6年半ぶりの為替介入
菅首相と小沢幹事長の一騎打ちが注目された民主代表戦であったが、結局下馬評?通りに菅氏が小沢氏を破ったものの、その獲得票は菅氏721ポイントに対し小沢氏491ポイントと党員・サポーター効果でその差は200ポイント以上となった。
結局は首相続投が決まった事で今後としては内閣構造や党役員人事に注目が集まるが、気になるのはマーケット。昨日は前日米株式が10,500ドル回復と堅調地合な上に、直近ではバーゼル銀行監督委員会による新たな銀行自己資本規制比率「バーゼル3」の合意内容が緩かったとの安心感も出て上げに反応し易い地合であったものの、国内はこの続投判明で円高が進み株価は重い蓋をされた格好。
ところが一転翌日には突如として前場から政府・日銀は介入を実施し円は主軸通貨に対し急落、株価は急上昇となっている。続投決定直後からこれ見よがしに為替は82円台まで急騰するなどの嘲笑いに切れてとうとう受けて立った喧嘩という具合だが、単独介入だけに今後はそのテクが問われる。大したこと無いと思われていた奴が暴れると最初はサプライズだが、やはり戦い方が下手と分れば反撃は更にキツくなる。
現状、主軸通貨など欧米諸国は自国の通貨安で輸出を促し、日米金利差の構図もあってその円高構造は変りがない。為替敏感株などの日足を見てみると、どれもこれも打ち上げ花火のような軌跡を描いているが、この実に6年半ぶりの為替介入でそのラインを今回引いてしまった事で単発モノになってしまうのかどうか、真価が問われるのはこれからだろうか。