燻る思惑
今月中旬に当欄では「アクティビスト台頭」と題しTOBが難航している日立国際電気やアサツーDKを取り上げていたが、先週末の日経紙マーケット面にはこの日立国際電気へのTOB成立を試みている米投資ファンドのKKRが従来のTOB価格から約25%再引き上げする発表をした旨が載っていた。
KKRが一段の譲歩を迫られると当欄でも書いていたが、果たして異例の再引き上げ措置となった。イグジットのハードルが引き上がっただけにKKRはファイナルアンサーとしているが、反落となった本日の終値でもその再引き上げしたTOB価格を上回っており一般含め市場を下回る価格で応募する奇特な向きは如何ほど居ようかと疑問符が付く。
もう一つのTOB期限を一度延長していたアサツーDKの方はといえば、土壇場で筆頭株主のWPPが態度を軟化させ売却合意に向かった事で買い付け期間を12月6日まで延長という事で一応の決着を見た格好となっている。こちらも期限迫るなか三つどもえの構図がどう決着するか見ものと書いていたが、其々の思惑を乗せてまだまだ注目されるケースが続こうか。