をそのままフルに使い切ったコンテンポラリーアート展である。用が無ければ来る事はない大使館なので此処へ来たのは久し振りだが、早速エントランスが何やらTDLの某アトラクション風?に変身しており妙な期待が高まる。このイベントが延長開催されているのを知らない向きも多いのか人もマバラ、フレンドリーな女性に声を掛けられながら中へ。

ここを抜けて目に飛び込んで来るのはパーキングに停めてあるフランスならではのプジョーだが、路面から続くピンクのペインティングがベタベタと車体にも。それを横目に(メタル製の)折り紙風飛行機が突き刺さった路面を歩き建物へ。これに参加したアーティストは約70組だそうだが、真面目に執務が執り行われていたと思われる部屋が大量の紙屑にバスケットゴールや、はたまた金ピカなデコレートやら雑木林に変身していたり、粘土で被い尽くされたキッチンや階段の壁には何かのメッセージなのか?鼻血?なる文字のネオンが怪しく灯っていたりで、想像以上になかなか面白かった。

そんな斬新でユニークな創作もさることながら、国を代表する大使館だけにそもそもこの敷地自体が聖域であり、加えて普段ではまず見る事自体が不可能な歴史的建造物の金庫や、その他厳重な施錠機能が施されたシークレットルームなどワケ有の部屋まで殆ど全てを見ることが出来る機会というのは一般にはそうそう無いだろう。

そんなワケで、そうせ全て破壊するのだから其の前にこんな創造をという文化的且つ奔放な発想と行動に感心であった。
と、ここまで書いて年明け早々に当欄で「欧州流のIR」というタイトルでカレンダーの話を取り上げてコメントしたのを思い出した。さて果たして日本の役所などこんなイベントが出来るであろうか?

少しはお手本にするくらいの器量が欲しいものである。


CDSに見る日本のレピュテーション

本日の株式市場では今日24日の米公聴会に社長が出席するトヨタが続落となっていたのが目立った。なんでもこの公聴会、宣誓証言で偽りの答弁が発覚した場合、偽証罪に問われることもあるというから穏やかでない。誠心誠意お話したいと日本を発った社長だが、謝罪の文化が違うだけに日本流では通用しなさそうな雰囲気もある。

このトヨタ、CDS市場では今月に入ってからプレミアムが100ポイントを超え、こうした問題を受けてかなど代表的指数の値が昨年のあのドバイ・ショック以来の高水準に達している。ちなみに本日も同社のそれはワイド化し、再度の100ポイント超えを示現である。

しかし上記の通り、キャッシュリッチと長年言われてきたトヨタが100ポイント超えのプレミアムでは実に日本のソブリンをも上回るという異常事態?この日本ソブリンとて件のPIIGS財政悪化に対する危機感が強まった影響でワイド化してきたものだが、日本の象徴ともいわれている代表企業が、いまやリコールの嵐では共倒れという感もある。

週末だったか日経の大機小機で、このグローバル企業であるトヨタのリコール問題や日本航空の破綻やらで日本のレピュテーションが急速に傷付きつつある旨が書いてあった記憶があるが、CDS市場からもこうした負の連鎖が起きており日経平均との絡みにおいても日本、そしてその代表企業の行方が注目される。


SOと平成の脱税王

さて、平成22年3月期決算から一億円以上の報酬を受け取った上場企業役員の個人名と金額の公表を義務付ける金融庁の方針に経済界が反発を強めているらしいが、この報酬額の中にはSO(ストックオプション)なども当然含まれてくる。

ところでこのSOだが、最近特に目立つのはこれで得た所得の申告漏れやら隠蔽やらといった事が明るみになる事例である。ここ一週間でもクレディ・スイスの社員や元部長から始まって、医薬品のジョンソン・エンド・ジョンソンの元代表、また昨日の日経紙にはシティバンクの元幹部がこれで脱税と在日外資系がゾロゾロ出て来る。

問題になった外資系でなくとも日本企業でもSOといえば全株主にSOを付与した企業があったり、業界でもFX会社がこれを付与している企業が幾つか、そういえば商品取引員でも取締役にこれを付与したところが数年前にあったなとも思い出すものだ。

SO行使の税金に関しては証券外務員試験でもよく出題される事例だが、この連中あちこちのPBに飛ばし巧みに遣り繰りした努力も買うが、それを掴んだ国税もなかなか手強いなと。折しも今は確定申告の真っ最中、しかしまあこの確定申告を呼び掛ける一国の首相は贈与税不払い問題で国会追求され、また某幹事長も然り、まったくこれでは税金を真面目に収めるのもバカバカしくなってくるというものだ。


メダルと株価(冬季編)

さて、バンクーバーオリンピックもほぼ中盤、宴酣で連日その活躍ぶりが報道されているが、先週の日経紙マーケット面の「まちがど」ではメダリストとなった選手が所属する企業の株価が商いを伴って上昇した旨が載っていた。

また、メダルの獲得数が増えるほど五輪期間中の日経平均株価の上昇率が高まる経験則もあるとの解説が載っていたが、この辺はたしか先の北京オリンピックの際に当欄でも外資系証券が出したメダル獲得数と相関性が高い旨のリポートに触れた事を思い出す。

