顔ぶれの変化

さて、先週は火曜日にマザーズ市場へボードルアが新規上場し、木曜日にはジャスダック市場にのむら産業が新規上場をはたした。注目の初値はボードルアが公開価格を37.5%上回る初値形成となりその後はストップ安に沈み、のむら産業は公開価格を8.0%下回る初値形成となった後に安値引けとなるなど共に換金売りが優勢の展開となっていた。

今月一発目となったのむら産業だが、この後も今週末にはフレクト、来週以降もネットプロテクションズHD、TrueData、ブロードエンタープライズ等々マザーズ市場中心に大納会ギリギリまでIPOの見込みは前年比7社増の実に33社と目白押しとなっており、単月としては1991年11月以来、約30年ぶりの高水準になる見通しという。

このコロナ禍で社会のデジタル化が加速するなか、その顔ぶれとしては上記のフレクトやハイブリッドテクノロジーズ、エフ・コード、アジアクエストなどのDXの支援・戦略設計・コンサル、またJDSCやエクサウィーズ、Institution for a Global Societyなどの高度なAI技術を活用する新興勢が特に目立つところとなっている。

斯様に構造変化を捉えた企業のIPOラッシュとなる今月だが、これで今年の新規上場は前年比3割増の120社超の見通しで前回のIPOブームに沸いた06年の188社以来の高水準になる見通し。しかし冒頭の91年の顔ぶれといえば自動車部品や電子機器など製造業が中心であったが、昨今は全体の4割が情報・通信となっておりこの30年での顔ぶれの変化が印象深いところだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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