シルクの伸びしろ

さて今週は週明けの株式市場で免疫生物研究所が急騰する場面があったが、この辺の背景として同社に関しては先週末の日経紙に「カイコ使いHIV薬前進」と題し、遺伝子組み換えカイコから作った抗HIV抗体医薬品の実用化に向け研究開発を加速する旨が報じられている。

繭からは品質が安定した抗体を容易に生産出来るところがポイントというが、遺伝子組み換えカイコの可能性に関しては今からちょうど4年前の当欄で紫外線を当てると光る特性のある他の遺伝子を組み込んだシルクを取り上げ、化粧品から外科手術の縫合糸はじめ再生医療までメディカル分野で伸びしろが大きい旨を書いた事があった。

思えばかつては世界を席巻した養蚕業、先物市場でも前橋乾繭や横浜生糸が上場し数々の記憶に残る名シーンを演出した事もあったが現在その姿は無い。一方で富岡製糸場など日本の近代化遺産で初の世界遺産登録が叶ったが、すっかり新興国に押されてきた産業も斯様な分野からこれと併せ再度注目を集める日が来る事を期待したいところ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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