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フォーエバーではなかった?

本日の日経紙社説には「流通業は閉鎖の次の一手を」と題し、冒頭はアパレルなど流通業に店舗閉鎖の嵐が吹き荒れているとの書き出しであったが、店舗閉鎖といえば先月末で米フォーエバー21が日本の全店舗の営業を終了し完全撤退した。完全閉店セールと題しファストファッションとはいえ全品50円の張り紙と併せ空虚な在庫処分そのものの様相を呈していたが、さほど話題にもならずにひっそりと消えゆくさまは開店当時に想像も出来なかった。

思い出せば今から10年前に当欄では黒船来襲の如く同社がH&Mと共にファストファッション市場を席巻、激戦区の原宿に1000人を超える列を作って出店を果たし当時の松坂屋銀座店でもグッチが撤退した後にココが入る運びの旨も書いたが、まさに盛者必衰とは斯様な光景のことか。

ココはイオンモール等のSCにも入っていたが米国では消費を牽引してきたSCがそれらを支えてきたテナント小売店がネット通販に押され集客力低下を背景に苦境が鮮明になっており、国内もゾゾタウンなど新興ネット勢の破壊力は凄まじかったがSCのみならず百貨店との蜜月関係も破綻しつつある。

ファストファッションの中で成長率を維持しているのが唯一ユニクロくらいであるが、他の競合も近年はエシカル消費の流れでファストからH&Mが先行したエコやZARAが取り組むサステナブルへと傾斜しつつある動きも見られる。生き残った新興勢もまた新たなフェーズに入って来たというところか。


改正と投資誘致

昨日の日経紙社説には「ガバナンスの実効性上げる会社法改正に」と題し、情報開示の負担等の課題は残るものの政府が株主総会を形式ではなくより対話の場にする見直しや、株主一人が株主総会で提起できる議案数を10に制限するなどの会社法改正案を閣議決定した旨が書かれていた。

ココには過去に野村ホールディングスに対し社名を野菜ホールディングスに変える等の提案が大量に出された旨が出ていたが、これ以外にも取締役の社内呼称はクリスタル役?とするとか、オフィスの便器は全て和式とする等々100項目にわたる一般的理解を超える株主提案が為されていた記憶がある。

今回の改正案でもまだ米などと比較するに緩いとする意見がある一方、日弁連などは提案権の不当制約等でまた意見を異にするようだが、概ねガバナンスの潮流に合せるような改正案となった事で改めて自社のそれを再考する機会となり、投資家にもこの強化をアピールし海外からの投資を呼び込める狙いが叶うかどうか今後も注目したい。


三強の野望

さて、先週は旧興銀系の不動産会社ユニゾを巡るTOB合戦を取り上げたが、TOBといえば規模が桁違いに大きいものとして直近でそれを計画している可能性があると話題になっているのが仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンによる米宝飾品大手ティファニーへの買収提案だろうか。

買収提案額は提案前の値に22%のプレミアムを乗せた1株120ドルといわれ、この報を受け当のティファニー株は前週末比30%以上も急騰しこの提案額を早速上回って引けたが、同社の経営陣にはLVMH擁するブルガリゆかりの人脈が居る関係もあって一連の買収案仲介の背景にはブルガリの影が見え隠れするとの噂も出ている。

LVMHは此処を手中に収める事により他のスイスリシュモンやケリング等との競争に備えると見られているが、冒頭の急騰劇では一日で実に時価総額が約4000億円も膨らむような規模案件だけに実現が叶えば欧州企業による今年最大の買収案件となる。折しも3強の一つケリングもまたスイス高級時計ブランドの買収観測が浮上しているだけに、今後の再編と併せその勢力図変遷にも注目しておきたい。


2019ハロウィーン

今年も恒例のハロウィーン本番となったが、先週末の日本橋界隈では仮装した子ども達が周辺の老舗を巡る微笑ましい光景が見られた。一方で渋谷では年々大騒ぎの度合いが増し昨年TV等でも取り上げられた通り警察出動機会も増えてきた事例も鑑み、周辺の小売店が区の要請を受け先週末に続き夜間の酒類販売を自粛する方針を決めている。

絶好の商機も斯様な機会損失に転換してしまい、そんなワケで今年は集う人々の手にするドリンクがアルコールから映える?タピオカに変っていたようだが、これまでのマスコミやメディアの煽りがハロウィーンにおけるこうした動員に拍車をかけていた部分も否めないだろうか。

そんなワケで今年は幾分自粛ムードもあって地味目な印象も受けるが、その市場規模もバレンタインの上鞘に転じた2016年の1345億円をピークにして2017年が1305億円、2018年は当欄で1200億円台にまで減少すると推測と書き、果たしての1240億円であったがさて今年は如何ほどになるのだろうか?

