国費でマスク?
一昨日の日経紙総合面には「医療用防護服が品薄」と題し、日本でマスクと共に化学防護服の品薄感が強まっている旨が書いてあったが、防護服といえば医療崩壊が著しいイタリアではジョルジオ・アルマーニが使い捨て防護服の製造に着手、またグッチやプラダもマスク生産を始めている等ファッション界が動いているが、高級車勢もフェラーリが人工呼吸器を、またランボルギーニもサージカルマスクの生産を開始している。
さてマスクといえば先月末の閣僚会議で首相が突然マスクを付け始めた違和感から翌日には全世帯に2枚ずつ布マスクを配布すると表明。休業補償や給付金から減税云々が焦眉の急となっているこの期に巨額を割いてのマスク配布に世間では賛否両論喧しいが、米に先駆けて感染が始まっていた日本はその後に感染が始まった米に比べ経済対策から何からスピード感が著しく劣るように見える。
今週は悲鳴にも似た緊急事態宣言要請が各界から出ていた間にも感染者が瞬く間に急増、漸く重い腰を上げ緊急事態宣言を発令するに至ったが、「スピード重視」、「躊躇なく決断」云々繰り返していた割に牛歩感は否めず、経済対策にしても過去最大を謳う割に現金給付一つ取っても国民の約80%がもらえないハードルの高さで規模ありきの遣っ付け感が否めない。
400億円超もの国費を投じ家族全員にも行き渡らない鳴り物入りの布マスクが我々の自宅に届く前に、既にドイツでは5000ユーロの緊急助成金が簡単なオンライン申請からたった2日で振り込まれているのを見るに、都合の悪い文書等々ものすごい勢いで破棄・改ざんで闇に葬る事が出来る機動力を持っているのにこんな危機的場面でそうした力を出さないところが実にやるせない思いだ。