ハロウィーンサプライズ?

今週は日経平均が19,000円の大台を超える場面があるまで回復してきたが、ECB総裁が資産買い入れプログラム規模拡大の必要性を12月の次回会合で検証するとした事や、その後中国人民銀行が予想外の利下げを発表するなど世界的金融緩和の機運があり、本邦も明日の日銀金融政策決定会合での追加金融緩和への期待が高まっている事も背景にある。

市場では個別も緩和トレードなる動きが彼方此方で見受けられ、ちょうど1週間前に日経新聞社と日本経済研究センターが都内で開いた景気討論会でも出席者からは世界経済の下振れリスクを考えると日銀は追加金融緩和に動くと予想する声が挙がった一方で、所得から支出への前向きな循環が続いているとの見方から追加金融緩和は見送られるとの意見も出ている。

これまでハロウィーンには円が75円台の戦後最高値を更新したり、昨年は突如としての追加金融緩和が株式市場に予想外の「お菓子」をプレゼントした格好になった。今年はこのお菓子を早くも先取りする格好が一部見られるが、さて思惑通りにお菓子はもらえるのかどうか、ここへきて見方が交錯しVIも高止まりするなか明日の会見が待たれる。


再上場行統合

本日の日経平均は反発となったものの、引き続き内外の重要日程控えで様子見気分が強い展開であった。そんな中で昨日の年初来高値更新から本日も続伸しているモノに足利HDがあったが、昨日は同行と常陽銀が2016年秋にも経営統合する方向で最終調整している事が明らかになり地銀再編機運が市場で再度盛り上がった。

ともあれこれで統合後の資産規模は約15兆円と、来年4月に設立する横浜銀行と東日本銀行が経営統合したコンコルディア・フィナンシャルグループ、九州を地盤とするふくおかファイナンシャルグループに続く全国3位の規模の地銀グループが誕生する事になる。

今からちょうど1年前には上記の横浜銀行と東日本銀行が同様な方法で経営統合する報道があり、当欄でも末尾で健全経営とされた両行の統合で攻めの時代に入った感もありと書いた事があったが地方創生はアベノミクスの重要テーマの一つ、同一県内での統合パターンを超え隣県含めたブロック内での再編も加速してきそうだ。


限日好調

昨日の日経平均は続伸し8月末以来の19,000円の大台を一時回復し約2ヶ月ぶりの高値をつけたが、2ヶ月ぶりの高値といえば金相場もまたこの日は東京商品取引所で2ヶ月ぶりの高値水準となっていた。ドル建て金がこのところ底堅い推移となっていたこともあるが、やはり円安効果が大きいか。

さて、金といえば5月に上場した金の限日取引「東京ゴールドスポット100」は、この日建玉が初めて7万枚を超え、プラチナを上回りオプションを除く上場17品目のなかで金に次ぐ規模になった模様だ。またこの「東京ゴールドスポット100」、先週22日には初めて50枚のEFP(先物と現物の交換)による取引も成立している。

斯様にこの東京ゴールドスポット100の好調に加えて今年は原油もETF絡みの賑わいも寄与し、東京商品取引所の4-9月期の連結最終損益は前年同期の2億7777万円の赤字から2000万円程度の黒字になった模様。緩やかに業績は改善傾向を見せつつあるが、このまま売買減少に歯止めがかかり固めに入るのかどうか引き続き注視しておきたい。


ブランドコラボ

先週末の日経夕刊・オフナビでは「著名デザイナー×量販店」と題して、セブン&アイがジャンポール・ゴルチエ氏とコラボして販売に乗り出した旨が書いてあった。PB展開となり自身ブランドに比べて価格はどれも約十分の一程度で百貨店での発売後2週間の売れ行きは想定の3.6倍と好調という。

この手のネームバリューがあるデザイナーとのコラボといえば同紙にも書いてあった通りH&Mが先駆けか。初回のカール・ラガーフェルド氏の頃は日本未進出で覚えている向きは少ないと思うが、その後日本のDCブーム期に市場を席巻したコムデギャルソンの川久保玲氏が初の日本人起用となり、更にその後はジミー・チュウやあのヴェルサーチまで参加している。

本邦勢もそれを追いかけるようにユニクロがデザイナーとコラボを組み始め、やはり衝撃的だったのは当欄でも2009年に取り上げた事があったジル・サンダー氏とのコラボを実現した時だっただろうか?この「+J」は本当にデザインは言わずもがな仕立てと併せCPは抜群の品だったのを思い出す。

冒頭のセブン&アイがコラボしているジャンポール・ゴルチエ氏は「エルメス」のプレタポルテも手掛けているが、エルメスといえば今年のユニクロはエルメスの元デザイナーとのコラボを展開している。これらの背景にはアパレル不振下で両者利害が一致したという部分もあるが、相反する両者を融合させる時代背景の変遷も新たな商機を創造している。


フェラーリがIPO

さて、今週気になったイベントといえばやはり昨日にニューヨーク証券取引所にIPOしたイタリアのあのフェラーリだっただろうか。同社らしくNYCEの前にはフェラーリ車を並ばせる派手な演出で幕を開けたが、やはり抜群の知名度を誇るだけにその初値は公開価格52ドルを上回り、引け値は55ドルとなった。

この終値ベースの時価総額は約1兆2,500億円となり、国内の同業比較ではマツダやいすゞに並ぶ規模といったところか。ただ指標面で見ると例えばPERではマツダやいすゞの10倍前後に対して3倍強にもなる30倍強になる高水準となりこの辺が知名度のプレミアムなのだろうか?

ところでIPOといえば中国の景気減速の影響もあって今年の7〜9月期の資金調達額は4〜6月期比で約7割減少、合計で206億ドルにとどまり2012年1月〜3月期以来3年半ぶりの低水準になった旨も先の同紙で報じられていた。上場申請を取り下げた企業や延期した企業数は世界全体で60社を超え、IPOしても初値や終値が公開価格を下回る等変調をきたしていた折久し振りに沸いたこのIPOが起爆剤になるのかどうか今後が注目される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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