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都市鉱山メダル

昨日に続いてメダル関連だが、昨日の日経紙一面・春秋には次の東京オリンピックメダルの材料である金や銀を都市鉱山に求める構想が動き出した旨が載っていた。この辺に関してはWBSでも「東京五輪成功へ、日本の技術活用始まる」と題し、茨城の物質・材料研究機構や北九州市の(株)アステック入江がリサイクル原料で作った試作品の五輪金メダルが放映されていた。

リオ五輪のメダルも30%ほどがリサイクルで作られていたというが、東京ではこれを金・銀・銅共に100%リサイクルにしたいという。前回のロンドン大会のメダルで使われた金は計9.6キロで、他に銀が1,210キロ、銅が700キロというが、1年間に日本で廃家電から集まる金だけでも143キロあるという。

これだけでも五輪金メダル使用量の10倍以上取れている事で理論上は可能というが、これまで完全なリサイクルメダルは他国が挑戦しても出来なかった経緯があり、東京五輪のテーマは「環境」に重きを置いているだけに最先端技術を駆使し日本が成功させる事に意義があるか。


メダルと株価(伯剌西爾編)

数々の感動を生んだリオデジャネイロ五輪も日本選手団が獲得したメダル数が41個と、前回2012年ロンドン五輪を上回り史上最多となって2020年東京大会へ弾みをつけた格好になった。そんな五輪の閉会式会場に登場したのはスーパーマリオに扮した首相の「安倍マリオ」、任天堂の株価はこれを受け一時3%近くの上昇を見せたとの一部報道もあった。

さてこんなオリンピックと株価に絡んでは先週末の日経紙に「五輪相場、一足先に閉幕」と題して、日本人選手の期待への高さから五輪開幕に先駆けて高値を付けていたメダル獲得選手が所属する企業やスポーツ用品・ウエア大手が材料出尽くし感もあって勢いを失って来た旨も出ていた。

株価を絡め云々というのは五輪シーズンにはお決まりの光景ともいえるが、行動ファイナンス理論でも東証再開以来の計測でメダル獲得数増に即して日経平均の上昇率が高まるものの一定数以上ではマイナスに転じるというモノもある。サンプルの取り方如何もあろうが、さて今回はどういった結果になるのかまた一つデータが蓄積されるか。


それぞれの想い

さてメダルを獲得した選手の帰国も始まったが、個人的に明け暮れた時期もあったという事でオリンピックは毎回特に体操が気になってしまう。今週は種目別決勝の跳馬で白井選手が伸身ユルチェンコ3回半ひねりという新技を初披露し銅メダルを獲得、初の五輪をいい形で締め括った。

この跳馬ではルーマニアのドラグレスク選手が本家本元の技を披露し白井選手と同点を獲得したが、ルーマニアといえばもう一つ、女子は団体出場を逃すなどコマネチ時代からは想像も出来ないような事態となっている中で、一度は引退し云われ無き誹謗中傷の波に晒されつつも国を背負って独り個人で出場したポヌル選手の精神をやはり称えたい。

また、今年も種目別では白井選手のみならず各選手共に果敢に新技を出してきたのが印象的であった。跳馬では白井選手を上回るDスコア7.00の表示が点ったウクライナのラジビロフ選手は前方3回宙返りに挑戦、鉄棒では離れ業で神の領域のゾンダーランド選手は今年は今一つであったが、代わりにブレットシュナイダー選手がH難度のコバチ2回ひねりを出してきた。

しかし冒頭の跳馬で金メダルを取ったのは世界選手権2連覇中の北朝鮮のリ・セグァン選手だったが、表彰式で国旗に敬礼し国家を謳うその姿が非常に印象的であった。また個人総合で内村選手と互角の闘志で演じたウクライナのベルニャエフ選手も劣悪な環境下においても祖国を捨てず国を背負って平行棒の金メダルを獲得。神業の裏に各々の深い想いを垣間見た今回のオリンピックであった。


黎明期市場

昨日の日経紙マーケット面には「仮想通貨活況FXから流入」と題して、ビットコインの国内取引高が2016年1〜6月期に4,300億円、7月は単月で2,000億円を突破し、それぞれ前年同期比で約50倍に増えるなど活況を呈している旨が載っていた。

周知の通り5月には仮想通貨取引所を登録制とする改正資金決済法が成立したという事もあって、個人のみならず法人までその範囲を広げてビジネスとしての伸びしろも先月の当欄では取り上げたが、三菱東京UFJが米コインベースとの提携を発表するなど一部メガバンクも低金利環境下ならではの活路を見出し始めている。

彼らがブロックチェーンへと枝葉も視野に入れるなか川下でも個人のトレードを取り巻く環境もまた乱立状態を呈しているが、過去の軌跡を見ても軌道に乗るか否かは信用の裏付けとリクイディティが要、黎明期をどう育てるかが今後の成功の是非にもかかわってこようか。


ガバナンスコード

昨日記の通り夏枯れ相場で今週は軟調な日経平均だが、そんな中においても連結業績見通し上方修正やらJPモルガンの目標株価引き上げやらで東芝が逆行高している。この東芝といえば株価はさておき、本日の日経紙「真相深層」では同社を巡る会計不祥事での検察と監視委員会の不協和音が取り上げられていた。

東芝や三菱自等の東証一部の名門ではなるほどそれに絡む各所も政治的背景が色濃くなってくるものだが、新興企業も常に何かしら紙面を飾っており今月は1日に株の損失回避目的で業績予想公表前に情報を親族らに伝えたとして、証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反で東証マザーズ上場「ALBERT」の前会長を東京地検に刑事告発している。

また4日には、ジャスダック上場で宅配サイト「出前館」を運営する「夢の街創造委員会」の株価を不正に吊り上げたとして金融商品取引法違反の罪に問われた同社創業者の初公判も東京地裁で行われていた。コーポレートガバナンスの重要性が云われてなお不祥事の芽が摘めぬ事例が多いが、コード云々以前にもっと本質的な部分の問題を見逃しているような気がしないでもない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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