全てが安い
本日の日経紙・市場点描には「ヘッジファンド盟主も苦境」と題して、英ファイナンシャル・タイムズがコロナウイルスショックによる相場暴落で米ブリッジウォーター・アシスエーツ創業者が運用する旗艦ファンドの年初来成績がマイナス20%に達するなど急速に悪化している旨が書かれていた。
末尾にもあったが氏といえば世界最大のヘッジファンドを率い株式、債券、商品の各資産のリスクが均等になるよう分散投資するリスクパリティ運用の発明者で有名であったが、ここ30年の運用で年間収益マイナスがわずか3年、2008年のリーマンショックの時でさえプラスで乗り切った同氏もコロナウイルスはこれまでと勝手が違ったようだ。
確かに金などコロナウイルスの感染拡大につれて株が急落する中を当初は7年ぶりの高値まで大きく買われたものであったが、斯様な有事の金買いも暴力的相場下でパニック時の金売りに転じ昨年秋口の株式、金、債券等の「全部高」構図が今月に入って一転して「全部安」の構図になったという感じだ。
そんなワケで2008年のリーマンショックの時でさえプラスで乗り切った上記のファンド創業者もコロナウイルスの前には常勝の方程式も通用しなかったようだが、FRBも3日に続き事実上ゼロ金利政策に踏み切るなどこれら金融政策を背景に一相場を形成してきた金の逆戻しも続きこのまま「全部安」相場が継続されるのか否か、今後も各相場からは目が離せない展開か。