コーポレート・ガバナンス元年
さて、東証に上場する3月決算企業の41%が総会を開いた今年の株主総会のピークから約1週間が経過したが、ピークといっても同一日に95%以上もの企業が総会を開いていた一昔前と比べるに随分と分散が進んできたものだと今更ながら感じる。
ちょうど二年前の当欄では「株主総会変遷」と題して、末尾に「株主総会も時世其の時々のカラーが色濃く出て面白い。何れにせよ今週月曜日に書いた長期投資家誘致も株主との対話がキーになってくるだけに総会も益々重要性が増してこようか。」と書いた事があったが、この対話と言えば今年は企業と株主の双方に対話を促す指針が適用された初の総会となった。
3月に当欄で対話型に転換として取り上げたファナックは例年の約2倍の時間を割くなどかつてのIR消極姿勢から大転換、他企業も株主還元や成長戦略等具体的な発言が相次いだがやはり総じてROEが役員選任等も含めてあらゆるものの物差しになってきている傾向が顕著であった。今年のコーポレート・ガバナンス元年が、双方の距離を縮め好循環の起点となるのかどうか大いに期待したいところである。