交渉術?

さて、昨日入ってきたニュースのひとつにテルモが粉飾決算による株価急落で損失を被ったとして、オリンパスに対して損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした旨があった。ちなみに両者はもともと医療機器販売に関する包括業務提携の一環で、7年前にオリンパスが行った第三者割当増資をテルモが引き受けた経緯があり、現在たしか約2%を保有している。

この手の訴訟は今まで上場廃止で消えていった企業中心に個人でも毎度のことながら行われてきた経緯があるが株価暴落もキツいものの上場廃止にでもなればそれこそ株主は否応無しの一発退場、この辺に関しては先に東証は「特設注意市場銘柄」制度を新たに設けている。現にこのオリンパスはこれに属するが所謂「被害者」である株主救済に一歩近づいたといえようか。

話は戻るが、ところでこの両者といえば、周知の通り直近でソニーが資本・業務提携でテルモとの協議が詰めの段階に入っているところへテルモ側が新たに経営統合を打診という発表があったばかり。そこへこの訴訟話であるから下種の勘繰りかもしれないが、今回の件は殆どお膳立てされている和解案と引き換えに経営統合交渉における優位性を得る為のストラテジーの一環か?


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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