「碍務員」?
さて、今月は常用漢字の見直しを進める文化審議会の漢字小委員会などの報道もあって追加を望む漢字等について、日経紙の春秋欄等でもしばしば記事を見掛ける機会が多かった。特に希望が多い中でも長いこと議論されてきた、「障碍」などと使えるような「碍」等は確かに導入が急務だとも思われる。
ところで、漢字絡みでは先に住友生命保険が毎年の世相を表す「創作四字熟語」20周年を記念し、各年を最も象徴する優秀作品を発表しているが、ちなみに昨年のは千円高速で渋滞した現象に絡んで「遠奔千走」。過去の作品で面白いものには93年の低金利時の「利息三文」や94年の「株式凍死」等があったが、昨今からすれば当時はまだ今より夫々マシであったとなかなか笑えない。
こんな四字熟語ではないが、金融系では昔からある不名誉な創作モノに「害務員」等というのがある。証券業界なんぞは「シキリ」が朝から普通にあった時期でもありこれが多用されたものだが、それでもまだ新発のオイシイCBやら、IPOモノ等のアンコが補填用に割当られていた部分もあり或る程度はアメとムチで蓋をして来れたが、こと商品先物業界には一般的にこうした玉を扱う機会も無かった訳だから、かつてはムチばかりでそのまま「害務員」がイメージとして定着してしまった経緯もあろうか。
まあ、一部には自己のハナ替えでこうした玉も無かったわけではないが公に出来る玉でもなく、こんな末端でも考えてみればプライマリービジネス然りアンコ玉然りでインフラの部分こそ遜色のない時代になったとはいえ、こうした営業では箍をはめられていたというのは否めないか。
そうした意味では現場サイドからいえば「碍務員」だったか?ともあれ選択肢多様化に伴って多少は箍が緩むのか、はたまた融合の名の下にオイシイ部分を持っていかれてしまうだけなのかが注目されるところ。