代替通貨
さて、ちょうど1ヵ月前の当欄では最大の金ETFであるSPDRゴールド・シェアの金保有高が先月2016年7月以来約3年で最大の伸びを記録した旨を書いたが、WGCでは金価格連動の世界のETF が価値の裏付けとして保有する現物残高が6月末時点で2548トンと、2013年3月末以来の高水準となり、1か月間の増加額としても7年ぶりの高水準になった旨を発表している。
この6月といえば中旬に米利下げ観測に加え中東の地政学リスクも背景に急騰した後に一時下落を見せた価格であったが、今月に入ってから今度は米中貿易摩擦による世界景気の減速懸念などから安全資産としての需要を背景に再度上昇し3日には1,420.9ドルと2013年5月以来、約6年ぶりの高値を付けている。
最近の金は株と同時並行で上昇している部分も注目されつつあるが、国内では金関連投信の純資産残高トップが三菱UFJのファインゴールドとなり金の採掘や精錬等を手掛ける企業の株式に投資するものも上位にランクインしてきている。今月に入って1,400ドル割れがあってもすかさず切り返し1,400ドル台に回復する動きが続くが、ETF残高と併せ中央銀行の動き等今後も目が離せない。