立ち乗り飛行機?
全般に疑心暗鬼の株式市場でもこのところコンスタントに高値を追っているのは一握りの銘柄しかないが、その一つが全日空で地味な動きながらジリジリと連日上昇し、本日もまた年初来高値を更新している。
この全日空、背景にある材料の一つには直近で正式発表された格安航空券事業に参入する件で、香港の著名投資家率いる投資会社の出資を仰ぎ関西国際空港拠点に国内・国際両線のサービスを来年にも開始するらしい。
LCCは近年日本にもシンガポールのジェットスター・アジア航空、中国の春秋航空、韓国のエアプサンなどが続々と就航の運びとなっているが、何れもその価格から人気を博している。斯様な機運から大手勢も漸く重い腰を上げたというところなのだろが、後発組の部類に入る上に文化も異なる障壁は未知数か。
政府の立場としては観光立国の方針を掲げこれらLCCの参入を促す考えであるが、ところでLCCといえば会社更生手続き中のJALも先に更生計画案にはLCCへの参入を仄めかしている。コレに関しては老舗百貨店がディスカウントストアを経営するようなものとの批判が早速一部に出ているが、それ以前に双璧の全日空参入から価格競争が始まった場合その前提そのものが崩れてしまう恐れもあるといえまだまだ前途多難である。