自社株買いにMBO
さて、今年はコロナ禍による業績悪化を受けて多くの企業が自社株買いによる株主還元に慎重であったものの、一週間ほど前の日経紙には10月以降に自社株取得枠を設定すると発表した企業は約100件と業績が底入れすると判断した企業が還元に動くなど自社株買いに回復の兆しがある旨の記事が出ていた。
もう一つの背景として昨今はアクティビストの存在が影響力を及ぼしている部分もあり、実際に株主提案を受けた経緯のある向きの中には実施を決めたところも出ている。本日の日経紙投資情報面にも4月から9月期に株主還元を増やした企業一覧が出ていたが、首位のソフトバンクGなどもこのパターンで株価が下がればいつでも再度の自社株買いに打って出る構えを見せている。
同社の場合巨額資産の売却により潤沢な資金力が背景になっている部分もあるが、それゆえ同時に此処はMBOの噂もまた喧しい。このMBOも非公開化で経営の自由度を高め機動的に意思決定を図る狙いで今年は9月までに届け出のあった件数・金額共に2013年以来年ぶりの多さとなっているが、環境が変るなか経営改革を進めようとする何れのパターンも今後は増加傾向を辿る可能性が高いか。