物言わぬ株主
本日の日経平均は後場に入ってから日銀ETF買い入れ思惑で一時前日終値近辺まで戻す場面が見られたが、日銀のETF購入といえば本日の日経紙一面には「企業の4割、日銀が大株主」と題し、日銀ETF買い入れによってその保有残高は時価25兆円に達し、3月末時点で上場企業の約4割で上位10位以内の大株主になったとの旨が書かれていた。
うちイオンなど5社に至っては実質的な筆頭株主にまでなっている模様だが、文中には「企業にとって日銀は注文の厳しくないありがたい株主」との一文が見られた。しかしアクティビストの対で物言わぬ株主が大株主や筆頭株主という構図はまさに昨日も触れた従前通りの株式持ち合いの構図と同様にも見える。
安定株主の傘に守られている企業は旧態依然のガバナンス姿勢が抜けていない可能性も高いというが、経営陣の暴走防止の観点から外部チェックの目を光らず必要性も出てこよう。株主総会ピークを明日に控えコーポレートガバナンス・コードの重要性が彼方此方で謳われてはいるものの、ガバナンスという点でこうした部分は問題があるといえるか。