固定客の強さ
さて、ボックス相場が続く株式市場の中でも週始めに書いた金融ポストのような低迷するところがある一方で、主力以外でもジワジワと強さが目立つものもあるがフレンチの「ひらまつ」もその一つ。今週は再度10万円の大台を回復して来たが、先に日本フードサービス協会から4月外食産業月次動向が伝えられた中でこの手のレストラン系が比較的堅調だったことも背景にある模様。
一方で居酒屋関係は一段と厳しかった模様だが、しかしこんなモノを同じステージで比較は出来ないものの、エッセンスの部分はさながらイタリア高級ブランド等と同じだなとも思う。この辺は2年ほど前に、自動車業界が軒並み減産体制を強いられる中をフェラーリは増産体制に入り過去最高の販売台数を記録したことや、ブリオーニのスーツが不況といわれる中相変わらずの引き合いの強さを見せていたことも思い出す。
反面、当時はBMWやベンツなどのドイツ勢は軒並みダウンし、これらの主力層が不況に抗せない縮図も垣間見られた。上記からするとそれじゃあBMW等は居酒屋か?ということになるが、ようは或る程度手が届く領域のある部分はそれだけ分布も多いので不況の影響はやはり避けられないというのはよく聞く話。
もう一つ、ブランドといえば直近で株価を上昇させていたものにティファニーがある。その背景には同社決算は当初震災の影響で売上高は15%減少すると見込んでいたものの、蓋を開けてみれば4月単月は6%増、四半期でも3%減にとどまりドル換算では7%増加のサプライズとなったことがある。上記も含めこれら好調組に共通して言えるのはやはり強固な固定客の存在だろう。
高いブランド力で価格競争に巻き込まれないという点もあろうが、ペーパー寄りでない富裕層は世間で騒がれている不況とは無縁の存在で彼らを擁しているところはやはり強いか。