同時並走現象
先週は金の国際価格指標となるニューヨーク市場の先物価格は2013年4月以来、6年5か月ぶり高値を付けたが、昨日の日経紙総合面には「ドルと同時上昇リスク回避映す」と題し米中貿易戦争の長期化で景気が減速するとの観測から、金価格が景気の下振れリスクが米国より高い新興国や、ブレグジット問題やイタリア政局への不安が残る欧州でも現地通貨建てで相次いで過去最高値となっている旨が載っていた。
また先週当欄で取り上げたバリック・ゴールド、アングロ・ゴールド、アシャンティなど主要金鉱株の所謂「BAANG株」の昨年末から先月末までの上昇率はダウ工業株30種平均の同期間のそれを大きく上回る旨も書いてあったが、斯様な関連セクターの同時並走は兎も角も教科書的には逆相関とされる株式などのリスク資産との同時上昇が今年は目立つところ。
逆相関を覆す同時並走といえば冒頭の通り、市場規模が大きい基軸通貨ドルの代替投資先とされる金は資産価値が減り難く無国籍通貨の側面がある金とは教科書で逆相関とされるが、これまた昨今はこれらの同時並走が目立つ。従前はレアケースとされた現象が緊張が続く米中両国関係を背景に今年は何所まで続くのか今後も注目が怠れない。