カリスマの功罪
さて、昨年から日産自動車やスバル、神戸製鋼所など大手企業の品質検査問題など不正が次々と明るみに出てきたが、昨日は不正問題でもこの日産自動車のカルロス・ゴーン会長が東京地検特捜部に金融商品取引法違反で任意同行されたとのショッキングなニュースが飛び込んできた。
この報を受けて欧州市場では仏ルノー株が一時15%安となるなどいち早く反応、明けた東京市場でも当の日産自動車が年初来安値を更新し約2年3ヵ月ぶりの安値に沈んだのをはじめ、同氏が会長を兼務する三菱自動車も大幅続落し10月の年初来安値まで指呼の間と迫り、他の関連銘柄も軒並み安の憂き目に遭った。
パンク寸前だった一昔前の日産をわずか数年で黒字転換、有利子負債完済とV字回復に導いた立役者だっただけに、同法の違反容疑適用に関してはいろいろと憶測も飛び交っているようだが、たしかにこれまでの所謂長年の統治の負の遺産とよくいわれるような大企業病のなかでも発覚した他の事件とは一寸毛色が違う。
しかし、自動車の三社連合も同氏の求心力で成り立っていた事でその前提が崩壊したとすれば今後の混乱次第では暗雲が漂うことになるが、いずれにせよこの一件でまたもや日本のコーポレートガバナンスは大丈夫なのかとの不安を外人投資家に与えてしまうことになるのは想像に難くないか。