売り子
さて地政学リスクの高まりを背景に国際指標となるNY市場の金先物価格は3月上旬の直近安値に比べて1割高い水準となり、1トロイオンス1,290ドル台と昨年11月以来の1,300ドル台に迫り東京商品取引所の金先物価格も約1ヶ月ぶりに1グラム4,500円を上回る高値を付けるなど金の価格が国内外で一段と上昇している。
ところで金といえば、先週はまたも韓国から重さ3キロの金の延べ板を足の裏に粘着テープで貼り付けて密輸しようとした疑いで大阪市職員らを逮捕した旨の報があった。当欄で最後に金密輸について触れた今年1月の末尾で、今年もこの手の事件モノも折に触れ紙面を賑せる事になりそうであるとしたが先ずはという感じである。
昨年に福岡で6億円相当の金塊が盗まれた事件もこのうち約4億円分が事件後に換金されていた事が先月明らかにされているが、この件も個人情報を隠し換金するためにグループが法人間の取引を装い経営者側も事情を知りながら名義貸しをした疑いが出ている。また末端でも振り込め詐欺の「出し子」ならぬ、所有者に代わり金を売却する「売り子」などの存在等も出てきており当局はじめ危機感は一層増してきている。