ESGとGPIF

さて、先週末の日経紙総合面には「ESG投資に3.5兆円」と題し、公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が環境や企業統治などを考慮したESG投資を増やし、5日に発表した2018年度末の資産残高が3兆5銭億円に達し1年前の2.3倍に増えた旨が出ていたがこの辺は先月末の当欄でも少し触れていた。

ちょうど同日の投資情報面にもGPIFの3月末時点での保有銘柄リストが公表されていたが、なるほど2018年3月末比で上昇が目立った武田薬品工業はサステナブルバリューレポート2018が環境省や「地球・人間環境フォーラム」主催の「環境コミュニケーション」で優秀賞を受賞するなど取り組みやディスクロが高く評価され、三菱商事の方はESGの観点から企業のパフォーマンスを図る目安として多数の投資家に参照されているFTSERussellが開発したインデックスの構成銘柄になっている。

GPIFの18年度運用利回りは1.52%で運用指標である1.92%を下回ったというが、ESGは短期目線で顕著な効果が出る性質のものではない。短期といえば近年はヘッジファンドの中でも成績が思惑外れとなったところも見受けられたが、こうした短期指向の一部は企業へのプレッシャーを通じ実態経済への悪影響を指摘される部分もあった。

それだけにESGの流れはこれらショートターミズムの問題解決にもつながると期待の声も一部にあがっているが、何れにせよESG投資は投資先の長期的な成長機会を捉えることにあるため長期にわたって巨額な公的資金を運用するGPIFがESGに着目する事はやはり自然な流れということか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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