契約者給付金
さて、本日は「第一生命保険」が今月中旬での株主数が約137万1千人に達したと発表していたが、今月のビッグイベントといえばやはり相互会社の看板を外したこの第一生命保険の上場だっただろうか。上場前のグレー・マーケットでも既に公募価格を上回っていた事もあってか、注目の初値は公募価格の14万円に対して16万円とまずまずの滑り出しであったが、それにしてもこの値で計算した時価総額は1兆6千億円となり、売買代金にしてもさすが凄いものが弾き出されている。
このマンモス規模だけにさかのぼっても張り合えるのは90年代のドコモか80年代のNTTくらいしか見当たらないが、株主数は軽くこれらを上回り勿論国内最多。ところでこのNTTといえばあの抽選結果に沸いた当時を思い出すと、証券界がかける期待も想像に難くはないだろう。まあ、証券界といっても目先オイシイのは幹事の役得でやはりガリバー野村、また割当といってもNTTのような欲しい向きの応募ではないため株式投資の道へ入るのは如何ほどか?
むろん証券界に限らず数百万人の株主には、前政権時代のあの2兆円規模の定額給付金に迫るカネが付与されるわけで、これらが財政を傷めない景気対策?とばかりにGDPの押し上げ効果まで試算されるなど各方面の期待も大きいものとなっている。
しかし景気対策効果にしてもこの情勢下、上記の如く投資に回すよりサクサク現金化し貯蓄に回ると冷めた意見も一方で在る。そもそも同社の株式化自体が先に「再編途上」の項で書いたように内需縮小で収益の成長が楽観視できない事からの戦略転換の意味合いも濃い。他の大手勢は静観の構えも、こうした機動的な資金調達から出て来る新たな戦略に対抗手段を打ってくるのかどうかこの業界も一つのケースとして注目される。