今回は前出の外資系証券ではなく、行動ファイナンス理論でいろいろ事例を挙げる大和CMあたりのを見てみると、東証再開以来の計測でメダル0個の時の開催期間騰落率は平均で−1.01%、1個では0.77%、そして2〜3個では4.42%となるほど上昇率が高まる結果となっている。と、ここまではよいがそれ以上のメダル獲得では逆にマイナスとなっており、これについてはバブル崩壊後の金融システム不安等の材料が大き過ぎたとの解説であった。

同リポートでは日本人選手の活躍が国民に勇気や自信を与え、人々の心理にポジティブに作用するとの事だが、まあ物は云い様というかサンプルの取り方如何か。今回はいろいろケチが付く場面も見掛けるが、団長としては過去最多であった長野を越える目標と抱負を語っている。前回は金一個が光っていたが、さて今回は如何なる結果になりますか。


融合への一歩

今週は特に業界モノで気になったイベント?といえば、週明けに(国内金先物価格連動型上場投信)と(日経・東工取白金指数上場投信)がはれて大証に新規上場した件だろうか。これらのETF、国内の商品市場に直接連動するモノとしては初めてとなり金ETFはみずほ投信投資顧問、白金指数ETFの方は野村アセットマネジメントの設定というもの。

注目の初日売買代金はその出来高から算出して金ETFが約460万円、白金指数ETFは約1,000万円と静かな滑り出しとなったが、これで一般向けには視覚的に馴染み易い取引値のものが大証内でも現物と先物二本が並ぶ事となり、東証まで見ると金関連では全部で4本、白金関連も複数並ぶ事となり、選択肢が広がった分、人気の優劣も出てこようか。

ところでこの(NEXT FUNDS)の類では、コモディティーと同じカテゴリーに並ぶ野村アセットマネジメントが設定したBRICSなど新興国の通貨連動型もあったが、これらはちょうど今週でヒッソリと上場廃止になっている。要の機関投資家が旨みの乏しさから見切りをつけリンク債手当てに支障が出てきたのが理由と見られるが、怪しげな新興企業?の如く上場して実質一年強で償還となるスピード上場廃止である。

まあ、ロクなリクイディティーも無い上場商品を何時までもダラダラと上場させておく何処かよりも遥かにマシだが、そうした事例も踏まえてこうした初物もそんな事態にならぬよう願うばかり。

それどころかこの手の初物は他の先物商品まで道が開けるかの試金石。兎にも角にも今後はどれだけ資金を呼び込み、またリクイディティを確保できるかに架かっているといえようか。


相次ぐ破談

昨日は三井住友銀行に触れたが、この三井といえば昨年の9月には「互いの温度差」として、三井住友FGと大和証が合弁解消へ向かった件を書いたものだが、こうした金融系の破談報道では直近で新生銀行とあおぞら銀行もなにやら縁談に暗雲漂う旨の報道がなされている。もう一つ直近で縁談がマルになって紙面を賑わせていたのが金融系ではないが、キリンとサントリーの経営統合を断念するとした?婚約解消?報道である。

上記の三井住友FGと大和証の時も、三井住友FGが日興の事業を買収した段階で早々に彼らは別れると囁かれていたものだが、この件も統合比率やら透明性やらの前段階であまりにも相違があるその企業風土ゆえ、年末あたりから関係者の間では既に破談状態である旨が囁かれていたが果たしてかなという感じか。

今回のケースではよくある弱者同士とか呑込み型というパターンではなく、共に勝ち組同士の縁談であり、メジャーを睨んでという観点からもケースとして期待されていただけにまたも外資勢との競争力格差拡大が懸念され残念でもある。

さてこれで国内の勝ち組同士の縁談話がもうなくなってしまうのか否かだが、マーケットのパイを鑑みた場合縮小懸念が燻るなかで選択肢として再編は不可欠、何れまた興味のある婚約話が舞い込むかもしれずこの辺に期待したいところ。


はたして連携効果は?

さて、昨日の日経紙で目に留まったのは三井住友銀行が富裕層向け金融サービスに参入する旨の記事か。この件は既に年明け早々に欧米型の本格的富裕層向けサービス参入意向と発表していたのだが、その頃はサプライズな二度目の巨額増資の方が話題であまり取り上げられなかった経緯がある。

一昨年にバークレイズに出資、そして昨年には大和と別れる原因となった日興コーディアルの完全小会社化が為されており、これらの連携で高収益が期待出来る富裕層を囲い込むのが狙いとしているが、一般的なイメージからしても国内系メガバンクのプライベートバンキングというのはその歴史自体が浅いからかどうもピンと来ない。

ところで全体像を測る意味でWorld Luxury Index(EUR)などを見てみると、なるほど昨年の春先に底を打ってからは見事なV字型の急回復を遂げている。実際、日経MJなどではリーマンショックから一年余りが経ち、富裕層の高額商品の購入意欲が回復傾向にある事が詳細に載せられていた記事を目にした。

斯様にエントリーには好都合な時期ながら、その商品の中身が重要なのはいうまでもないが、もう一つ上記の通りイメージというものも大きな課題だろう。これは以前にも書いたように日系老舗ホテルと侵食著しい外資系ホテルのそれにも似た部分が幾つかある。

つまり、コンサバ系の顧客はその特性から日系にとってはありがたい存在とはなろうが、昨年シャングリ・ラホテル東京がオープンした時に当欄で書いたようなイメージを覆すハード以外の部分をこうした客層に見せる事が出来るか否かにかかっているといえるか。