首都圏流出
さて、前回は10年目を迎えたふるさと納税がEGSの流れもあって直近の豪雨被災地の救済を目的とした代理寄付や、被災地支援パートナーシップなど多様な形態で支援の輪が広がっている旨も書いたが、一方で先週末の日経紙には「1都3県で減収4割増」と題しふるさと納税をした人の2018年度分の個人住民税控除額が1都3県で1166億円になった旨の記事があった。
実に17年度分に比べて4割近くの増加だが、全国では前年度より37%増えて約2448億円になるとの発表が総務省より為されている。控除トップは上記に見られるように東京都で約645億円、次に神奈川県の約257億円と続き大都市圏の自治体にとってはなかなか頭の痛い状況となっている。
斯様な状況から都内では目黒区が2018年度から返礼品に同区に拠点を持つ「EXILE」の関連グッズを追加したり、大都市圏でも文化財見学ツアーなど地域資源の活用などの工夫をしたりと試行錯誤だが今後の寄与度はまだ未知数である。
ところで本日は東京都が認可保育所等の新規開設が進んだ事で、今年4月1日時点の都内の待機児童数が前年より3172人減った旨の発表をしている。都は2020年4月に全市区町村の待機児童ゼロを目指すとの目標を掲げているが、首都圏自治体の応分の税収が他府県に流出を続けている事がこれらの対策にも影響を及ぼすようなことにならぬかも危惧されるところ。