サイダーの甘い匂い
さて、以前の当欄でも触れていたが今月上旬には東証マザーズ上場の「ALBERT」株の公表前の業績予想を保有する親族らに伝え、損失を回避させた等として金商法違反に問われた元会長の初公判が開かれ起訴内容を認めた旨が報道されていた。
インサイダー取引といえばもう一つ先月も「みんなのウエディング」株でクックパッドによるTOB情報からインサイダー取引をしたとして兵庫県の男性が証券取引等監視委員会から課徴金納付を命じられる件もまた明るみになっている。
更に先週報道されたものには、TOCOMの元市場取引監視委員会委員長を務め同所取締役も務めた元大学教授が、知人の上場企業幹部から得た未公表情報を基にインサイダー取引をして1千万程度の利益を得たとし証券取引等監視委員会が強制調査をしている件もある。
不正な取引を監視する市場取引監視委員会の元トップというのがなんとも皮肉な話だが、斯様にインサイダー情報の甘い匂いに誘われウッカリ手を出しバレてしまう輩は後を絶たないが、本邦の市場もソコソコの利益を得てしまうような取引においては一昔前から比べるに摘発率が格段に高くなったなと感心することしきりだ。