元売り集約進行

先週末の日経紙一面を飾っていたのは「出光、昭和シェル買収へ交渉」として、国内2位の石油元売りである出光興産が、同5位の昭和シェル石油の買収に向けて交渉に入った件。買収総額は5,000億円規模になる見通しで、これでガソリン販売シェアは両社合計で30%と首位のJXに迫る勢いになるという。

株価の方は買収プレミアムを期待する動きが先行する格好で週明けの値上がり率ランキング上位に躍り出て、東燃ゼネラルやコスモ石油など他の石油株にも再編期待が波及の格好となり、業種別では石油株が上昇率トップに。

こんな光景は過去にも見られたが、前回は6年前の同じく12月に発表された国内最大手だった新日本石油と同6位の新日鉱HDの経営統合か。所謂今のJXで、統合当初にはこれで国内シェア3割強となったものの内需縮小などで経営環境は不透明とも言われていたが、今回はエコカー等の普及で当時より更に国内需要は減少中との背景もある。

そうした脆弱な収益構造や国際的競争を睨み将来のメジャーという観点で再編観測は冷めず前回大型再編の時に挙げた他社の動向も今後注目されるが、売上ベースで肉薄するも最終利益はやはり大手外資よりも可也劣るという構図はまだ不変のようだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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