ところでハロウィーンといえば5年前の日銀によるハロウィーンのサプライズ緩和で市場が狂喜乱舞しDOW、S&P500共に史上最高値を更新したのが記憶に新しいが、今年はそれを前にしてS&P500は約3か月ぶりに史上最高値を更新している。株式市場で云われるハロウィーン効果でここから更に一段高へと今年もアノマリー通りの展開となるか否か注目したい。


戦線拡大事情

さて昨日の日経紙企業面では「ユニゾTOB混迷増す」と題し、旧興銀系の不動産会社ユニゾホールディングスを巡るTOBにおいて当初のHISやフォートレス・インベストメント以外にも複数の投資ファンドが短期間のうちに次々と同社をターゲットにする異例の展開を見せている旨が書かれていた。

同社に関しては8月にもTOBを仕掛けていたHISに株主からの応募が無く不成立となった旨に当欄でも触れていたが、当時ホワイトナイト的存在であった米投資ファンドのフォートレス・インベストメントも買い付け期限を4度も延長する過程で両者間での条件面での対立が浮上するややこしい展開となっている。

ブラックストーンなど後発組の買収提案賛否についての回答期限が迫っているが、金融経済面にも出ていた米エリオットなども積極的に質問を経営陣に突きつけるなど何れもイグジットを睨み活発化してきている。その背景には運用成績停滞という焦りも一部あるとみられるがこれらが複雑に絡み合い今後も戦線拡大は想像に難くないか。


増税後初の密輸

さて、10/24付ゴールドニュースでは福岡空港を経由して韓国・仁川から金塊計9.5キロをカートのフレームの中に隠すなどで密輸しようとしたとして、福岡県警や門司税関は関税法違反の疑いで韓国人を逮捕した旨が載っていたが、利鞘狙いのこの手のケースでは消費税10%になった増税後では初の事例となった。

金密輸に関して前回触れたのは昨年5月の約32億円を荒稼ぎした金密輸団の事件であったが、これもたしか韓国人グループであった。約32億円の稼ぎといえばその売却額は実に約400億円にものぼる計算だが、近年はLCCのアジア便が増加し運搬コストも下がり摘発されても消費税罰金相当の納付で済む緩さが日本を主戦場にしている。

全国の税関ではこの増税を前に金密輸への警戒を強めていたのは想像に難くないが、昨年の罰則強化で引き上げられた罰金も上記の韓国では10倍で金塊没収という現状を考えればまだまだ旨みのある市場という位置付けは不変で財務省など関係各所の対策は急務だろうか。


全てが高い

先週末の日経紙夕刊マーケット面には「全部高相場 勝者は株式か」と題し、米市場で原油先物と金先物価格、通常では逆の動きをする株価指数や債券指数がFRBの利上げから利下げ方針への転換を背景としていずれもが揃って大きく上昇する全部高相場が起きている旨が書かれていた。

教科書的に株式などのリスク資産と逆相関とされる金の同時上昇現象に絡んでは当欄でも先月上旬に一度取り上げているが、この時は基軸通貨ドルとも逆相関を覆す同時並走現象も珍事として取り上げていた。

今回はこれに加え好不況時において逆相関の関係になる株式と債券の同時上昇もケースとして挙げられていたが、緊張が続く米中両国関係やFRBの金融政策方針の転換等を背景に中央銀行の動き等も睨んで、近年では斯様に教科書的相関関係が崩れつつあるだけにパラダイムシフトがより一層進行しようか。


サンマ>鯛

さて、台風19号の影響で先週など心なしか品揃えが少ないようにも感じたスーパー等の鮮魚売り場でも辛うじて痩せ気味の生サンマが売られていたが、台風如何に関らず先週末の日経紙春秋でサンマが不漁で天災級の事態といった旨が書かれていた通りとりわけ今年のサンマは品薄だという。

この辺は先に水産庁が今年のサンマの漁獲量が海水温の上昇や海流の変化など海洋環境の変化等を背景に、前年同期の13%にとどまる7060トンと過去最低を記録したと纏めている。そんなワケで豊洲ではキロ当たり実に1400円前後となり1000円前後のマダイを上回る高値で売られるという珍現象が起きている。

当欄でサンマが異常な高値になったを書いたのは猛暑の異常気象が影響し水揚げが極端に減少した9年前が最初であったが、その後もアジア周辺諸国の漁獲量急増が言われだし高騰した4年前もこれを取り上げている。漁業情報サービスセンターでは中旬以降日本近海でサンマが近づくと予想していたが、はてどうなっている事やら慣れ親しんできた大衆魚がまたも遠のくか。


