税調の欺

昨日の日経で見かけたものに、政府税制調査会が法人実効税率引き下げの代替財源の候補として、株式の配当などにかかる税率の引き上げを検討する旨があった。法人税関連の政策減税の見直しだけでは税収分を補えないためということだが、なんとも安直というかどんな面子の寄せ集めでこういった案が浮かぶのか甚だ残念である。

本日の日経平均が下がったのもこれが嫌気されてとの解説も出ているが、株式の配当にかかる税率などとは言うものの、そもそもこの株式配当金の税金自体が所謂二重課税構造になっているワケで、なんとか理不尽を呑んで我慢しているのをいいことにそれを棚に上げて更に引き上げましょうかというのだから呆れる。

世の流れはNISAやらなんやらでなんとか投資の流れを作ろうとしている風潮もあるが、このNISAとていまだに融通が利かない点数多でとても投資へ潮流の変化が起こるとは思えないものの、それでもこれを促進している最中にこんな真逆の検討が同じ政府系から浮上してくること自体に綻びを感じる。

明後日から本格議論ということだが、形ばかりのNISAで釣ってこんな増税策など近年の課税構造はどれもこんなパターンだなとつくづく。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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