ブランド売り彼是
先週末の日経紙企業面には「ゴディバ強気の1000億円」と題して、トルコ食品最大手ユルドゥズ・ホールディングが傘下であるあのチョコレートのゴディバの日本事業の売却手続きに入った旨の記事があった。この件は既に9月くらいから報じられていたが、その背景にはトルコリラの急落による債務圧縮のための切り売りと見られる。
そのブランドバリューから当初は15億?とも報じられていたのでディスカウント感が強いとはいえ、それでも1000億円規模の金額から国内菓子大手は早々に諦め結局三菱商事や投資ファンドが興味を示しているという。最近はウチの近所でもアランデュカスの店ル・ショコラがオープンするなど高級チョコ市場は成長性が見える事でここから狙う各社思惑が交錯しそうだ。
ところで有名ブランドの身売りといえばチョコレート以外でも最近では米マイケル・コースHDによる伊ヴェルサーチの買収報道もあった。余談だがこの買収報道の一カ月ほど前だったか日曜日に放映している「ゲゲゲの鬼太郎」で、砂かけババアが地上げ屋の着ていたジャッケットを「〜あの趣味の悪さはヴェルサーチ〜」と発言するシーンがありヤレヤレと思ったがほどなく身売り報道が出るとは驚きであった。
マイケル・コースといえば昨年はジミー・チューにも食指を動かしていたが、これと併せいよいよ高級化路線で活路を見出すということになる感じ。また14年にヴェルサーチを取得したブラックストーンなどこれでイグジット成功となる計算だが、斯様に投資ファンドもブランド買収の背後に常に見え隠れし虎視眈々と機を窺う動きが見られる。