ポスト初

祭日明けの日経平均は連休控えのなか、米景気の先行き不安や欧州株安を嫌気し前場は急反落となっていたが、後場は加えて日銀金融政策決定会合結果も現状維持となった事から更に一段安で500円を超える下げとなった。こんな時は万遍なく売りが広がるが、中でも比例配分のストップ安で目を引いたのは京王ズであった。

これは周知の通り一昨日に東京証券取引所が5月29日付けで上場廃止にすると発表した事に因るものだが、とうとう特設注意銘柄指定から初の上場廃止が出る事になった。当初内部管理体制等の点で長期にわたって著しい不備が認められた為の同ポスト入りだったが、直近でも元代表への不正な資金流出が発覚し執行猶予もこれ以上はというところだったか。

現在の特設注意銘柄には今月中旬に「上場ゴール終焉?」の題で先に挙げたマザーズのエナリス、また新興市場だけでなく東証一部からはあのリソー教育も入っているが、誰が見ても債務超過等で決定的パンクというより未だ生きている状態での上場廃止はほんとうに匙加減という印象は未だある。

かつて内部管理体制に問題ありとしてあのオリンパスもこの特設注意市場に入れられていたが廃止措置は免れ今や優良株、また日興コーディアルGも免れたが同じ犯歴?のライブドアは有無を言わさずの上場廃止であった。上記の京王ズは上場以来まともな決算が無かったとの噂だったが、確かに昨今のIPOゴールとされる現象を見るにこうした懸念は消えず、セカンダリー以前の精査徹底は投資家保護の観点から今後の課題ともいえる。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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