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追い風と副作用

周知の通り昨晩のWTIは暴騰し終値として初めて100ドル乗せの達成となったが、これに限らずプラチナも13営業日連続の最高値更新、パラジウムや金も最高値更新だし大豆も然りと他の商品も軒並み史上最高値と商品は破竹の勢いである。

そんなわけでCRB指数も前日比2.8%高の395.25とこちらも市場最高値を更新、AIGやGSCI等も軒並み反発しているが、消去法でなく各々の材料が内包されているだけに過剰流動性が失望した市場から大挙して流れ込んで来るには格好な環境という事になろうか。

それでも国内では直ぐにアクティブ系というわけにはいかないだろうが、昨今大手証券系でも株価低迷からコモディティ投信の販売を強化しており認識が大きく変化するかどうかの試金石になるだろうか。

一方で懸念されるべきは国内市場、昨晩の上げ幅を見てもWTIの4ドル超や白金の90ドル近く尋常ではないが、設計上で追い付けず度重なる規制の連続では更なる取組減少を誘発しスパイラル的にリクイディティが失われてゆくのは明白、この辺こそ関係者の見直しが必要だろう。


上手い!

海外市場は休場ながら日経平均は続伸、カタール系のマネーが欧米金融機関の株式取得の計画がある事や韓国系がメリルに出資する等の話が出ており、米モノライン問題も大詰めに来たとの期待感も一部に出ている模様だ。

それにしても先週末でもUBSが前年同期の黒字から一転四半期ベースで米シティを上回る最大規模の赤字幅を計上する等サプライズな発表がまだ出ているが、業績は兎も角このUBSといえば最近気になったのがホームのイルミネーション?広告。

中吊りやホームの広告はコピーもデザインもこれといって目を引く物がなく殆ど関心が無かったのだが、これは急いでいるにも拘わらず思わず立ち止まってしまった。

単純な構成ながら欧州で見る広告も同グループのそれは他とは一寸違うなと改めて思い出されたが、そういえば六本木で現代美術コレクションもやっている模様、勿論アートも重要な戦略として他と繋がっているのは当然ということになろうか。


購入リスク?

最近ワーナー・ブラザーズがHD陣営からの離脱表明したのに続き、今度はメインマーケットからウォルマート・ストアーズもブルーレイ・ディスク支持を表明しこれを受けてか東芝は撤退表明、遂にここ数年続いていたブルーレイ・ディスクとHD-DVDの規格争いが終結の見通しとなった模様だ。

この手のフォーマット戦争では「VHSとベータ」が昔あったが、技術的な詳細はよく解らないものの業界人に言わせれば容量の劣勢ともともとの陣営の獲得と取り込みからして孤立していたとか、しかし前回は仲良く?ベータで負けたが今回は両者明暗を分けたというところか。

さてこの撤退損失が幾らになるかは兎も角、不採算事業からの早期撤退は株主利益にも貢献するとの前向きな捉え方からか、週明けの東芝株価はボンヤリ寄った後はスルスルと値を伸ばし大幅続伸で引けたわけだが、株主の一方では既に購入した消費者の存在もあり敗戦処理は始まったばかりか。


プラチナバレンタイン

このところコモディティは史上初というモノ続出だが昨晩は白金が史上初の2,000ドル台乗せ、ジョンソンマッセイの予想レンジ上限を抜けたのも束の間早々の大台替り、最近は一日の上げ幅が常軌を逸していても普通に見る事が出来るようになりこれはこれで慣れの恐ろしさを感じるが、それでもTOCOMでは当限が7,000円の大台乗せだから素直に凄い。

この白金、田中貴金属が昨年に開始したキャンペーンでのプラチナ積み立ては開始から1ヵ月半で2万件の資料請求があったそうだが、生産始め取り巻く環境からして積み立て向きの商品としてどうかはさておいて、TOCOMでもこんな動きをされたらインターマンスで触手が伸びそうになるというもの。

折りしもTOCOMでは昨日この白金について臨時の貴金属市場管理委員会が開催されたものの、結局今回は諸規制措置の見送りを決定、数年前だったか年末の金を彷彿させる光景だがはたして今回は目先でどういったランディングとなるのだろうか?


慈善外?

各紙で報じられていたように、あのウォーレン・バフェット氏がモノライン数社に対して支援を申し入れたとの報を好感し、本日の日経平均は序盤こそ好スタートを切ったが後場は先物で潰され結局は小幅高に止まって引けた。

一連のサブプライム関連でもこのモノラインの格付けが問題視されていただけに、この維持さえ出来れば枝葉の部分も維持されるという構図で期待感が出てくるのも自然なところだが、当のモノラインでも巷で噂されているアムバック等は受け入れ拒否の構えとかでこの辺は推移を見守る必要があろう。

さて今回の金額は最大で8,000億ドルと実に大盤振る舞いだが、気になるのは今回の再保証提案対象になっているのが最上級の格付けを持つ地方債のみという点、再保証料は可也割高なコストになるという話も出ておりリスク資産は全く眼中に無い。

数兆円をポンと財団に寄付する慈善家の同氏、LTCM破綻の救済の時は不発に終ったがさて今回はどうなるだろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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