金を買う理由

昨晩の米株式はギリシャ債務危機への対応を巡る楽観的な見方から大幅続伸となったが、斯様に今週はこのギリシャが市場を振り回している。さてこのギリシャ、先週の英ファイナンシャルタイムズ紙ではデフォルトと銀行取り付け騒ぎに備え、市民が銀行預金を全額引き出して金を買う動きが活発になっていると伝えている。なんでも地元の貴金属業者によればリクイディティーの都合か金貨が金地金の5倍売れている状態と時事にも書かれていた。

ところで金といえばもう一つ、先のインドの5月貿易統計が発表され、その中で5月の金・銀の輸入は89.6億ドルと先月に比べて500%増加、前年同期日では222%の増加と金や銀の輸入が急増している事も判明している。

また先の日経CNBCでは「中国が金を買う7つの理由」として放映があったが、概ね昨年12月に放映した「北京の金需要最前線レポート」の再確認という感じであったものの、この7つの理由の一つには中国人民銀行が金投資を奨励しているというのがあった。上記のインドでもインド準備銀行が新たに7つの商業銀行に金の輸入代理店となるライセンスを付与しており、この辺はいずれも国策が窺える。

欧州とアジア、各々の金買い事情は異なるが、一昨日にも書いたモナコでのヘッジファンド業界のGAIM会議に出席したガイア・キャピタルのマネジングディレクター、コースト・ストレンジャー社長は会議の際のインタビューで、銅などのベースメタルには警戒的だが、貴金属については強気だとの見解を示している。日替わりで材料には事欠かない昨今、まだまだ弱気を謳うのは時期尚早か。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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