巨大ファンド今昔

週末の日経紙には「1兆円ファンド 5強に」と題して、資産規模が1兆円を超す大型の投信が8月末で5本を数え6年ぶりに過去最多に並んだ旨が載っていた。世界的に金利低下が進むな中、リスクを取ってでも高い利回りを求める個人の意識が表れているという。

しかし1兆円ファンドと聞くに、嫌でもあのガリバー大手の日本株戦略ファンドの惨状が思い浮かぶ向きも多いだろう。かつてまさに日本を代表する巨大ファンドであったが、流出の凄さからその崩壊というか溶け具合までどれを取っても歴史に残るファンドであった。

まあこの辺は元が巨大であったが、ファンドでも純資産が数億円程度になってしまったモノは構造上運用も難しく半ば放棄状態の憂き目に遭っているモノも少なくない。斯様にこれまで投信といえば手数料稼ぎの具に使われ、大量設定の後はズルズルと解約一辺倒が多くそうした悪循環が通り相場であった。

ところで上記の1兆円ファンド上位は海外の低格付け債券やRIETなど比較的リスクが高い資産で運用するファンドが目立つという。REITといえば、本邦REITなど先に取り上げたGPIFがこの組み入れに動く可能性も一部指摘されている。年金等も追随する動きでも出て来れば斯様に同じ巨艦ファンドの類でも毛色が大きく変わってくる可能性がある。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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