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上場タイミング

本日は大阪証券取引所が、中国・上海証券取引所の主要50銘柄の株価指数「上証50指数」連動のETF(上場投資信託)を上場させる運びとなったが、寄りから好人気で10時過ぎに70,500円で初値をつけた後も急伸となっていた。

上海株はご存知経済成長とその投機性で沸き年初から約倍化する等急騰しているが、中国の国内制度により人民元で売買されているA株に関しては個人が直接売買する事は困難で、このため怪しい仲介やらビジネスが一部横行していた時期もあった。

中国人民銀行の預金準備率引き上げやらスワップ報道をこなしてなお高値圏を維持している商品並みの動きの上海株だが、金融引き締め強化その他警戒論も多い一方でバロンズあたりは上昇継続との見方を報道と思惑の分かれるところ。

さてこの大証といえば8月に金ETFを上場させているが、今後何処まで独自性を発揮出来るかまだまだ注目。


20年目のG7

ご存知の通り、先週末であの史上最悪の株価大暴落を記録した87年の所謂ブラックマンデーから丁度20年が経過した。

奇しくも金曜日の日経平均は大幅反落しその晩のNYは366.94ドル安と今年三番目の下げを記録、週明けの日経平均もスパイラルな続急落で375.90円安と偶然論も出る中でも実に気味の悪い20周年となった。

サブプライムに関しては春先から触れ9月上旬にも「金融市場が安定してくるのはまだ先」としたが或る意味、世界恐慌を彷彿させながら其処までには至らなかったブラックマンデーとは違い今回はどの程度景気を悪化させるのか未だ不透明な部分があり、住宅問題は米に限らずいよいよ国内においてもその片鱗が見えて来ている事で予断を許さない状況といえよう。


管轄の思惑

今週はまたぞろ投機マネーのシフトもあって国際商品の上昇が際立ち、原油の史上最高値更新を始めとして金も28年ぶりの高値を付けた週であった。

斯様に活況を呈する商品であるが先週開催された産業構造審議会商品取引所分科会では、01年から5年で世界の先物取引がボリュームを3倍に増加させている半面、国内では直近3年間で約半減となっている点等の指摘が挙がり、リクイディティの確保や増大が不可欠との考えから利便性を向上させヘッジや投資家ニーズを踏まえた豊富で魅力ある多様な商品の上場が必要としている。

そんな中、本日の金融審議会第一部会では商品先物指数に連動したETFの多様化を検討、傘下配置案に難色が出る中での総合取引所化への布石ともいえるが巷で期待されている相乗効果となるや否や先ずは今後の進捗具合に注目したい。


次期ターゲット

さて度々世間で話題に上っていたFX取引の申告漏れ関係だが、各紙報道の通り今年6月までに個人投資家が指摘されたものは総額224億円に上ったらしい。

この辺については5月に「其れなりにターゲットを絞り込んだ背景があったようだ」と書いた事があったが急成長分野だけに真っ先に目が行くのは自然な成り行き、不穏な動きを察知し逸早く手を売った向き以外は泣く泣くの追徴税捻出の憂き目に遭う。

また一方で株式や投資信託等による所得申告漏れも昨年より増加していた模様だがFXに関してはやはり当局のハッキリとしない対応の中で税制面の整備が望まれるところ、現行のままなら取引所取引においても商品設計等再考の余地もあるのではないか。


セーフティーネット

大手紙でも既報の通りガリバー野村Hがサブプライムローン問題で1,456億円の損失計上と発表、本日の日経平均はこの問題再燃もあって金融セクター中心に幅広く売りが出て急反落となっていた。

この中シティーグループ、バンク・オブ・アメリカ、J.P.モルガンの米大手3行がサブプライム関連の支援基金を設立する事で基本合意と発表、これには財務省も仲介役として後押ししこの手ではあのLTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)破綻以来で、その額もこれを上回る事からその信用収縮再発防止には並々ならぬ力の入れようを感じる。

SIVファンド救済という形になるのには一部批判も出ている模様だが、それでも基金には公的資金の投入は無し、何処かのように農林系資金の肩代わりとして公的資金をジャブジャブ流し込むような事をしない点にはやはり違いを感じる。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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