ゼロコストの波

一昨日の日経夕刊一面には世界経済の先行き不透明感が高まるなかで、株式の短期的下落に備えたい投資家の需要を背景にデリバティブを活用した投資信託が増えている旨が載っていたが、投信といえば投資家が運用手数料を払わずに済むゼロコストの投資商品が世界で広がっている旨もその前の同紙に載っていた。

この辺に絡んでは当欄では先に主な運用会社10社の2019年3月期において実に7社が最終減益となった旨を書いていたが、その背景には上記のような世界で広がるゼロコストによる運用会社の低コストの逆風の影響が大きい。この時はパッシブ型運用の手数料が大幅に低い旨を書いたがこれも近い将来年0.12%まで低下するという。

こうした傾向はアクティブ型も然りでETF等のライバルの台頭が脅威となってくる。或る意味証券において対面分野はガラパゴス状態であった本邦も委託手数料完全自由化から20年、投資家の恩恵の裏で斯様な投資コスト急低下の波が今後業界の合従連衡を活発化させるトリガーとなり得る可能性が無いとも限らない。


試金石のW杯

周知の通り昨日はラグビーのワールドカップ日本大会の準々決勝だったが、ここまで全勝で1次リーグを首位通過してきた日本は南アに惜しくも敗れた。初対戦で勝利した前回大会のようにはならなかったが、8強入りは史上初めての快挙でなによりその不屈の精神に勇気をもらった向きは多かったのではないか。

ここまで勝ち進むにつれてニワカファンも増殖しそのラグビー熱も稀に見る盛り上がりを見せた事でその経済波及効果も気になるところで昨日の日経紙でも関連消費が快調な旨が載っていたが、他に比べて開催期間が長く会場も広範囲にわたる特性から組織委員会の事前分析では約4372億円と試算されている。

何れにしてもそういった事で最終的な数字にも関心が向くところだが上記のような特性をテコにこの機会を業界から自治体までどう活かしてゆくのか、組織委員会は大会後の継続的経済効果を創出する機会にも言及しているが今回のラグビーワールドカップ日本大会は来年の東京オリンピックを睨んでの一つの試金石とも成り得るのではないか。


フードロス官民対応

本日の日経紙商品面には台風19号による浸水の影響で各地の青果市場では災害や混乱が生じ廃棄処分が相次いでいる旨が載っていたが、今朝のTVでも埼玉の青果市場の様子を放映し廃棄しなければならない物の中にはまだ新鮮そうなモノもあるとナレーションが入っていたが、斯様な映像を見るにこんなものもフードロス問題の一角に括られるだろうか。

食品廃棄法で先駆している仏では食べられる食品廃棄を禁じているが、廃棄されてしまう食材に絡んでは神奈川県の一部JA直売所で売れ残った野菜を有効利用出来ないものかと考え子ども食堂を含む13団体に寄付、こうした0円食堂など地区の予算が無いなかで廃棄食材を有効利用出来ている。

日本でも消費税増税と共に今月から食品ロス削減推進法が施行、上記の取り組みなどに見られるように地方自治体には具体的な推進計画を作る努力義務が課されているが、ネットでも賞味期限に絡む食品を安価で提供したり、余剰食材を使ったメニューを格安で提供するアプリなど消費者と結びつける動きが日進月歩で進んでおりこれらスタートアップ企業等には今後も注目して行きたい。


ポスト探り

さて、最近では某回転寿司チェーンも台湾企業とコラボしてインスタ映え?するタピオカドリンクをメニューに載せてきているが、先週末の日経紙夕刊には「ポストタピオカを探せ」と題してこの手のドリンク人気も形を変え、ポストタピオカをうかがうレモネードやバナナジュース専門店が新勢力として台頭してきた旨が載っていた。

タピオカに関しては当欄でも8月にその輸入量が前年同期比で4.3倍、輸入額は約5.7倍といずれも過去最高となった旨を書いたが、そんな人気から神戸物産などPBブランドとして投入したのが奏功し先月に発表された連結決算は純利益が前年同期比17%増の92億円とこの期間として過去最高となり、今年の株価上昇率も57%とこちらも大きく伸びている。

冒頭の通りポスト台頭の動きもあるものの今なおベトナムや台湾から続々と新しい店が上陸しこれまでと差別化を図るなどその人気は健在だが、最初のタピオカブームは既にバブル期に訪れていたようにこの手はある一定のサイクルで繰り返されてきている。誰がババを掴むのか急騰する仕手株に乗るが如く今なお新規出店喧しいその後にも注目しておきたい。