自社株買いの継続性

本日の日経平均はイタリアの政局混乱などから南欧諸国の信用リスクに対する懸念が再燃した事を嫌気した欧州株安や、その流れを受けた米株式の大幅続落を受け大幅続落となった。そんな中で主力の一部のなかでも地合いに左右されず底堅い動きをしていたのがNTTやKDDIであったが、これらに共通するのは自社株買い銘柄という点。

自社株買いといえば今年は初めてそれに踏み切る企業も多く目にするようになってきた感があるが、上記の通信二社は毎年取得の常連組でこうした悪地合いに左右されないのもその辺が評価されている面もあるか。この継続性では野村証券によると10年以降に初めて自社株買い発表をした296社のうち、2度目の実施率が4割、3度目では約2割まで下がっている旨が過日の日経紙で見掛けた。

事実これまで取得枠設定の発表をしても実際は申し訳程度しか買わずに終了というケースも多く酷いモノでは買わないまま終了するケースもあった。今年は2月からの株安等も相俟って2割程度実施額が増加するとの見方もあるが、配当と共にROEの向上など株主還元強化手段としてその継続性も今後注目される事になろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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