コロナ禍2020

さて、日本漢字能力検定協会が今年の世相を1字で表す「今年の漢字」が先週に「蜜」と決定したが、先の「2020年ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞の「3蜜」と合せまさにコロナに始まりコロナに終わった一年となった。そんなわけでこの年末年始も例年とは全く違った光景が広がる。

この時期の風物詩であるクリスマス前後のイルミネーションも今年はメジャーなところで表参道のけやきのライトアップが中止となり、丸の内のイルミネーションも従来深夜0時まで灯す予定を人が集まらないように午後10時で終了、既に要請している飲食店の時短と併せて相乗効果をあげる狙いがあるというが、文字通り今年はサイレントナイトである。

また福袋商戦も年内からスタートなら、各神社とも分散参拝を呼び掛ける初詣まで一部は年内からスタート。感染リスクを考慮し鈴緒は撤去され祈祷も外というところが多く、一部はネット上でオンライン初詣を開設するなどこんなところにもオンライン化の波が。メジャーなところで明治神宮も終夜参拝を中止し通常通り午後4時に閉門を予定しているが、終夜参拝の取り止めは1946年1月以来の事という。

併せて鉄道各社も例年であれば終夜運転が実施されるが先に終夜運転を行わない事を決定している東武・東急・西武等に続き、JR東日本・東京メトロ・都営地下鉄等大手私鉄各社が相次いで取り止めの動きに。明治神宮の終夜参拝取り止めが1946年以来の事なら、JR東日本もこの大晦日の終夜運転取り止めは1987年以来、初めての事という。

直近では漸くワクチンの接種が始まった。来年の事は解らぬがコロナ禍が収束に向かう暁には何が従前の姿に戻りまた何が戻らないのか、そんな事を考えつつ今年はこれで筆を置きたい。

本年もご愛読ありがとうございました。 どうか、来年が皆様にとってよい年でありますように。


待降節 

先の日曜日の日経紙・TheSTYLEの一頁目の真ん中には「アドベントカレンダー」の写真が大きく載っていたが、明日のクリスマスイヴまで毎日一つずつ開けて中に入っているお菓子やおもちゃなどでカウントダウンを少しずつ楽しめるこのカレンダーも漸く日本でも認知度が上がってきた感がある。

今年はこの商品としては高額のモノも散見され、86,400円のメゾンカカオや、一部百貨店で海外の陶磁器ブランド売り上げが前年比50%アップしているのも背景になっているのか71,500円のウエッジウッドのホリデイアドベントカレンダー等もあったが、大手百貨店のオンラインストアではピエールエルメやラ・メゾン・ドュ・ショコラ等の1〜2万円程度のモノは早い段階での完売が目立った。

この手の物ではこのクリスマスの時期日々の味の変化を楽しみながら毎日少しずつ頂くシュトーレンやパネトーネなども今年は扱う店が拡大しそれぞれ独自色を出しているが、これらも含め巣ごもり消費が定着するなか御節よろしく自分用や家庭用として少し高めな商品に財布を緩める動きがしばらく続くとみられるか。


潮流察知

本日の日経紙マーケット面・市場点描には「銅と金、正常化足踏み移す?」と題し、銅価格を金価格で割った銅金レシオが11月から上昇が加速し昨年6月以来の水準を回復したあと伸び悩み商状となっているなど景況感の改善を示唆する指標の動向に市場の関心が集まっている旨が出ていた。

銅といえば新型コロナウイルスの感染拡大をいち早く収束させた中国の堅調な需要などを背景として足元では国際指標であるLME3ヵ月先物は7年10ヵ月ぶりの高値を付けているが、こうした需給に目を付けたファンド勢の投機資金の流入もあってコロナ第一波の頃の3月の安値からその上昇率は実に8割にも達している。

ところで先月末に茨城の下妻市で砂沼サンビーチに埋没してある高圧ケーブル約1000メートル分が盗難被害に遭ったという事件が報じられていたが、この手は銅線の転売狙いで間違いの無いところだろう。これまでも非鉄相場が温まって来るとそれとリンクしてこの手の盗難事件が報じられる事が増える傾向にあったが、斯様に潮流を察知するのは何もファンド勢に限った事ではないという事の証左か。


「蜜」な年末IPO

さて、先に米IPO市場の調達総額が今年は過去最高記録を更新するなど活況を呈している旨を書いたが、日本でも先週から12月のIPOラッシュがスタートしている。先週木曜には5社が同時上場とマザーズなどはまさに「蜜」状態を呈しているが、既に知名度の高い新興家電の「バルミューダ」などは上場日から本日で4日連日のストップ高の離れ業で上場日の寄りで買ってもたった4営業日で実に株価2倍と大化けしている。

他にも上記のラッシュの17日にマザーズに新規上場した「ビートレンド」や「プレイド」、「かっこ」はいずれも買い気配のまま初日を終え、翌18日に同じくマザーズに新規上場した「ココペリ」も買い気配のまま初日を終えその後いずれも公開価格の約2倍から4倍で初値を形成、また本日マザーズに上場した「いつも」も公開価格の2.3倍にあたる3545円まで気配値を切り上げ買い気配のまま取引を終えるなど猛ダッシュのスタートを切っている。

今年は国内で新規上場する企業は前年から7社増え93社と2007年の121社以来、13年ぶりの高水準となるが特にここからは営業日を考慮するに1日平均で2社以上のハイペース公開が続く。中には公開後に急反落と息切れしているモノも散見されるが、先に上場延期となったキオクシアの上場延期も需給面で一役買っている素地もありこのラッシュが新興ポストにとって追い風となるか否か月末まで注目したい。


冬商戦2020

さて、先に日本百貨店協会がまとめた10月の全国百貨店売上高は既存店ベースで前年同期比1.7%減少となり、これでかれこれ13ヵ月連続マイナスとなっている。そんな百貨店各社が売上げの回復に向けて力を入れているのがクリスマスケーキより早くスタートしたおせち商戦だが、今年はネット注文が一部大手では前年比で約150%、大手通販サイトでは9月段階で昨シーズン比約3倍に伸びているという。

今年の場合、コロナ禍で帰省出来ない人がオンライン上で同じ物を食べる想定の2セットの1人用のおせちを実家用と自宅用とで複数買いするケースや、巣ごもり消費が定着するなか取り分けの要らない一人一段で完結する個食需要を見込んだ商品も目立つが、高額な商品に財布を緩める動きもあってか10万円以上のおせち予約も好調で昨年完売しなかった高価格帯の完売も散見されるという。

またおせち料理と並ぶこの時期の風物詩の福袋も今年の場合は巣ごもりを主眼に置いた物が多く、元日からの販売を待たず三越伊勢丹は早くも10月末から先行販売をスタートさせ、松屋は年内と年明けの2回に分散、西武も年内から販売し約6割をネットで販売するなどして例年並みの売り上げを確保しようとする動きもあるが、この福袋商戦もまた百貨店にとっての試金石だけに各社の戦略が試されるところ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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