争奪戦の行方

さて、ここ関係者の間で注目を集めていた旅行大手HISによる旧興銀系不動産のユニゾホールディングスへの敵対的TOBであったが、これに反発し米投資ファンドのフォートレス・インベストメントと組むなどその行方が注目されていた一件は23日にこれが終了しHISに結局株主からの応募は無かったとの発表が為されている。

そもそもの株価がTOB価格を4割以上も上回っていた事で当然の結果とも言えるが、フォートレ・スインベストメントのTOB価格をも上回っているだけに今後買い付け期限までに投資ファンド側の価格引き上げはあるのか否か気になるところだが、この案件に限らず今年は買収案件に関して公の場での争奪戦が目立つ。

ガバナンスへの意識が高まっている証左でもあるが、今回の件は発行済み株数の40.21%を買い付ける予定であったといい、先にヤフーとアスクルについて当欄で書いたように半数に満たない保有比率で保有先企業の経営を狙う案件がここ最近は増加している。残りの過半を保有する少数株主の権利が蔑ろにされないかどうかこの辺に絡んだ論議がまた出てきそうだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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