尻尾に振り回される胴体
本日の日経平均は、FOMC議事録要旨を受けた長期金利の上昇を嫌気した米株式続落を受け反落となった。このところの戻りで日経平均VIは週明け2週ぶりの低水準となったが、
半値戻しを達成したDOWのVIXは火曜日から再度20を超えてきておりまたぞろ警戒感が台頭する気迷いの景色となっている。
このVIXに絡んでは週明けの日経紙・オピニオンで「誰もがそれをやっていた」と題し、二月に入り世界の株式市場を動揺させた突風の正体も一寸前まで多くの投資家に適温の湯加減を楽しませた金融取引であり、ディズニー映画のファンタジアに似せてその騒動の様が書かれていた。
空前の低利回りが世界を覆い株式市場は波音一つ立てないと大多数の投資家が抱いていた背景から変動率の売りを組み込む金融取引はここ数年で急速な拡大を見せたが、先の当欄でも書いたようにインバース系の商品の中には一晩で9割以上の価値が消滅するモノが世界中で続出し、直近ではこのVIXが不正操作されていたとの告発がSECに為される等のオマケ付きだ。
しかしこの現象、かつてのサブプライムローン絡みの証券化商品然り、「天災は忘れたころにやって来る」を痛感したその後2011年の東日本大震災時のオプション市場でのセルボラパニック然りで何度もその阿鼻叫喚な光景を見て来た筈なのだが、少なくともやはり個人が投資で保険会社の真似をするのは応分の覚悟を持って取り組むべきだろうか。